2巻P92_武家の内衣の事
武家の内衣(※ここでは礼服などの下に着る小袖をいう。1巻P143【小袖と云う事】参照)について、『書札雑々聞書』に「直垂の下に着る小袖といっても別にいつもと変わることはない。ただし、大帷子を着るときは必ず白い小袖を着る」云々と書いてある(「別にいつもと変わることはない」とは。いつもは花色・もえぎ色の小袖を着るという意味である)。
『御成次第故実』には「武家の正式な服装をするときは、大帷子の下に白い小袖を着るものである」、「このほか、直垂の下に着る小袖は、織筋(※横に太く筋の入った織り柄のもの)でも良い。ただし、織物(※格子模様も含む模様の入った柄物)の小袖は禁止されているため、決して着てはならない」と書いてある。
『御供故実』には「直垂の下に着る小袖は、織筋でも染物でも良い。ただし、織物は決して着てはならない」と書いてある。
『条々聞書』の異本には「大帷子を着るときは、白い小袖を着る。袷とするときも同様である。また、裏打ちをするときはどんな小袖でも良い。ただし、織物は決して着てはならない。目立って異様なものを着てはならない」と書いてある。
『奉公覚悟之事』には「男の夏のハレの日の服装は白帷子である。ただし、若者はこの限りでない」と書いてある。
『御成次第故実』には「大帷子のときに着る小袖は白い小袖である。袷とするときも同様である」云々と書いてある。
伊勢守貞国の肖像画では、直垂の内衣として、かげもえぎ色の小袖に花色小袖を重ねて着ているのが分かる。したがって、武家の正式な服装(大帷子を重ねるときのことをいう)をするときは白小袖とし、いつもは何色でも良い。帷子を着るときは白帷子とし、いつもは何色でも良い。帯も表着と同じ色の帯をするものである。
いつもの服といっても「平服でお越しください」と同様にカジュアルな私服でよいという訳ではないという罠です。
といっても、当時の服には染色技術の限界がありましたし、あとは悪目立ちしなければよさそうな印象もあります。




