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2巻P10_素襖の事(18)、2巻P29_直垂の事(12)

○素襖の事(18)

素襖引きとは、古は酒盛りの時に着ている素襖を脱いで盃を交わした人に贈るものであり、互いにそれを行うことをいう。

刀引きというのも同様である。盃を交わして刀を贈りあうのである。

古は酒宴の時にいつもこのようにしたと古書などの記述にある。


○直垂の事(12)

直垂の腰紐の結び方は、単の直垂も裏打ちのある直垂も同じように結ぶ。

『道照愚草』に「直垂の腰紐の結び方について、前腰の紐は通常の結び方で取り揃えて、後腰の紐は先の広いところに巻いて結ぶ」とあり、『条々聞書』には「腰紐の結び方は、前腰の紐は通常のとおり結び、それを取り寄せて後腰の紐の先を広げ、残りの腰紐を包んで美しく丸くし、上から下に二重に取って差し交わして結ぶ。たとえばこのように結ぶ(※原文に図があるが略す)」と書いてある(前腰の紐は立結びが良いとされる。そして輪になる紐と揃えて重ね、前腰の紐の間に上から下に何度も引き通して巻くのである)。

『御成次第故実』に「公家ではたんに結ぶだけであるが、武家ではいつものように取り寄せ、紐を一つに包み、押し丸めて挟んでおく。直垂に裏打ちのある場合も大帷子を着る場合も同様である」云々と書いてある。

貞丈が思うに、現代では腰を巻き結んだ紐の余りをそのまま長く垂れ下げる人がいるが、古にはなかったことである。


※()書きの数字は、その項の数を指しています。つまり「素襖の事(18)」なら素襖について第18項目ということです。ここでは一部を抜き書きしているだけですが、本来『貞丈雑記』ではそれだけ多くの説明がされているのですね。


○素襖の事(18)

サッカーのユニフォーム交換を思い浮かべると友好的な雰囲気が分かりやすいでしょうか。素襖には紋があるので、「誰々とのつながりがある」という証明にもなり得ます。

刀引きについても同様ですが、おそらくここで交換されるのはいわゆる大刀と呼ばれるものでなくて鞘巻き・小さ刀などと呼ばれるものでしょうか。


○直垂の事(12)

後腰の紐の結び方に注目すると、『条々聞書』の原文の図では単なる四角にしか見えなかったのですが、『武家装束着用之図』や伊勢貞興の肖像画(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E5%8B%A2%E8%B2%9E%E8%88%88)を見ると縦結びをした後に二重にした紐を結び目にグルグルと巻き付けています。

一文字に結んでいる箇所もありますが、垂れ下がる紐が二重になっています。

つまり、結び方には次の2通りが考えられます。

① 縦結び→巻き付ける

② 縦結び→片方の紐で一文字の輪に作る(このとき端を少し残す)→もう片方の紐で巻き付ける→端を合わせて巻き付ける

 ※わざわざ一文字に作った輪の端を残して処理する意味は不明

ちなみに、袴紐の結び方は直垂と異なるところはないと思いますが、時々「十文字は変」などと論争が起こるようです。

ここでは、一文字や十文字の結び方とも異なる結び方もあるよ、という知見を得られれば幸いです。

なお、筆者は本結びにして残りの紐は他の紐に絡げて処理する「結び切り」か「一文字」に結んでいますが、「一文字」の残った紐をそのまま下に垂らしても支障ないんだなあ、と勉強になりました。

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