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元奴隷のパーティメンバーエルフの後始末

ただいまっと♪


さて、護衛に雇った元勇者パーティに今回の依頼評価をギルドに報告。


「じゃ、一応依頼達成のサインしとく」


「悪いな」


「悪いのはケンイチ君じゃ無くて、そこの仕事を舐めてた馬鹿エルフなのは

俺もギルドも承知してるよ」


ケンイチ君のギルドカードに指を押し付けて達成の合言葉を念唱する。

そして一切の抵抗を封じる魔道具を両手両足に装着され、鎖を引いて引きずられてた

ミリィとかいう見た目は小娘、3桁超えのそれなりに人生経験が無きゃおかしい

恋愛脳が過ぎてお花畑が見頃の女エルフがギルド職員に引っ立てられて来る。


「依頼内容の確認もしていない、男の関心を買うだけに執心して

雇い主を威嚇、挙げ句…雇い主の商取引の相手に対して攻撃魔法を放ったと」


今更自分のやらかした事の不味さに気付いて震えているミリィに無慈悲に事実を

突き付けるギルド職員、並べられた罪状に下される罰がようやく脳味噌に浮かんだか。


「あ〜もう別にイイわ、相手もケンイチ君が怪我をしてまで庇ってくれたから

気にして無いっていってましたし、それでも流石に今回の依頼料は

ケンイチ君にしか払いませんが別にいいですよね?」


「ジョンさんがそれで良ければ構いませんが…

ギルドとしてはミリィには所属している冒険者の仕出かした違反行為に対しての

ペナルティは受けて貰わねばなりません」


「それはそちらのルールだから俺はどうでもいいんですけど、

庇ってくれたケンイチ君までがペナルティを受けるってのは心が痛みます」


自分だけではなくケンイチパーティにペナルティが下されると聞いて

文字通りガタガタ震えるミリィに優しぃくw話し掛ける。


「ケンイチ君はさ、きちんと依頼を果たしてくれたから

彼までペナルティを受けるのは俺も気が咎めるんだよねぇ」


涙目で見上げてくるこの女は自分が見てくれだけの

頭がカラッポな小娘だって漸く実感したか、現実って厳しいね♪


「あ、ペナルティはすぐに挽回出来るからどうでもいいけどミリィと組むのは

もう勘弁、ここでパーティ解除とソロでの再登録をお願いしていいですか?」


横からサラリと口を挟み、ギルド職員にパーティ解散手続きをお願いしてるケンイチ君に

最愛の彼からのパーティ解散発言にミリィの顔色はもう土気色!


「ケ…ケンイチ」


「だって怪我して倒れた後に目覚めた瞬間、やった事の謝罪も無しに

傷口開くのも思い至らないで怪我したままの俺に飛び付いてくる女なんて恐ろしくて無理」


ウワァ…そんなベタベタな事も?

確かにその手の物語で傷付いた主人公が目覚めた瞬間に

飛び付いて生存を喜ぶヒロインって居るけどさ、現実でそんな事したら折角の治療台無し!

主人公死んじゃうからwトドメ刺してるからw


「え?ケンイチ君大丈夫だったの」


「看護してくれてたリッチさんが止めてくれたから平気」


あのテンプレ行動も主人公サイドは迷惑してるみたいだなぁ、

ケンイチ君がミリィを見る目が汚物を見るような目になってるし。


「ただ仲間なだけなのにミリィは勝手に僕の奥さん面して仕事の邪魔をするわ

僕のプライベートや交友関係に口出しするわでもうウンザリなんだよ」


「そんな!?」


「それともミリィは僕がミリィを性的に弄ぶ関係にしようって買ったと思ってたんだ」


「ち、違っ」


「それとも肉体関係や婚姻でスキルを持つ僕を利用する気だったの?」


ケンイチ君は召喚されてコッチに来た"勇者"だ、その影響で彼は様々なチートスキルを持ち

結構な稼ぎのある冒険者として活躍してる訳で、女性からしたらかなりの好物件だ。

そんなケンイチ君に奴隷としては破格の扱いを受けて、更にその身分から解放して貰ったら

勘違いもするだろうけど、容姿端麗なエルフだっていうのを武器に

ケンイチ君を籠絡しようとしてたもんな。

テンプレハーレム物語ならエルフ娘のアプローチに主人公が負けて結ばれるwって

展開になる所だったけど、落ちて当然!てな態度でツンデレ気取って

理不尽な干渉をしてくる女なんて嫌だろう。

何よりケンイチ君の好みの女性はO原麗子とかY本陽子みたいな華やか系日本美人だw

少し愛してくれる大和撫子と長く付き合いたいらしい純愛嗜好のケンイチ君に

確かに美人だけど、西洋系のバタ臭い顔の女が慎みも遠慮も無く

無理矢理束縛して振り回せばお人好しでも愛想も尽きるんだろうな。


「今まで君に掛かった費用は必要経費だと思う事にする、

それとパーティ組んで稼いだ分け前は渡すから都合の良い男が欲しければ自分で買いな」


ジャラリとコインの詰まった皮袋をミリィの手に押し付けると

背を向けるケンイチ君は迷う事無くカウンターで

パーティ解散の手続きを申請する、その様子にミリィは考え直して!とか

これからは我が儘言って困らせないからとか見苦しく喚くが

ギルドからのペナルティがあると職員に引き摺られて行くのを見送る。


ケンイチ君の厄介払いに都合良く使われた気がしないでも無いが

美人エルフの取り乱した形相なんて珍しい物が見れたから良しとしよう。

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