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part1
「世界とやらは酷く気まぐれで、それでいて皆に等しい一つの命を与える、後は野となれ山となれと放任するどうしようもないダメな親だ。」
それが私の育ての親の持論だったなと、少女とも少年とも見える者は夢から醒めたばかりのまだまどろみの残る頭で思い出す。
ベットから這い出しぼさぼさの髪を整える間もなく、その人物は、ギルドホームの共用スペースに通じる階段を降りようとし、背後から現れたスキンヘッドの巨漢に絡まれた。
「よぉ、これから飯か?飯だよな?うん、そうだろう?なァ•••エリザ?」
「うん、そうだよ•••おはよ、ベリル、とりあえず腕はなしてくれる?苦しい•••」
そう言って少女とも少年とも付かない華奢な人物、エリザベート•ジニアは琥珀色の瞳でスキンヘッドの巨漢、ベリル=ウルティブロをみてその太い腕をギブギブと軽くタッチする。