意味不明詩10篇
「山の背」
コオロギが
音もなく
鳴いている
やはり地球はおかしくなっているのだ
「ソーシャルディスタンス」
山をカッターナイフで真っ二つにする
私の万能能力
あなたには届かず
ぺしゃりと足下に落ちる
二人の距離はこんなに近く
想いの断裂はこんなに遠く
心は真っ二つになる
「もじもじ」
もっとこっちへおいでよ
もっとかたつむりの話をしよう
「だじゃれ」
ねえ
さっきの殺気
どういう意味
「おいくつですか」
女は誰でも永遠のハイティーン
男は誰でも永遠のローティーン
「すべて」
磨きに磨いた このうんこのかたまりをどうぞ
うんこも磨けば宝石になるってわかった?
磨いて光らないものなんて ないんだよ
味は どうでもいいんだ
「事故る」
不思議
あなたは私を追い越して行く時
なぜわざとゆっくりになるの
私の退路を塞ぐように
そんなに私と
並んで歩きたいの
前から飛んできた矢に
射抜かれて私は死ぬでしょう
「無駄な遊び」
ちくびを舐められると
いつも彼は
あんあんあん
と声を出す
嘘をつけ
騙されない
そんな敏感な男のちくびがあってたまるか
演技だよね
無駄なことをさせやがって
無駄な時間を過ごさせやがって
このやろう 醒めさせやがって
真偽を確かめるべく
私は熟睡した彼のパジャマを開く
ぺろぺろぺろ
あんあんあん
ぺろぺろぺろ
あんあんあん
ああ
本当だ
私は首をひねる
「かなしみ」
あなたのポイ捨てが
私の頭の上に落ちる
「他人」
でかい顔
されてくちびる
接近中
【おまけ】
「私は鳥」
おぱんつもはかない
茜色の空だ