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アンユの日記~Pollen・Allergy・Lover~  作者: 昼場まなと
第五話「二度目の対話」
24/42

やりたいこと

エピソード23

「これはこれは、皆さんお揃いで。」


 食堂へ行くと、コック長は今日も陽気に出迎えてくれる。

ウサギはさっきの話の後、意外にも気まずいと感じたのか、別室で食事をとることにしたようだった。

奴の定位置となっていた私の隣が空いていたところ。


「ここ良い?」


 と、観測係さんが座った。


「いや、さっきの話、あたしはまだ納得してないんだけどさ。でも、ありがとうね。」


 何に対するお礼なのか、判断しかねて、首をかしげると。


「わたしもちょっと熱くなりすぎてたっていうか。アンユは、あたしの代わりにいろいろ話そうとしてくれてたでしょ?」


 と、少し恥ずかしそうにしていた。


「いや、私は思ったことをそのまま話してただけだよ。」


 私が率直に告げると。


「はは……。そういうとこも『アンユらしさ』ってことね。」


 と、笑みをこぼした。


「そういえば、さっきのアレって何なの?」

「あれ?」

「ウサギとの約束が『本当だ』ってやつ。」

「あぁ……。」


 私も、気になっていた。


「私にも、分かんないんだ。だけど、最近、何故かアイツの言葉の真意が分かる時があるの。」

「なにそれ?」

「なんだろうね?それも段々、強い確信に近づいてるような気がするっていうか。」

「うーん。それもP・Aのせいなのかなぁ……。」


 と、彼女は考え込んでしまった。




「あのさ――。」


 彼女の正直な感情に触れて、私も素直に相談したくなった。


「話が進んでいくうちにどんどん、私がどうするのかっていう方向に進んでる気がするんだけど。」

「うん?」

「……私はどうしたらいいのかな?」


 すると、彼女は声を上げ笑い出した。


「いや、あたしにも分んないよ。大事なのはアンユがどうしたいか?なんでしょ。」

「それでいいのかな?」

「良いんじゃない?あたしはあたしで、自分が納得できるように動くから、アンユもやりたい事を探してみたら?」


 そして、再び考えるような仕草をした後。


「たぶん、この世界はそうなる様にできてるから。」


 と、つぶやいた。

その言葉は、私の中にも目覚めていた感覚と一致していた。

この奇妙な感覚に蓋をするついでに、彼女の言葉も聞こえないふりをして。


「じゃあ、このままカルラと仲良くなってみるよ。」


 と、私は笑って見せた。


「またそれか。まぁ良いんじゃない?P・Aの根本は理解だし、あの子のことを知っていけば能力の開花にもつながるよ。あたしにはちょっと理解できない考え方だけど。」


 昨晩のことも含めて、私はこの子の正直さが気に入っていた。




「アンユさん。彼はまた、実を付けたようです。」


食事が終わるころ、マスターが教えに来てくれた。


「カルラは、いつでも返事を聞く準備ができてるってことですね。」

「えぇ。いかがなさいましょう?」

「うーん。」


さすがに、今すぐって感じでもないよなぁ。


 などと、考えていると。


「良いじゃん。待たせときなよ。アンユのペースにあたしたちは合わせるよ。」


 と、観測係さんは応援してくれた。


「それじゃあ、もう少しカルラのことを考えてからにします。」


 こうして、カルラとやりたいこと探しを始めることにしたのだった。

 エピソード24「ゲーム」も投稿済です。

第五話、最後のエピソードとなりますので、そちらもよろしくお願いいたします。

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