召喚された巫女候補少女の場合
なんか魔獣がアップ始めちゃったり魔王が侵攻してくんじゃね?って噂だか
予言があったお陰で、異世界から勇者だか巫女を召喚しようって流れになったらしい。
魔道士が12人も集まってサバト臭い儀式に突入したんで見学に来ましたwお疲れ様です。
床に描かれた魔方陣が光って辺り一面に白が満ちて…
召喚の為の長々とした呪文が終わると其処にブレザー姿の女子中学生がポツン。
「え、なに!?此処ドコなの?」
此処は地球じゃ無い魔獣と魔王が彷徨いてて、冒険者とかが闊歩する
科学の代わりに魔法のある世界です(笑)おいでませ〜異世界。
「此処はハイラント王国、突然の事で貴女にはご迷惑を掛けるが我々の話を聞いて欲しい」
この国の魔道士長の息子、エーリッヒが魔方陣の上でガタガタ震えてるJCに
胡散臭いホストスマイル全開で、耳たぶに触れる距離で囁いている。
あの囁き女将以上のエーリッヒの囁きテクにJCは簡単に頬を赤らめる。
そりゃ思春期突入したての妄想だけがが先立つ色恋レベル1の小娘がホストばりの
顔とテクで迫られたらイチコロですってw
チョロっwチョロ過ぎ!これはテンプレのチョロイン様ですか?
「はい…」
声のトーンが上がってるぞ〜
小娘も方もエーリッヒの差し出した手に、当たり前に手を重ねてサバト会場から
王の玉座のある謁見の間へとエスコートしてくし、カモを引っ掛けたと満面の笑みを浮かべる
胡散臭い枠ホストのエーリッヒ君もご満悦、今ならこのお嬢さんを騙すのも簡単だろうなぁ。
そうして長い廊下を歩いて到着したやたらと豪華な謁見の間、他国から舐められんよう
豪華絢爛な内装に俺の目は潰れそうっ(笑)
「救国の巫女が罷り越しまして御座いまする」
重々しく告げられる白ヒゲの重臣の声に鷹揚に頷く王様。
「召喚は成功したようだな、そなたが巫女か…突然の事にさぞ驚いただろう」
「あの、救国の巫女って?私、学校から帰ってきてコンビニ行こうって
自転車に乗ったところでいきなり穴に落ちて気が付いたら此処に居たんですけど」
パニクってるJC、そりゃいきなり召喚って拉致られたら混乱するわな。
「すまぬがそなたにはこの国を救う巫女を務めて貰おう、その為に召喚したのだ」
「え!いきなりそんな事言われても私にはそんな力はありません」
否定しつつも隣りに控えるエーリッヒをチラチラ窺うJC、テンプレテンプレw
「我々は12人の魔道士に120年に一度の秘術を用いて条件に合う乙女を呼び出したのだ。
その証にそなたの額には巫女の証である魔章紋がはっきり浮かんでおる」
そりゃ召喚する際に魔方陣通して額に魔力通して、それらしき紋様を焼き付けたんだから
あるだろうよ…奴隷か家畜の焼印ってか、全く物は言い様だな。
「わかりました、お引き受けします。
それで私は巫女の仕事が終わったら元の世界に帰れますか?」
「終わったら直ぐに魔道士が送り返そう」
しっかりと明言した王の言葉に安堵したらしいJC。
仕事が終わったら、ね…嘘は言って無いな(笑)
何をさせられるのかも確認しないなんて随分能天気なお嬢ちゃんだねぇ、
終わらなきゃ帰れないって気付いてないんだね。
まぁあの様子ならエーリッヒのタラしテクに落とされて帰りたいなんて言わなくなるかw
謁見が終わるとJCは巫女様の為の豪華な客間が充てがわれ、
早速この国の言葉を覚えたいなんてエーリッヒと絵本を眺めたり毎日がお茶会と
マナーとダンスのレッスンwそれしかやる事無ぇのかよ!
巫女って言ったら教会的な場所でお祈りと儀式とかそっちの方を連想しないのかなぁ?
マナーは兎も角、ダンスなんて何処の夜会に出るつもりだ?何より巫女は純潔を尊ぶよな?
キラキラした宝石を献上され無邪気に喜ぶ巫女様にエーリッヒを崇拝レベルで慕う令嬢が
嫉妬に駆られて暗殺者を差し向ける。
ワオ☆正にテンプレ(笑)
誘拐された巫女様は辛くも暗殺者の刃から逃れ、エーリッヒ率いる騎士達に救い出された。
少女向けケータイ小説なら後日、巫女様はエーリッヒと結ばれ王国を繁栄に導いて
自分達も子作り三昧wハッピーお花畑でぼやかしてるがヤリまくりで溺愛偏愛
ストーカー一歩手前の愛情に、また今日も起きれませ〜ん(泣)なんてほざきながら
その血を繁栄させるのがお約束って所だけど…
「え、エーリッヒ様?」
「君は巫女なんだよ」
暗殺騒ぎが片付き大体悪徳貴族の粛清がついでに行われ大分風通しの良くなった宮廷。
巫女が魔の森の竜王の怒りを鎮める為に人柱として城を出立する日が訪れた。
今更戸惑うなんてね〜
散々血税で贅沢させエーリッヒとイチャイチャ生活を堪能させたのは
今生の思い出作りって慈悲だよ(笑)
巫女様の仕事は竜王への供物、この仕事が終わって城まで帰還出来たら
幾らでも送還の儀式をやってあげるよ、帰って来れるならね。
それじゃ頑張って☆
四肢を麻痺させる薬を盛られて輿に乗せられた巫女様が城を出立致したのを見届ける。
無事お役目を果たせるとイイねと俺は手を振って見送ってあげた。