表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Resist.Destiny  作者: ミヤモン
2/2

第2話 新東京都

第2話の投稿です

自己満足で書いていますが、良かったらどうぞ

Der Alte würfelt nicht (デァ アルテ ヴュルフェルト ニヒト)



神はサイコロを振らない。



アルベルト・アインシュタインが量子力学を批判した時に言った言葉である。

だが、ここでは独自の解釈で話そう。

この世界に神は存在するのか?

それとも神は所詮人間の作り出した空想の産物なのか?

仮に神が存在したとして神は我々の事を監視していて我々を色んな方法で弄んでるのだろうか?

それとも何もしていないのだろうか?

僕は後者を選ぶ、この世界は確かに神が創ったかもしれないが、あくまでも世界を創ったに過ぎない。

だから、人間の幸せや不幸、運命は、その人の努力だったり、今までの行動で決まり、どんな運命でも変えること出来るのだ。

だから神が一人一人の人間に対して運命というサイコロを振ることはないのだと思う。


しかし、もし神がサイコロを振っていて我々の運命を決めているのであれば、それが例え良い選択だったとしても、僕はそれに抗ってみようと思う。



運命に抗え

例えそれが神の意志に背くことになったとしても




第1部 目覚まし

4月10日 水曜日 7時00分


目覚ましの音が部屋中に響きわたる。

リンカ「ん……もう朝か」

目覚ましを止めて、時計を確認すると7時を回っていた。確か寝たのが夜中の3時、約4時間の睡眠か。少し寝足りない気もするが大丈夫だろう。

俺はベットの枕元に置いてあるSVIを右耳に付け、スマボを持ち、自分の部屋を出た。

俺は一人で一軒家に住むんでいるのだ。

両親はいない、父親は俺が生まれる前に亡くなったらしく、母さんが女手一つで俺を、育ててたんだが、俺が6歳の時に亡くなった。

この家は、俺が母さんと一緒に住んでた家なのだ。

階段を降り一階のリビングに行き、スマボの操作でテレビを付け、そのままダイニングキッチンの方に向い冷蔵庫の中からモンエナゼロっという缶のエナドリを取り出し、それを飲む。

モンエナゼロは俺の大好物な飲み物だ。

口の中に広がるエナドリ独特の風味、炭酸が強いため喉越しのキレが凄い、そしてカロリーがゼロなためさっぱりしている。

モンエナは種類が沢山あるエナジー系の飲み物だが、俺はこのゼロが好きだ。

リンカ「ぷはぁ、やっぱり朝はこいつに限るな」

女子アナ『今日は、全国で晴れの予報でしょう』

テレビからは、今日の天気予報が放送されている。

リンカ「………」

テレビに目をやりながら、昨日の事をふと思い出した。



あなたと私は同じ、運命には決して抗えない



リンカ「あれは、どういう意味なんだ」

あのアイがあそこで、意味もなくあんな事を言うなんて思えない。

何か意味があるのか?

それとも特に何もなく、その場のノリで言ったのか?

考えても分からない。

今日、学校でアイに聞いてみるかな。

そうだ、アイザワの病院調べてお見舞いにも行かないとな。

近くの病院ならいいが。

リンカ「そろそろ、準備して行くか。っとその前に一勝負」

俺はリビングのソファーに腰掛け、スマボを横に持ち音声入力でゲームを起動する。

リンカ「スペースシューティング起動」

昔ながらのシューティングゲームだ。

さっそくオンラインのスコアランキングを更新する為にゲーム開始。

ゲームをプレイしながらテレビに目をやる。

62インチのテレビには丁度ニュースの映像がながれている。

女子アナ『今や私たちの生活になくてはならないスマボ、そのスマボ普及率が、85%を突破しました』

リンカ「85%か、増えたな。」

俺はテレビの言葉にそう思った。

2047年はこのスマボが俺たちの生活にはなくてはならない物になっているのだ。

スマボ、スマートボードの略語だ。

見た目は昔、普及してた端末携帯に似ていて機能も似てるところはあるが、それに加え個人プロフィールや保険証、電子マネー、家や車の鍵など、今やどこでもスマボを使う時代だ。

逆にいうとスマボがないと何もできない事もある。

そしてスマボを使う上で必要なのが、耳につけている、SBIだ。

スマボインターフェイスと呼ばれている。

元々、スマボはセキリュティーの関係で生体認証をしないと起動しない設計にされている。

SVIはワイヤレスイヤフォンの様な形をしており、これを左右どちらかの耳に付けると、スマボの生体認証が行われ、スマボを使えるようにしているのだ。

SBIの機能はそれだけじゃなく、形の通りイヤフォンとマイクが内蔵されているので最近ではスマボの電話とかをSVIを使って通話するのが一般になっている。

巷ではこれをS通話(スマートつうわ)とも呼んでいる。

さらに音声認証でのスマボの操作、更に脳の信号を読み取ることでユーザーの思考でのスマボの操作やユーザーの健康管理も行っている。

まさに至れり尽くせりだ。

そのため、スマボとSVIは今や、持ってない人を見るのが珍しい世の中になっている。

ただ、その反面セキリュティー面が問題視はされているが、今やそこまで気にする人はいないかもな。


☆って俺はこれをいったい誰に説明してるんだ?☆


ゲームをプレイしながらそんな事を思ってた。


第2部 登校

8時22分


リンカ「くそー、ランキング、また3位かー」

オンラインゲームのランキング結果を見て俺は、頭を掻いた。

スペースシューティングは、毎月スコアが全国ランキングで出るようになっている。

順位自体は1万位くらいまである。

そして大体上位は同じ人たちが仕切っている。

俺は毎月スコアランキングの上位にはくるのだが、3位から上に行くことが出来ないのだ。

この上の2位と1位の奴らをどうしても抜かす事ができない。

リンカ「こいつら、本当はチートとか使ってるんじゃないのか?」

俺はそう思ったが、最近のオンライン用のゲームにはチート発見ツールがあり検出されると、アカウント削除や最悪な場合、賠償責任が問われるらしい。

でも上位の奴らがとんでもないハッカー達だったら、簡単にツールを突破出来たりするのか?

俺はそんな事を思いながら、ふとスマボの時計を確認した。

リンカ「やべぇ!もうこんな時間か」

本来は準備をして8時ちょっと過ぎには家を出ないと行けないのだが、時計はとっくに、8時を過ぎていた。

ゲームに夢中になりすぎていたため時間を確認してなかった。

急いでモンエナゼロを飲み終え、学校の制服に着替え、歯を磨くなどをして準備を整えた。

しかし、今から徒歩で行っても時間が無いのは、目に見えて分かっていた。

こういうときは。

リンカ「よし、ヤイバを使うか」

ヤイバとは俺のバイクの愛称だ。

YKS-R1がバイクの名称で、YはバイクメーカーのYAIBAの頭文字からきている。

その名前を愛称として呼んでいる。

準備を整え玄関を出て、家のガレージに向う。

今どき珍しい手で開けるタイプのシャッターを開けると、中には青く輝くボディーの俺の愛車があり、周りには工具箱や部品などがある。

ここで俺は愛車の点検整備やカスタムをしている。

ヤイバのハンドルの真ん中の装着部分にスマボをセット。

システム音声「ユーザー認証開始、キリセリンカ、認証完了、車両のロックを解除します。」

音声と共にバイクのロックが解除される。

これがSBIDセキリュティだ。

今の世の中、家の鍵や車両の鍵などは全てスマボが鍵の役割をしている。

俺はヤイバをガレージから道路に出した後、車両に跨り、エンジンを掛ける。

モーター音と振動が体に響きわたる。

俺の高校、桜花高校まではバイクを飛ばせば約5分位で着く。

今が8時30分で40分までに、教室には居れば問題ないから余裕だな。

正直、遅刻すると先生のお節介がめんどくさいからな。

リンカ「よし、行くか。」

俺はヤイバを発進させる。

住宅街から大通りに抜けると車通りが激しく、この時間は通勤渋滞とかしてるが、バイクなら関係ない。

俺は車の間をすり抜けながら学校を目指す。

だが、俺の学校、実はバイクでの登校は認められていないため正面から行くと怒られるので、俺は敢えて裏の方に周り、学校の手前でバイクから降りてそこから徒歩で向かうことにする。

ハンドルからスマボを取り外し、バイクを自動操縦に切り替えて自宅に戻す。

こうすれば学校にバレない。

俺は裏門から学校に入り教室に向う。


ギリギリ間に合わなかった。


第3部 桜花高校

昼休み


学校の屋上。

澄みわたるような青い空。

心地よい、そよ風が吹く。

俺は一人、フェンスによっかかりながら、牛産コーヒー牛乳を飲み、旨辛カレーパンをかじりながら、スマボでスペースシューティングをやっていた。

カレーパンをかじると、口の中にほんのり旨みを感じたあと、口内が痛くなるほどの辛味が広がる。

リンカ「相変わらず辛いな…」

旨辛カレーパンはコンビニは勿論、学食の購買にも売ってるパンなのだが、旨辛と書いてあるのに、激辛レベルに辛いと有名なカレーパンなのだ。

そして、このカレーパンに合うのが牛産コーヒー牛乳。

コーヒー牛乳の甘さがカレーパンの辛さを和らげてくれる。

この組み合わせは最高。

俺のお昼はだいたいこれ。

屋上には俺一人しかいない。

屋上は元々立ち入り禁止の場所なのだが、こっそり侵入しているだ。

教室は人の喋り声がうるさいし、学食や中庭は人が多いし、結果一人で静かに過ごせるのはこの屋上って訳だ。

俺は友達以外の人との関わりを出来るだけ無くしたいとおもっている。

元々、友達って友達も昨夜のバイク仲間達ぐらいしか居ないし、それ自体もアイザワの誘いで付き合ってるだけで、俺から遊びに誘ったりしたりはほとんどない。

でも何故か、あのチームの中では俺がリーダー的存在になっている。

バイク仲間達は皆、他の学校か学校には行ってない人達だから、この高校で親しい人はいない。

アイザワも高校は行ってない。

だから、昼はこうやっていつも一人で過ごしているのだ。

ただ、今日は予定があるから早く昼飯とゲームを終らせないとな。

ゲームを速攻でクリアし、残りのカレーパンを一気に頬張った。

口の中に辛さが広がる。

リンカ「あー!辛いー!」

コーヒー牛乳を一気飲みし、屋上を後にした。

そのまま1年生の教室がある一階へと向かった。

俺はアイの昨日の言葉がどうしても気になったので彼女を探す。

昼休みなため教室には数人の生徒しかいない。

さて、アイの教室ってどこだ。

恐らくアイの事だから教室で一人過ごしてると思ったんだけど、意外と見付からないものかな。

「何してるんですか?先輩。」

リンカ「うわ!?」

後ろから、聞き覚えのある声が突然聞こえたのでビックリしてしまった。

急いで振り向くと、黒いブラウス姿のアイがいた。

手には、弁当箱が入ってると思われる袋と本を持ってる。

もしかして、教室ではなく外に食べに行っていたのか?

ま、まさかとは思うが昔のテレビとかであるトイレで食べてたは無いだろうな。

あと、今の時代は皆、本を読むのは電子書籍が当たり前になっているのに、紙を使っている本を読むなんて珍しいな。

まあーそれは後で考えるとして。

リンカ「アイ。丁度探してたところだったんだ」

アイ「先輩、昨日の事はこれ以上、何も聞かないでください。警告したはずです。」

アイは少し怒ってるような感じだ。

てか、なんでバレた。

まだ、俺は何も言っとらんぞ。

リンカ「俺、まだ何も言ってないぞ」

アイ「昨日も言いましたが、先輩は好奇心旺盛のバカなのは知ってるので、昼休みにわざわざ私を探すなんて昨日の事以外、考えられません」

なるほどな、確かにそうかもしれないな。

でも、少し違うな。

リンカ「アイ、昨日の事は昨日の事なんだが、実はーーー」

アイ「もう、やめてください!」

アイはその場を立ち去ろうとしたが、俺は思わず進路を塞いでしまった。

リンカ「アイ!、少し話ぐらいはーーー」

アイ「!!!」

アイは鋭い視線で俺の事を威圧した。

まるで壁に押し付けられるようなこの圧力、これだけで相手を倒すかのような感じ。

いや、普通の人なら、逃げ出しててもおかしくない程の威圧。

これは、間違いなく相手を威圧する力、龍の威圧だ。

校内で使うとは。

アイ「先輩、これが最後です。これ以上何も聞かないでください!」

手に持ってる本が手の力で握り潰されかけている。

ダメだ、昨日の事は全く聞く耳を持たないか。

多分これ、本気でやり合う気だな。

流石に校内で暴れる訳にはいかないし、アイとやり合うのはいやだな。

確に俺もしつこくしすぎたかもな。

リンカ「分かった、分かった。本当にもう何も聞かないから」

アイは威圧をやめ普通に戻る。

アイ「本当ですね。次同じ事を聞いたらどうなるか分かりませんよ。」

まさか、龍の威圧を学校の中で使うとは下手をすれば、周りを巻き込みかねないのに、余程知られたく事なのかもしれない。

女子生徒A「ねぇ、ちょっとあの2人、さっきから何話してるんだろう?」

女子生徒B「睨み合ってたよね、もしかしてーーー」

周りからめちゃくちゃ見られてる。

これ、変な噂立つんじゃないのか。

そうなるとめんどくさいなー。

でも、アイは気にしてないようだな。

アイ「あーあ、先輩のせいでさっき図書室から借りてきた本が、こんなになってしまいました。」

アイは握りつぶされかけた本を見て文句を言ってる。

しかも俺のせいにされてるし。

リンカ「それは、俺のせいじゃないだろう。てかそれ図書室で借りてきたのか?今、図書室って書籍データのカードしか、置いてないんじゃないのか?」

アイ「僅かですが、紙のタイプの本もあるにはあるんです。何でもかんでも電子に頼るのは良くないと思って、本はこうやって紙のやつを読むことが多いんです。」

すると校内にチャイムが鳴り響く。

アイ「そろそろ、午後の授業が始まります。先輩も教室に戻った方がいいですよ。」

リンカ「あ、ああ。そうだな」

そして、アイは自分の教室に戻っていった。

なんかモヤモヤするな。

俺はなんだがやるせない気持ちのまま、午後の授業に向かうのだった。


第4部 天神稲荷神社

放課後


終了のチャイムが鳴る。

「起立、礼。」

先生「では、気をつけて帰るように」

午後の授業が終わった。

帰る人もいれば、部活に行く人もいる。

部活をやっていない俺も帰る準備をする。

するとそこに女子生徒がやってきた。

女子生徒「ねぇーねぇ、リンカくん」

リンカ「ん?」

俺に話かけるなんて珍しいな。

女子生徒「今日の掃除掃除当番変わってくれなーい?私これから彼氏とデートなのー」

うわぁ、面倒事の押しつけだ。

彼氏とデートしらねーよ。

普段話しかけてこないくせに、こういう時だけ馴れ馴れしいな。

こういう時は。

リンカ「ああ、いいよ。」

女子生徒「いいの?ありがとうー。」

リンカ「ただし、俺と対戦ゲームで勝ったらね。」

俺は自慢げにスマボの画面をその子に見せる。

女子生徒「はぁ?何言ってるの?」

これが俺の回避方法、対戦ゲームに誘って相手を困らせる。

万が一、対戦を受けてきても、自称プロゲーマーの俺に勝てるとは思えないけどね。

教室にいた男子が割って入って来る。

男子生徒「おい、やめろよ。そいつに何頼んでも無駄無駄。所詮ゲームの事しか頭にない奴なんだから。」

ほほう、言ってくれるじゃないの。

別に良いけど。

女子生徒「そうだね。他をあたる、マジ意味わからない。」

二人はそのまま教室から出ていった。

人との付き合いが嫌いって訳では無いむしろバイク仲間がいるように同じ趣味とかで楽しめる相手がいるのは好きなのだが、昔の嫌だ経験が原因で、友達をなるべく作りたくないのだ。

だから俺は学校での人との関わりを最小限に抑えている。

リンカ「さて、帰るか」

俺は学校を出て徒歩で帰宅をする。

基本、学校には徒歩で登下校してあるが、今朝みたいに時間が無い時は、こっそりヤイバを使うことがある。

俺は家に帰り、私服に着替えてから、また出かける。

行き先はとある神社だ。

家から徒歩で行ける距離にある。

天神稲荷神社。

歴史ある神社らしく、旧東京が壊滅してから、新東京のナカノエリアに移転した神社らしい。

正面の鳥居を潜ると正面に本堂があり、その裏に住居がある。

更には道場みたいな建物もある。

本堂の方に年老いた老人が建物の周りを掃除していた。

老人は俺を見るなり声をかける。

老人「うむ、リンカか。」

リンカ「じっちゃん、来てやったぜ。」

この頑固そうな老人は天童(テンドウ) 竜次(リュウジ)この神社の元住職だ。

「ああ、リンカさん。いらっしゃい」

本堂の中から髪を縛っている男の人がでてくる。

リンカ「アスカさん、連絡ありがとうございます。」

この人はじっちゃんの息子さんで天童 飛鳥 (テンドウ アスカ)現在の住職だ。

この二人、俺の母さんの昔からの知り合いらしく、母さんが亡くなって孤児になった俺を引き取ってくれてここまで育ててくれたのだ。

リュウジ「お前さん、腕は訛っていないだろうな。」

リンカ「心配しなくていいって、昨日だって変な奴に襲われたけど、ノシてやった。」

リュウジ「防衛とかで使うのは結構だが、間違えても悪用だけはするなよ。龍神式格闘術は古くから悪用を許さない格闘術なのだから。」

じっちゃんは俺に厳しく説教をたれていた。

そんなことぐらい分かっているって。

世界には古代戦闘術という古来より受け継がれてきた戦闘技術が存在する。

人間の潜在能力を全て解放し、技を身につける。

会得者は皆、常人を凌駕する身体能力を身につける。

戦闘術の種類は複数存在し、その一つが俺が会得した龍神式格闘術なのだ。

そしてじっちゃんはその龍神式格闘術の師範代で俺の師匠だ。

そして、アスカさんは黒龍式剣術の師範代でアイの師匠なのだ。

アイは元々、俺と同じ孤児で俺が母さんを亡くした同じ時期に、この天童家に引き取られたのだ。

そして、俺は7歳で格闘術、アイは6歳で剣術を習い始めた。

だから、俺とアイは小さい頃からの知り合いなのだ。

アスカ「リンカさん、そういえばアイさんと同じ学校なんですよね。アイさんには会えましたか?」

リンカ「話はしたけど、そこまで深い話はしていないですよ。」

アスカ「そうですか。アイさん、黒龍式剣術の後づきになるとおもっていたのですが、残念です。」

リュウジ「彼女は、掟を破ったのだ。仕方ない。」

古代戦闘術には3つの掟がある。

一つ目は戦闘術は師範代のみが弟子を作り技を伝授させることが許される。

二つ目は戦闘術を悪用してはいけない。

三つ目は新たな型を開発してはいけない。

掟を破ったものは例がいなく波紋され2度と修行を受けることはできない。

そして、アイはこの中で3つ目の掟を破ってしまったのだ。

昔は破った者は殺されたらしいが今の時代そんな事をしたら大変なのと、あまり古代戦闘術自体を表沙汰にしたくないのでアイは家を追い出されたくらいで済んでいる。

俺は、アイが掟を破った事しか知らず、詳細は不明、じっちゃんに問い質しても頑なに教えてくれなかった。

リンカ「あ、でも一つ話たい事が。」

俺は昨日と教室の学校での出来事を話した。

リュウジ「そうか、龍の威圧を使ったか。」

リンカ「幸い、力を最小限にして、狙いを俺にしか向けなかったんで、周りは何とも無かったんですけど。」

リュウジ「龍の威圧は龍神式と黒龍式などの会得者のごく一部の人にしか使えない相手を威圧する力、決して使い方を間違えてはならなというのに。」

じっちゃんは悩んだ表情で夕焼けの空を見上げる。

リンカ「アイがあんな事をするのは、きっと何かどうしても話せない事があって思うんだよ。」

アスカ「僕もそう思います。」

リュウジ「ん………」

じっちゃんは更に考える。

アスカ「そうだ、リンカさん、ちょっと待っててください。」

アスカさんは裏の自宅へと入っていった。

リンカ「アスカさん、あの人、本当に綺麗というか老いを感じさせないというか」

アスカさんの年齢は50歳を超えているはずなのに見た目は20代の青年に見えてしまう。

見た目も男性ってよりかは女性に見えてしまう。

俺はじっちゃんの方を見つめた。

リュウジ「何をみている?」

リンカ「いやー何でも……」

このサル爺さんからどうやったらあんな人が生まれるんだ?

しばらくするとアスカさんは何かが入ったビニール袋を持ってきた。

中にはタケノコが入っている。

アスカ「はいこれ、天然のタケノコです。たくさん貰っちゃったからおすそわけです。」

リンカ「うおー、タケノコー!。ありがとうございます。」

今の時代、天然のタケノコなんて滅多に食べられない。

今日の本来の目的はこれなのだ。

昼間にアスカさんからメッセージを貰ったのだ。

俺はタケノコを受け取り、二人に挨拶をして神社を後にした。


第5部 電話

21時33分


神社を後にしたあと、アイザワの病院に行こうと思ったが、どこの病院に運ばれたかが分からなかった。

バイク仲間に連絡してみたが誰も病院からの連絡を受けてないらしい。

スマボで直接、連絡してもでない。

昨日の感じだと命に別状は無かったらしいが、まだ意識が戻っていないのか?

余計に心配だな。

しょうがないので今日は家に、帰ることにした。

家に帰り、貰ったタケノコを天ぷらとホイール焼きにした。

そして俺はやはり昨日のことがどうしても気になるので別な角度から調べる事にした。

俺は自室のPCで昨日の指定マフィアについて調べようとしていた。

スマボをPCにセットし、認識と連動を行っているためSBIからの音声入力や思考操作が出来るので今のPCはマウスやキーボードが無くても操作できる。

ただ、俺の場合は何かに備えて最小限のボタンだけを組み合わせたキーボードをもっている。

ほぼ使う事はないけど。

俺は机に座り、タケノコ料理を摘み、モンエナゼロを飲みながら検索をはじめる。


1時間後 22時33分


リンカ「くそー、何も出てこねー」

1時間調べているがそれらしき情報が何も出てこない。

ここまで調べてかすりもしないとは。

リンカ「表の検索で無理なら、ハッキングをして裏の情報を見れば……」

俺はほぼ独学に近いがハッキングの技術も持っている。

いやいやいやいや、待て待て、ハッキングって言ったってどこにハッキングする?

警察とか、いやいやいや、無理無理無理、そこまでの技術は持ち合わせていない。

ヘタしたら捕まる。

あー、もうお手上げたー。

リンカ「ゲームしよう!」

PCからスマボを取り外し、ベットに仰向けに横たわる。

リンカ「スペースシューティング起動」

スマボゲームを起動しスタートしようとした途端、スマボが鳴る。

リンカ「うぉ!電話?」

こんな時間に誰だ。

相手を確認すると。

リンカ「アイだ」

アイからの電話だった。

番号は知ってはいたけど、向こうから、かかってくるなんて何年ぶり?

とりあえず出てみるか。

俺はSBIのボタンを押し電話に出る。

リンカ「もしもし、アイ?」

アイ『先輩、こんばんは。今お時間大丈夫ですか?』

アイの声が聞こえ、本当にアイからの電話だと実感する。

リンカ「ああ、大丈夫だけど」

アイ『はい。そうですか。あの先輩、今度の日曜予定ありますか?』

はい?なに?これは、デートのお誘い?アイが?え?

アイ『あの、先輩。もしかしてデートのお誘いなんて思ってませんよね』

リンカ「い、いや、別に……」

あきらかに俺は同様している。

あの無愛想なアイが俺に予定を聞いている。

こんな事今まであったか?

アイ『はぁ…まったく、何勘違いしてるんですか、私が先輩の事をデートに誘うなんて100%ありえないです。』

リンカ「………」

それはそれで悲しいな……

アイ『先輩、一緒に来て欲しい所があります。日曜の午前11時に第3地区のアキバエリアに来てください。ナカノエリアから電車で20分ぐらいですから』

アキバエリア?

アイが最も行きそうにない所だな。

リンカ「アキバエリアなら、部品とかをよく探しに行くから知ってるよ。駅前の広場に行けばいいか?」

アイ『はい。それで大丈夫です。あ、先輩あと』

リンカ「ん?」

アイ『あの……えっと…先輩、昼間は急に威圧したりなんかして……その……すみません………』

リンカ「???、アイ」

『……………』

あれ?

もう通話切られてる。

有無も言わさずに切りやがったぞアイツ。

でもアイは昼間のことを謝ったんだよな。

俺も後でアイに謝らないとな。

とりあえず日曜日にアキバエリアか。

来てほしい場所ってどこだ?

言ってみれば分かるかな。

もしかしたら昨日の事が分かるのかもな。


つづく


第2話 完

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ