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三羽 日記

美穂が帰ったあと、双葉はいまだに抱き着かれたことが衝撃的過ぎてぼーっとしていた。


「まさか、抱き着かれるとは思わなかった…… それにあんなに……」


双葉は自分の部屋に戻ると、美穂からもらった紙袋の封を開けて、中身を確認した。

中には明日の時間割と先生と生徒のコメントがあった。 それ以外は母親に渡すお便りと宿題で提出していたであろう課題だった。


「これが明日の時間割か…… さすがに二日も連続で休むわけにはいかないから明日は行くことにするかな。」


(それに卒業式の練習なんてしてないから今の状態だと参加なんかできないし、入れ替わったせいで卒業アルバムの端っこに一人だけ顔写真が乗るのは双葉ちゃんがかわいそうだ)


双葉が学校の準備をしていると仕事が終わった母親が帰ってきた。


「ただいま~ 双葉? おきてる? 元気になった?」


母親…… 置手紙に香織って書いてあったので次からはそう記す。

香織は家に帰ってくるなり、すぐに双葉の状態を確認するために二階に上がってきた。


そして双葉の部屋のドアをコンコンとノックしてから部屋に入っていた。


「ただいま~ って双葉起きてたのね。 体調は少しは良くなった?」


「うん、よくなったよ? だから今はみ、みほ、美穂ちゃん、が持って来てくれた時間割の準備をしてる最中だよ」


「そう、美穂ちゃんが来てくれたのね。 美穂ちゃんと双葉は昔から仲が良かったものね。 遊びに行くのも常に一緒でいかにも親友だ、って感じだったわね」


香織は思い出を楽しむように優しい声で双葉にそう言った。


(双葉ちゃんと永峰さんはそんなに仲が良いのか…… これは急いでちゃん付けで呼ぶことになれないと大変だ。)


「さてと、今ちょうど3時ぐらいだけど、何か食べる?」


「い、いや、起きてご飯を食べたのが少し前でまだおなか減ってないからいい。」


「そう? それならお母さん、ちょっと夕飯作ってくるから夕飯までは自由に過ごしててね」


「う、うん、わかった」


(う~ん、おかしく思われないようにできるだけ口調も気をつけているがこれで問題ないのだろうか? それに気を抜いたら男っぽくなりそうでやばい……)


香織が部屋から出ていき、双葉はもう一度自分の部屋を見渡していた。


「これが自分の部屋か…… いかにも女の子って感じの部屋だな。」


双葉がそう呟きながら椅子に座ると、ふと一冊の古びたノートが双葉の目に入ってきた。


「うん? なんだろ? この古いノート?」


双葉はその古びたノートを手に取って見てみるがノートの表には何も書かれていなかった。


(なんだろ? ものすごく中身が気になる…… ちょっと見たらだめだろうか? でも何か秘密のノートとかだとさすがに悪いからやめておくか……)


双葉はノートをもとの位置に戻すが、双葉の視線はノートにくぎ付けだった。


「なんでだ? なんでこんなにノートが気になるんだ?」


双葉はもとに戻したノートをもう一度手に取った。


「す、少しぐらいなら……」


そうして双葉は古びたノートをめくった。

そして双葉の目に入ってきたものは……


2015年8月10日月曜日 天気は曇り


今日は私の誕生日、みんなでケーキを作って食べた。

私と美穂のケーキはお母さんたちのよりも大きくてうれしかった。


8月11日 火曜日 天気は晴れ


今日は美穂と一緒にプールに行った。

美穂はとても早く泳ぐことができるけど私は泳げない。


なので美穂に泳ぎ方を教えてもらった。

帰るころには少しうまくなったと思う。


「これ…… 日記だ。」


双葉は日記をぺらぺらとめくりながら眺めていた。

面白いところでは笑ったり、悲しい出来事の時は暗くなったり、

自分の出来事のように楽しんでいた。


そして、気が付くと、日付も今年に入った。

そこで双葉は日記のあるところに目が行く。


2018年1月3日 天気は晴れ


今日はちょっと不思議な夢を見た。お母さんや美穂に言ったらおかしいって笑われたけど、

私はあの夢は本当に夢だったのかちょっと不思議な気分だった。


それと夢で初めて見たバドミントンというスポーツを美穂とやってみた。

最初は道具がなくて困っていたが美穂のお母さんが持っていたので借りて二人でやった。


最初はきれいに打てなかったけど、時間がたつとだんだんとシャトル?を美穂に打ち返せるようになった。

ちょっとうれしかった。 またやりたいな。


「そうか、この子もバドミントンをやったことがあるのか……」


(俺も初めてバドミントンをやったときは楽しくてしょうがなかった。 確か小学4年のころに初めて親にバドミントンの練習に連れてってもらってそこで初めてラケットとシャトルをもらって大人の人がやっているのを見よう見真似でやったんだよな。 でも全然うまくいかないからってムキになってその日は一日中やってたよ)


それから双葉は日記を見てみたが最近の日記はバドミントンの事ばっかりだった。


「この子は最近になってバドミントンのことを好きになったんだな~ それにしても、あれから夢については何も書かれてなかったな…… いったいどんな夢だったんだろ?」


双葉は結局、日記を最後まで読んだが不思議な夢については全く記されてなかった。


「それにしても高校ではバドミントン部に入る予定だったのか……」


(どうしようかな? 日記には永峰さんと一緒にバドミントン部に入る約束をしたって書いてあったけど……)


双葉が考えていると下から香織の声が聞こえた。


「双葉? ちょっと降りてきて~」


「は、は~い」


双葉が時計を確認すると6時を回っていた。 双葉はそれほど集中して日記を読んでいたらしい。


双葉はふと何かを思いついたのか閉じた日記を開くと、テーブルの上に置いてあるペンケースからボールペンを取り出して日記に何かを書き始めた。


そして書き終わると双葉は部屋を出て母親である香織のもとに向かった。


日記の新しいページにはこう書いてあった。


2018年3月6日 天気は晴れ


今日はとても不思議な体験をした。

朝起きたら見知らぬ女の子になっていたのだ。


女の子の名前は羽月 双葉

中学三年生でもうすぐ卒業式もあるみたいだ。


どうやら彼女はバドミントンが好きらしい……

自分も好きだから共通点があってうれしい……

でももとに戻る気配が全くしない。


だからあなたと自分がもとに戻るまであなたの体をお借りします

また体が戻ったら一緒にバドミントンをしましょう。


同姓同名のバドミントンバカより

日記ってこんな書き方だったっけ?

それと、なんかptがすごく伸びていてびっくりしました。


これも読者の皆さんのおかげです。

おかげでモチベーションもあげあげです。


これからも頑張っていくので付き合ってください。

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