四羽 卒業式とビッグニュース‼
あれから時間がたち、中学校の卒業式当日になった。
「今日が卒業式か…… なんとか美穗のおかげで形にはなったな。 美穗には本当に感謝しないとね」
双葉が学校の制服に着替えていると玄関から美穗の声が聞こえてきた。
「双葉ちゃん!! 来たよ~」
「はーい、今行く~」
双葉は制服に着替え終わると美穗が待っている玄関まで降りていった。
「おはよう、美穗」
「うん、おはよう。 双葉ちゃん」
双葉は日記を書いた日からなんとか自分が双葉ちゃんの代わりになることを決意して、女の子らしくできるように練習をしていた。
なんとか表面上だけは女子中学生としておかしくないぐらいまでは成長していた。
「今日で卒業だね~ 双葉ちゃんは卒業式の流れは大丈夫?」
「大丈夫だよ。いろいろ教えてくれてありがとね。 とても助かったよ。 まさか自分が生徒代表としてスピーチするなんて知らなかったから……」
(ほんとにね、双葉ちゃんは相当頭が賢かったらしく、学年主席だと知ったときはびっくりしたものだ。)
「双葉ちゃんは高校はそのまま清楽女子高等学校に行くんだよね。」
「うん、そうだよ? 美穗は?」
「私も双葉ちゃんと一緒の高校だよ。 また三年間よろしくね。 それと、卒業式が終わったちょっと私の家に来てほしいんだけど大丈夫かな?」
(何かしてほしいことがあるのかな?)
「うん、良いよ!! それじゃあ卒業式終わってからね」
双葉と美穗はそれから仲良く学校に向かった。
3年2組
「おはよう、双葉、美穗」
教室につき、仲に入った二人に真っ先に声をかけた女の子は栗原 茜。 クラスの中でも仲が良く、双葉も友達として仲良くしている。
「おはよう。 茜」
(栗原さんとも元々仲良かったらしいけど、なれるまでは大変だった。 だが、栗原さんもバドミントンをやっているらしく、それで仲良くなった。 何度か一緒にプレイもしたけど、ものすごくうまかった。 それに栗原さんや永峰さんのプレイってどこかで見た気がするんだよね。 それもとても近くで……)
「そういえば卒業式が終わってから双葉ちゃんが家に来るけど、茜ちゃんも来る?」
「双葉も行くの? それなら行こうかな……」
三人がしばらく話していると教室に担任の先生が入ってきた。
「はい、静かにしてね。 もうそろそろ卒業生入場して、それから卒業式本番が始まるからね。 みんな心の準備はできた?」
先生が生徒に聞くと、ちらほらと頷く生徒がいた。
それから卒業生が入場する時間になり、吹奏楽部が演奏している中、入場していき、卒業式本番が開始した。
最初に校歌を歌って長ったらしい校長先生の話を眠気と闘いながら聞き、いよいよ生徒代表のスピーチで双葉の出番が来た。
(や、やばい…… 緊張して、手が震えちゃってるよ。 ちゃんと言えるかな?)
「本日、私たち卒業生のためにこのような式典を開いていただきありがとうございます…」
双葉は原稿を見ながらできるだけ噛まないように丁寧にスピーチを行っていた。
双葉が卒業生のほうを見てみると何人かは泣いていて、ほかの生徒たちも泣いてはいないにしろ、目には光るものが見えた。
(何人か泣いている子がいる…… あたりまえだけど卒業式とは別れの祭典。 これから始まる新たな出会いが始まる前の最後の式。 楽しかった思い出やつらかったことなんかも頭の中で走馬灯のようにぽつぽつと浮かんでくるんだよな。 俺は予想もしなかったことに巻き込まれちゃって双葉ちゃんの代わりに出ることになってしまったが、これは俺にとってスタートだ。 この卒業式が終わり、すぐにやってくる高校入学。 俺はここで立ち止まっている暇なんてないんだ。)
そうして、生徒代表挨拶も終わり、卒業式の最後、卒業生退場が終わり、卒業生たちは教室に戻って最後のLHRをした後、仲が良かった友達などにそれぞれ挨拶して、卒業生の中学校生活は幕を閉じた。
さて、双葉と美穂、茜の三人は卒業式が終わったあと美穂の家に集まっていた。
「さてと、二人に集まってもらったのはこれからある体育館でとある選手が練習試合をするって情報をお母さんに教えてもらったからなんだ‼」
美穂は二人に驚いてもらおうと思ったのか身振り手振りでいかにも大げさって感じで二人に家に来てもらった理由を説明する。
「とある選手? バドミントンの?」
茜が聞くと美穂はそれにうなづいて答える
「誰かっていうとね? あの日本代表の奥原 由紀選手なんだよ? これは見に行くしかないでしょ‼ それに運が良かったら奥原選手に練習を付けてもらえるらしいよ?」
美穂が二人に笑顔でそう言うと双葉と茜は口をそろえて「「行く‼」」と言った。
しかし、双葉だけは別の意味でも行かなくてはと思っていた。
(日本代表、それに奥原選手…… 元の体の時も奥原選手とは仲良くさせてもらっていた。 だけど、奥原選手って下の名前って由紀だったかな? でも日本代表の奥原選手って彼女以外にいなかった気がするし…… これは絶対に行かないとな。 もしかしたら俺が入れ替わったの理由がわかるかもしれないし)
それから三人は急いで着替えを終わらせるとバドミントンのバッグを持って美穂のお母さんの車に乗り込み、問題の体育館、羽広第一体育館に向かった。
読者の皆様に報告です。
この作品、TSしたそのおっさん、バドミントン元日本代表です。は本日日間ヒューマンドラマランキング10位に乗っていました。
これを見た時に自分はあまりにも現実味が無く、似たような作品があるもんだなと思っていました。
ですが確認するとこの作品のことでとてもびっくりしました。
ランキングに乗ることができたのは読んでくださる皆さんのおかげです
本当にありがとうございます。
ですがここで終わりではありません。
むしろここがスタート地点です。
目指すはヒューマンドラマランキング 一位です‼
なんて大口を叩いてみましたが本当に乗れたらそれはとてもうれしいことです。
なので僕も頑張って更新していくので飽きずについてきてもらえると本当にうれしいです。
これからもよろしくお願いします。
評価や感想もどしどし送ってください。
どんな感想でもきちんと読ませていただき返信させてもらいます。
(まあまずは感想が来ないと意味がないんだけど…… そこは見逃してください)