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クールビューティーちゃんと怠惰教師

作者: Soryi

書き上がったら、おかしいな、最初はクールな子&面倒臭がりな人っぽかったのに。と作者が首を傾げるような感じになってました。あと甘い。

診断メーカーの「小説のお題決めったー」から、「そりぃは『クールビューティーとニートが部室で召喚するお話』を書いてください。 」というお題で書きました。

================================

「ふわぁ…」

ゆったりとした時間が流れる部室。その平和な空気ゆえか、私は欠伸を漏らす。

「なごみちゃん、どした」

少し間が空いてから、この部活の顧問である先生から問いが飛んでくる。…珍しい。

「いえ、ちょっと眠気が来ただけですので、お構いなく」

わたしの声は、抑揚に乏しく冷たく聞こえる。表情も、友人に仮面のようだと言われるほど変化しない。

「あ~、確かに眠そうだな。ほい、毛布」

だからこそ、母にしか読み取れないような微かな差を感じ取り、さらっと変化に言及してくれる先生は、とても凄いと思う。

「わっ! いきなり投げないでくださいよ、つとむ先生」

「すまんすまん」

一応は抗議するけど、こういう事は大体毎回の事。手渡しで渡してくれたのって、バレンタインチョコぐらいじゃなかったっけ…。

「棒読みですよ、もう」

「そうだったか?」

「はい」

くすくすと笑いたくなるような楽しい気分で先生の問いに肯定を返す。

「楽しそうだな。眠気は無くなったか?」

ああ、やっぱり先生は気付いてくれるなぁ。

「はい、すっかり目が覚めましたよ」

「なら、やるか」

すっくと先生は立ち上がり……って、え!?先生が立った!?ここに住んでるような勢いで体を起こしもせずにずっとソファに寝転がってる先生が!?

「…へ?」

先生が動いたという驚きで、私には間抜けな声しか出せなかった。

****

「もっともっと、最高にだらけさせてくれるナニカを召喚しようぜ、せっかくだし」

どこに向かってるのか、先生は廊下を歩きながら、悪戯っぽい笑みで語ります。

「ああうんそうですか。必要な労働は私にさせるんですねわかります」

「違うぞ?」

「へ!?」

「なごみちゃんの卒業記念なんだし、俺も動くぞ?」

「き、聞いてませんけど」

「そうだったか? なごみちゃんの卒業なんて寂しいし、この寂寥感を発散出来ればと……あ。」

く、口が滑った…とほんのりと頬を染めながら口を押さえる先生。

ですが、私はそれどころではありません。


せせせ先生が、私の卒業を、寂しく……!?

様子からしてもからかってる訳では無さそうなのに…

「これ、夢でしょうか…。夢だとしたら凄く凄く嬉しいのですが……って、はっ!わ、私は何を口走って…!」

「…」

ふい、と顔を背けた先生。ですが、耳が赤く染まっています。

「ええい、ままよ!」

反応からして脈無しという訳ではなさそうですし!

「先生!好きです!異性として好きなんです!つ、付き合ってください!」

頬が熱を持っているのが分かります。たぶん、私の頬は赤く染まっているのでしょう。

「~~~~っ!」

「…? 先生?」

「なごみちゃんは俺を悶え死なせる気か!?」

ふるふるとしばらく震えていたかと思うと、突然顔を上げ、私に迫るように近づいてきます。

「へ!? いやいやそんな気は微塵も!っていうか先生に死なれたら泣きますよ!?」

「俺もなごみちゃんが大好きだよコノヤロウ!仮にも先生なんだし言うまいと思ってたのに!」

先生は、自棄になったような叫びと共に、密着するような姿勢から、俗に言うorzの体勢に移行する。

「ああ、先生意外な所で真面目ですもんね。私は卒業式が終わって、私が先生の生徒で無くなった後なら勝算はあると踏んで、その時に告白する気だったのですが」

先生が離れた事でなんとか平静を取り戻した私は、いつものテンションを装いながらも話す。

「そ、そうだったのか」

「まあ、私の告白、返事は、」

イエスという事で良いんでしょうか、と言い切る前に、言葉を遮られ…

「もちろんイエスだよ、な、なごみ…」

「~~~~っ!」

先生が顔を赤くして私を呼び捨て!動悸が…

「キュン死、しそうです…」

「し、死んだら嫌だよ!?」

「ちょっと先生にきゅんきゅんし過ぎて動悸が激しくなってるんです。多分放って置かれたらそのうち治まります、多分」

「わ、わかった…」

「だ、だから!少しだけ、待っててくれませんか、つ、勉…」

「~~~~~~~っ!」

****

結局。2人とも告白云々で、「最高にだらけさせてくれるナニカ」を召喚するという目的はすっかり忘れ去られていて。

それに気付いたのは、告白から数ヶ月が経った頃だったのでした。


おしまい


召喚:キャラが勝手に動いて出番が無くなったけど、実は怠惰の魔王ベルフェゴールが出てくる予定だった。青い肌でマイペースで凄い良く寝る巨乳のねぇちゃん、っていう設定なんですけど、ね? ぽろっと教師が失言かました辺りで暴走が始まり、いつの間にか召喚自体が無くなってました、びっくり。

なごみ:性格と反対の感じの名前を、と思ってこの名前に決定。でもなんかいつの間にかしっくり来る感じの口調のキャラに変貌しちゃって…。

勉:なごみと一緒で、言動と反対の感じの名前を、と思って、「勤勉」のべんつとむ、って事で決定したんですがね? 途中から面倒臭がり要素消えてる…(がっくし) あんま反対イメージ残らないじゃん!と思いました。まあいいやとそのまま投稿しちゃう私も私ですけど。

ちなみに、書きながら思い浮かんだのは、「ここは人類最前線」の勇者様(乙女のように恥らう強固な貞操観念をお持ちの男性)と、「イケメンライブ~恋の歌をキミに~」の銀波ぎんなみりつ(ツンデレ、結構定番の分かり易いツンで可愛いんですよ)でした。

なごみの告白:赤面+上目遣い+両手を胸の前に持ってきたおねだり体勢。普段のクールな感じとのギャップや、惚れた人補正もあって、勉には鼻血が出そうなほど可愛く映ったようです。それで悶え死なせる気か!?の台詞に繋がる訳ですね。


19/7/7 8:25 誤字を一カ所修正。


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