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仕出かした新米女神の尻拭いな場合

女神の愛娘と呼ばれてる売女のワザとらしい鳴き真似にウンザリしつつ

その向こうにあるモノを見れば、下品な安っぽい芳香剤みたいな甘ったるいオーラ。


「ミミカ、目障りな悪女も消えた事だし今宵は私とディナーでも」


「いいや、あの女の嫌がらせでミミカも参っているだろう

疲れを癒しに貴族寮のサロンに併設されているエステを利用出来るように手配をしておこう」


王子と取り巻きが愛娘wの歓心を買おうと色々と吹き込んでるが、見えるのは売女の毒々しい

ピンクのオーラが首輪みたいに巻き付いて捕らえてるようで笑いたくても笑えない。

魅了の術なんて生易しいモンなんかじゃ無ぇな…ありゃまるで隷属の呪い。

しかもトリッパーだ、コチラに飛ばされる際に付与されたトリップ特典のようで後付けの痕跡。


「そんな…私が庶民で偉いお嬢様とは違ったから」


ふくすん☆ふくすん☆と妙チキリンな泣き声ならぬ鳴き声でこの場の空気を支配する。


だけどな、面白半分暇潰しに俺と家族を巻き込むなよ。


コッチを俺のテリトリーと知って異物を押し込んだバカの正体を"見れ"ば

成り立てホヤホヤのぺーぺー、力だけ見ても名ばかり女神じゃないか…

だからかな、俺の箱庭に手出しするリスクも知らずに、トリップ逆ハーが見てみたいからなんて

色々足りない小娘に魅了を付けて送り出すなんてバカやらかしたんだろうな。


冗談じゃ無ぇ…


パチンと指を鳴らせば、アチラから抽出された小娘に纏わり付く力が消失する。


「ミ、ミカ?…ミミカは何処だ?この化け物は何だ!」


ピンクの靄を祓えば其処に残るのは

異世界から連れて来られた以外は何の取り柄も無い只の小娘、だったんだけどなぁ。


「異世界からやって来た女神の愛娘でしたよねw」


異世界出身なだけあって此方の人間とはかけ離れた容姿をお持ちでw

海藻みたいな見た目の髪は赤紫のあり得ない色味、肌も細かい鱗状のプツプツが浮き手の指が3本…

アチラでは美人の定義は此方の魚類に酷似しているようだ。

だが、ミミカちゃんはアチラでも少々美人からは外れたユニークな容姿の持ち主だったようで

それがコンプレックだったのかな?顔の輪郭なんか高級食肉で有名なブランド豚ソックリで

指なんかもゴツゴツした木の枝。


「どうぢで〜!?王子ざまぁ!」


禍々しく黒光りする3本の爪が縋られるように伸ばされたかと思った瞬間、抜かれた剣が一閃。

今まで取り巻きだった筈の近衛隊長の息子 エルガーがミミカちゃんの腕を容赦無く斬り落としたw

凄えwwwさっきまで真実の愛がどうの、女神の愛娘がどうのと美辞麗句を捧げてたのに

真実の姿wを知った途端にこの有り様、随分と薄っぺらな真実の愛だねぇ〜


俺の妹を捨ててまで求めた愛娘ちゃんなんだからさ、ちゃんと添い遂げる気概位見せてくれよ。


「キリアラナの王子よ、この騒ぎは其処の化け物より姫を遠ざける為にとの衷心から

我が国との同盟による王女との結婚も、姫の安全を優先しての婚約破棄と理解して良いのだろうか」


耳触りの良い理屈で駄目押ししとけばこの茶番劇をある種の美談として撤回不能としとく。

後は馬鹿が勝手に潰し合いをしようが、化け物…失礼、女神のオモチャと取り巻きとで

泥沼の愛憎劇を繰り広げようが、他国から眉を顰められようがウチが関わらなきゃそれでいいや。


「高潔なる王子の気高い犠牲は我が王にとくと伝えておきましょう、では失礼」


化け物と取り巻きの修羅場で聞いてないだろうキリアラナの阿呆共に

一応声を掛けてから退出、これで妹にも言い訳が立つし、新たなお相手の選定にも入れるな。

親父にもこの茶番劇を見せときゃ溜飲も血圧も下がるだろうと

記録オーブで女神のオモチャと馬鹿一行の様子を写してから帰る事に、これでウチの家族も一安心だろう。

その後でそれなりに御礼参りもしときゃ、完璧だろうし。

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