突然の離ればなれ
春麗という貧しい家庭に生まれた少女。両親は共働きで、夜遅くまで働いる為、中々一緒に過ごす時間が少なく、保育園に預けても、両親の知り合いに預けられ知り合いの家には4人のお子さんが居て、白い目で彼女を見る。
「人が出された物は有難くい頂くんだよ。」と言われても、彼女は何かと遠慮してしまう。
人の家が決して嫌で遠慮しているのではなく、人見知りなので、すぐには馴染めないからだ。
そう思うと自分の家が恋しい。自分の家なら気楽に生活できるというのに、知り合いに迷惑かける訳にもいかない。彼女はできる限り、洗濯、掃除、食事の準備の手伝いをした。「春麗ちゃん悪いわね。そんなことしなくても、私がやるから大丈夫よ。」
「いえいえ。ここに居させてもらってるので申し訳なくて。」と言いつつも、彼女はまだ幼い為料理の経験がなく、料理はそれ程でも無かった。
彼女が作ったものは口に合わないため、捨てられ、出前とるこになった。
彼女が後片付けを任され、余った残り物を食べた。
どんなに冷たくされても、彼女はひたすら我慢したのだった。
「春麗には何かとご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」
「いえいえ。とんでもないです。困っときはお互い様です。」
「ではこれにて失礼致します。ありがとうございました。」と母親が迎えに来て、彼女はやっと自分の家に戻った。安心して気楽に過ごせると思ったが、「春麗、お母さんとお父さん仕事が大変だから、中々一緒に過ごせなくてごめんね。だからしばらく叔父さんと叔母さんと一緒に暮らすんだよ。」「でもなんで?離れて暮らすの?私と3人で暮らすのがそんなに嫌なの?春麗の事嫌いになったの?」
と母親は泣きながらそっと抱きしめた。「これはあなたを守るため。お母さんは春麗の事大好きよ。だから泣かないの。強くなるんだよ。辛い時は歌を歌うんだよ。歌えばどんなに辛い事も忘れるし、楽しくなる。」と言った。母親とよく一緒に歌った歌。春麗にとっては好きな歌であり、思い出のある歌。しかし彼女は納得いかなっかった。自分がなぜこんな事になるのかも何もかも分からなかった。貧しいという理由でも親と離れて暮らすのも、友達に会えないという辛い現実。そして日本から離れるという覚悟が出来てなく、自分の気持ちも言えないまま、「いつか必ず迎えに行くからね。」と言って、母親は春麗を中国へと連れて行き、預けることにになった。