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五羽 到着と空き時間

美穗、茜、双葉の三人はバドミントン日本代表の奥原由紀選手が羽広第一体育館で練習試合を行うらしく、その見学のため、美穗の母親の車に乗って向かっていた。


「それにしても奥原選手か~ 私、憧れなんだよね。 双葉ちゃんとバドミントンを始めたときにお手本として奥原選手をずっと真似してたんだ~」


「そうなんだ。 じゃあ美穗は奥原さんを見れるのがすごく楽しみなんだね。」


「うん、欲を言ったら一緒に打ってもらいたいけどさすがにそれは無理だと思うから見て、学べることを学んでから帰るよ。」


そう言って美穗は持ってきていたバッグから一つのノートを取り出した。

そのノートには練習ノートと書いてあった。


「これは私がバドミントンを始めたときからずっと書いているノートで戦略や効率よく練習するための方法なんかが書いてあるんだ~」


美穗はノートを開き、ぱらぱらとめくって双葉と茜にあるページを見せた。


「シャトルの打ち方なんかもまとめてあるんだよ? 例えばハイクリアだけど、ハイクリアって言うのは相手と打ち合っていてピンチになったときに高く遠くにシャトルを飛ばすことによって体制を立て直すことができるんだよ」


双葉は美穗のノートをじっくり見てみた。


(確かにいろいろなことが図なんかを使ってわかりやすく書いてある。 美穗が言っている通り、ハイクリアは高く遠くに飛ばすことによって時間稼ぎにもなるけど、高く上がった球は失速しながら落ちてくるけど、垂直に近い軌道で落ちてくるから相手も討ちづらい球になるんだけど…… そのことについても細かく書いてある。)


「これすごいね!! わかりやすくて、きちんと自分に合うようにまとめられてるからすごく役に立つし、何かあったときも確認しながら修正もできる。 これは本当にすごいノートだよ!!」


双葉は元々バドミントンが大好きで日本代表まで上り詰めた人間だ。 そのバドミントンの愛が爆発していつの間にか美穗のノートを褒めちぎっていた。


「あ、ありがとう。 まさか双葉ちゃんがそんなに褒めてくれるなんて思わなかったよ…… でも褒めてもらえたからうれしいな。」


(いかん、あまりにもノートがすごすぎていつも通りになってしまった。 二人にもちょっとひかれちゃってるよ。 でもこのノートは将来、永峰さんの宝物になる。)


「双葉がそんなに言うなんてね。 それにしても美穗、いろいろまとめてあるのはわかったけど、奥原さんについてもまとめてたりするの?」


茜がそう聞くと、美穗は頷いてから茜にあるページを見せる。


「ここのページが奥原さんについてまとめたページだよ。 奥原さんの試合の画像や動画を見て、どんなときにどんな球を打ったのかもわかる範囲でまとめてあるよ。 奥原さんはとにかくねばって競り勝つプレイスタイルだからね。 フットワークがとても早いんだ!! それに奥原さんのすごいところはいろいろあるけど一番はなんと言ってもその柔軟性。 あんな小柄なのにあんなにリーチが長いのは見ていてすごいと思ったよ!!」


美穗はそれから自分の好きな選手で尊敬する人でもある奥原 由紀選手について二人に語った。


「ついたわよ~」


しばらく三人で話していると美穗の母親から声がかかった。そして双葉たちの目の前には大きな体育館。 羽広第一体育館が見えた。


入り口のところには奥原選手の練習を見に来ている人だろうか、たくさんの人たちが集まっていた。


「着いたね。 ここで練習試合を見られるなんて、本当にうれしいよ!!」


「はは、美穗ったらさっきから同じこと言ってるよ。 わかったから先にバッグを置いてから見る準備しようか。」


「うん、そうだね。 ほら、美穗、早く行かないと良い場所取られちゃうよ?」


茜と双葉が美穗に準備するように言うと美穗は慌てたように自分のバッグを持った。


「よ、よし!! 準備完了!! 早く行こう!! 二人とも」


美穗の言葉に双葉と茜は笑っていたが、あまりにも美穗が二人を急かすため、三人は急ぎ足で体育館の中に入っていた。


「じゃあ、とりあえず、よく見える場所にバッグを置いておこうか、そうすれば開始時間になったときに来ればすぐに見られるしね。」


双葉がそう言うと三人は奥原選手が練習試合を行うコートを確認してそのコートがよく見える場所に自分たちのバッグを置いた。


「それじゃあこれからどうする? 始まるまで後一時間ぐらいあるけど……」


「そうだね~ そういえば、ここから5分くらい言ったところに公園があるよ? そこで少し打つ?」


「でも今日はちょっと風があるよ? そんなに強くないからできないって訳じゃないけど……」


双葉が二人に開始時間までどうするか聞くと、美穗から公園で打ち合うという意見が出た。

だが茜の言うとおり外は少し風が吹いていて、そこでシャトルを打つと風にあおられて予想外な軌道で飛んでいくことがある。


「茜の言うとおり、外は少し風が吹いててがシャトル流れるかもしれないけど、逆にその予想外な方向に飛んでいくシャトルを取る練習をすれば案外良い練習になるんだよ?」


双葉がそう言うと茜と美穗の二人は納得し、三人は公園で軽く打つことにした。


さていかがだったでしょうか。 今回は少し、バドミントンのシャトルと言われる球の打ち方について作中に出しました。


今回出た打ち方ですがハイクリアと言われる打ちショットです。

バドミントンを知らない方からすると何それおいしいの?と言う状態だと思います。


なので簡単に説明させてもらいます。

まずバドミントンにはシャトルの打ちショットと言われる物があります。

この打ちショットは言わば点をもぎ取るための武器です。


素手で殴るよりも木刀で殴る方が強いでしょ?


そして今回作中に出てきたのはハイクリアと言われる打ち方です。

説明は文中で説明したとおりなのです。


詳しい説明はもう少し専門用語が出てきたらまとめて書く予定なのでご了承ください。

ですが新しい用語が出るたびに簡単に説明は書かせてもらうので安心してもらえるとうれしいです。


長くなりましたが次回も楽しんでもらえるとうれしいです。

(ちなみに今回三人が最後に決めた外でバドミントンをやるという練習方法は実際に作者がやったことのある練習方法です)


評価や感想もよろしくおねがいします。

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