表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説つくーる 〜練習帖なり〜  作者: こさじ
第二章 【ループ】
12/12

続きの推敲5


 前回の後書きに続きを書き出したのですが、気になる点が浮上した。


 起承転結の結――結果から書いていくとしましたが、冒頭のミキのセリフが必要ないだろうということ。

 安東が一晩中ミキを眺め過ごし、彼女が起きたと同時にビンタされる。次にミキのセリフを書いたが、更に次の文では普通にビンタされた直後のことを書いてる。そのことに書き終わらなければ気付かない自分もどうかと思うが、まあ書いて見なけりゃわからない。

 


【手を伸ばし、もう少しで彼女の華奢な肩に触れそうになった瞬間、バシッ――と頬に痛みが走った。

 ミキは振り向き様、左手を振り抜いた。

「ちょっと、あんた誰よ!」

 女神は、苛烈な女だった。


     ▷§


▷「ねえ、お腹空いたんだけど」


 ミキから強烈な一撃を貰っても、安藤の夢は消えることはなかった。それよりもミキの人間的な態度が嬉しかった。彼女は、触れればそこに居る―― 現実味をまた一つ得ることが出来たのだ。

 安東は、状況を把握しようと部屋のそこかしこを見回すミキに、頬の痛みを擦りながら感嘆の息を漏らした。赤くなっているのは打たれたせいだけではない。

 しかし、それがいけなかった。

    (省略…)

 いつの間にか正座をし、殊勝な態度で尻蕾に答える安東を見て、ミキは気分が落ち着いたのか一つ大きく深呼吸すると、台所の方を見やった。


 安東は喜んで立ち上がった。】



 “▷”がいらない。

 場面が大きく変わっているわけでもなく、ミキのセリフは後半に入れれば、安東が立ち上がった後のことを書きやすのではなかろうか。

 でも、繋げるには何か足りない。【ミキから強烈な〜】の前に“しかし”で、逆接でも置けばスムーズに読めそうだ。



【〜バシッ――と頬に痛みが走った。

 ミキは振り向き様、左手を振り抜いた。

「ちょっと、あんた誰よ!」

 女神は、苛烈な女だった。

 “しかし”、ミキから強烈な一撃を貰っても、安藤の夢は消えることはなかった。それよりもミキの人間的な態度が嬉しかった。彼女は、触れればそこに居る―― 現実味をまた一つ得ることが出来たのだ。

 安東は、状況を把握しようと部屋のそこかしこを見回すミキに、頬の痛みを擦りながら感嘆の息を漏らした。赤くなっているのは打たれたせいだけではない。

 しかし、それがいけなかった。〜】



 ……入れてみたが、何か違和感がある。急に変化したような、ミキという女がどれだけ苛烈か――安東の盲信、盲目的な様を表すのに――その様子を書いた方が良いのではないのか。読んでいる人に安東のキモさを伝えるべく書く必要があるのではないだろうか。

 ということで、程々で書いてみた。



【もう一度手を振りかぶり、ミキは安東ヘ威嚇しながら怒鳴った。傍から見れば可愛さも、ましてや女神の麗しさもないだろう。変態、変人、クソ親父、死ね。あらゆる侮蔑の言葉を吐くミキの姿は、長い髪を振り乱す鬼女に近いほどだった。

 だが、それでも安東の想いは変わらなかった。女神が触れてくれた、女神が自分を見てくれている、女神が語りかけてくれているのだと、ミキが現実世界にいることをより強く印象付けた。

 安東は、感嘆の息を漏らした。――が、それがいけなかった。】



 どうだろか?

 「こいつ頭おかしいんじゃね」の様子は出ただろうか。また、付け加えたことで、“しかし”よりも”だが“、最後の文も少し変えた方がいいように思えた。

 スラスラっと軽快に突っかりりなく読みやすくなったのではなかろうか。

 でも、あと少し…ほんのりと気になるのが【〜鬼女に近しいほどだった】の部分。


1、鬼女に近しいほどだ。

2、鬼女に近しい。


 自分の好みとしては、2番ですかね。リズム感があるといいますか、“だ”で終わると次の“だが”が言いにくくありません?



【ミキが目覚めたのは、次の日の朝だった。

 二日酔いなのか見た目から想像出来ない低い唸りを上げて、むくりと身体を起こした。

「……大丈夫か?」

 こめかみを押え、俯く彼女のあまりにも苦しそうな姿に安東はずりずりと膝立ちで近付いた。

 手を伸ばし、もう少しで彼女の華奢な肩に触れそうになった瞬間、バシッ――と頬に痛みが走った。

 ミキは振り向き様、左手を振り抜いた。

「ちょっと、あんた誰よ!」

 女神は、苛烈な女だった。

 ▶彼女は、もう一度手を振りかぶり、安東▶を威嚇しながら怒鳴った。傍から見れば可愛さも、ましてや女神の麗しさもないだろう。変態、変人、クソ親父、死ね。あらゆる侮蔑の言葉を吐くミキの姿は、長い髪を振り乱す鬼女に近いし。

 だが、それでも安東の想いは変わらなかった。女神が触れてくれた、女神が自分を見てくれている、女神が語りかけてくれているのだと、ミキが現実世界にいることをより強く印象付けた。

 安東は、感嘆の息を漏らした。――が、それがいけなかった。】


 

 “▶“は、更に直した。でも…やっぱり【だが、それでも安東の想い〜】の部分がまた気になる…ので、“けれども”で行ってみる。



【彼女は、もう一度手を振りかぶり、安東を威嚇しながら怒鳴った。傍から見れば可愛さも、ましてや女神の麗しさもないだろう。変態、変人、クソ親父、死ね。あらゆる侮蔑の言葉を吐くミキの姿は、長い髪を振り乱す鬼女に近いし。

 ▶けれども、安東の想いは変わらなかった。〜】



 うん、いいかもしれない。あと、スッキリしたようにも思う。これなら続きをまた書いて行けられそうだ!

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ