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1巻31P_ふかそぎの事
ふかそぎという祝い事は、小児5歳のときに、生え揃った髪の先を切る祝いである。
髪を切る役人は、打乱箱に鬢具(くし道具のこと)を入れて持参し、吉方に向かわせてハサミを取って髪の先を切り、紙に包んで打乱箱に納めてから退出する。
祝いの儀があるときは、切った髪は川に流す。これも髪の長くなることを願ってのことである。男も女も同様に祝う。
【頭書】『懐胎産屋規式之次第』に曰く、「ふかそぎとは、下賀茂の御手洗河の石を取って子供の左右の手に持たせ、碁盤の上に上がらせたら、髪をよく整えて髪の先を切る。そして石を左右の足にも一つずつ踏ませる」。
髪が長くなることを祈願するというと、平安貴族女性の美醜の基準の1つが髪の長さであったことを思い出しますが、ここでは男女の別はありません。
他方、髪は健康のバロメーターと考えると、子供が健やかに育つように…という親の願いや社会的要請を儀式化したものなのかもしれません。




