2巻P89_一ツ襟の事、2巻P92_武家の内衣の事
○2巻P89_一ツ襟の事
装束の下に着る衣は、白衣(※烏帽子をかぶるが白い小袖に指貫の袴という、上着である礼服を来ていない出で立ちのこと)である。
束帯のときは、天皇から臣下に至るまで一ツ襟に着る(「一ツ襟」とは、何枚着ようとも上に着る衣の襟で下の衣の襟を包み隠し、一枚だけ着ているように見せかけるものである)。
衣冠のときは、三位以上の身分の者は二ツ襟とし、四位以下の者は一ツ襟とするものである。
○2巻P92_武家の内衣の事
武家の内衣(※ここでは礼服などの下に着る小袖をいう。1巻P143【小袖と云う事】参照)について、『書札雑々聞書』に「直垂の下に着る小袖といっても別にいつもと変わることはない。ただし、大帷子を着るときは必ず白い小袖を着る」云々と書いてある(「別にいつもと変わることはない」とは。いつもは花色・もえぎ色の小袖を着るという意味である)。
『御成次第故実』には「武家の正式な服装をするときは、大帷子の下に白い小袖を着るものである」、「このほか、直垂の下に着る小袖は、織筋(※横に太く筋の入った織り柄のもの)でも良い。ただし、織物(※格子模様も含む模様の入った柄物)の小袖は禁止されているため、決して着てはならない」と書いてある。
『御供故実』には「直垂の下に着る小袖は、織筋でも染物でも良い。ただし、織物は決して着てはならない」と書いてある。
『条々聞書』の異本には「大帷子を着るときは、白い小袖を着る。袷とするときも同様である。また、裏打ちをするときはどんな小袖でも良い。ただし、織物は決して着てはならない。目立って異様なものを着てはならない」と書いてある。
『奉公覚悟之事』には「男の夏のハレの日の服装は白帷子である。ただし、若者はこの限りでない」と書いてある。
『御成次第故実』には「大帷子のときに着る小袖は白い小袖である。袷とするときも同様である」云々と書いてある。
伊勢守貞国の肖像画では、直垂の内衣として、かげもえぎ色の小袖に花色小袖を重ねて着ているのが分かる。したがって、武家の正式な服装(大帷子を重ねるときのことをいう)をするときは白小袖とし、いつもは何色でも良い。帷子を着るときは白帷子とし、いつもは何色でも良い。帯も表着と同じ色の帯をするものである。
○2巻P89_一ツ襟の事
状況に応じ、一ツ襟か否かで身分の上下が分かるシステムというのは面白いです。
でも本当にそうだったの?という疑義も生じます。
論拠が無い論説には批判的に対することも必要ですね。
○2巻P92_武家の内衣の事
いつもは織物以外なら何でもいいけど正装時は白い小袖というも、そんな空気があったのでしょうか。
自由といいつつどこか自由でない社会性が見えてきます。




