悪役令嬢に仕立てられた王女の場合
教会経由で密かに報せがあった、通常ならギルドを通してもたらされる連絡が何故か
教会からなのかを不思議に思いながら魔法書簡と呼ばれるオーブに魔力を籠めた。
それは実家…王家からの内密の報せ、本人の魔力以外では開封出来無い通信宝玉を使う所からして
只事では無い、開封と同時に無音声結界も展開され、俺以外には絶対に内容が漏れない仕様で
伝えられた内容に開いた口が塞がらない。
凄ぇな…そりゃ内密にしないと拙いわ、
嫁ぎ先探し伴侶選びの為に学術の都と謳われるキリアラナ王国の国の名を冠した学園に留学してる
ハイラント王家の一人娘 エミリアナが其処の王子に色目を使い、近付く女生徒達を虐めたり陥れたり
脅したり害したり傷物にしたりと、やりたい放題の限りを尽くした悪逆王女と
学園の食堂で断罪w的な三文芝居の悪役令嬢に担がれそうになって慌てて帰国の途に付いたらしい。
一応俺とは血を分けた妹だからやろうとしたらやれるだろうが、エミリアナはそんな姑息な真似を
するような娘じゃない、姑息とか卑怯とか悪意は俺が持って産まれた分、母さんの腹に置いてきた
良心とか良識とか善意や誠実は彼女の中に備わって誕生したって位良い娘だ。
いきなり知らない女を庇いながら、怒鳴り責め立てる王子と取り巻きに驚きながら
混乱するエミリアナを回収した馬車より先に、報せを持って飛んだ通信鳩により
騒ぎの内容を知った親父がそれはそれは盛大にキレた、だからこその高価な魔法書簡だ。
…OK、この喧嘩、一枚噛ませて貰うわ。
可愛い可愛いウチの王女サマを泣かせた高い代償をしっかり払って貰いましょう。
ついでに俺の懐を温めて鬱憤晴らしにもお付き合して貰おうか、ってな訳で内心トサカきちゃってる
兄さんにギルドに偽装依頼を出して貰い、キリアラナへと向かうかなと、その前に妹を慰めとくか。
何処にでも行けてどんなものでも見れる俺だもん、瞬き一つで国境程度一っ飛びですし(笑)
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「で?どうした訳」
キリアラナ国境を越えた辺りの比較的大きな宿を借り上げエミリアナは休んでいた。
「ジョン兄様…」
俯いてポロポロと涙を溢す妹は、食堂でやってもいない罪で晒し者にされた屈辱に耐え切れず
今にも自害しそうな風情だ。
「もう大丈夫、兄ちゃんがちゃあんと調べてやるしエミリアナが悪くない事を皆に解って貰おうな」
エミリアナは王族でも何時かは外の国に出されたり、降嫁するから俺の実際は知らされないんだけど
俺の可愛いがる妹って事で王家とは遠縁の、兄さんの友達で将来のドゥーデンヘッファー大公だと
認識してて兄と呼んで親しく交流してる訳だ。
「何の心配もいらない、城に帰ってゆっくりお休み…目覚めたら"全てが終わって"いるよ」
エミリアナの額に触れて負の感情を鈍らせ自害の可能性を取り除き、馬車に危険避けの護符を仕込んで
早く帰国出来るよう加護を与えると、俺は一足で元凶の元へ。
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学術の都と謳われてるキリアラナ王国の国の名を冠した学園に到着!
ハイラント王家の一人娘 エミリアナが其処の王子に色目を使い、近付く女生徒達を虐めたり
陥れたり脅したり害したり傷物にしたりとやりたい放題の限りを尽くした悪逆王女を
学園の食堂で断罪w的な三文芝居をやらかしたバカ娘はどこかな?
何処にでも行けどんなものでも見れる俺だもん、瞬きで国境程度一っ飛びですし(笑)
「大丈夫だ、あの悪女は尻尾を巻いて逃げ出した」
「父王に頼んであの悪女が二度とお前の視界に映らぬよう社交界に出たり出来無いよう根回しをしておく」
「もう傷つく事は無いんだ、俺逹の大切な"女神の愛娘"」
居た!痛っ!自称"女神の愛娘"とその取り巻き連中(笑)
学園に設けられた王族の為のサロン、"女神の愛娘"wとか呼ばれてる虹色に光を反射する光の屈性無視した
妙ちきりんな銀髪の小娘を見てみる事に。
口で「ふくすん☆ふくすん☆」とか言って拳を目に当ててるロリ演技
オーロラ何とかって安っぽい光り方をする髪をウンコロネに仕立てた大根系電波が
キリアラナの王子様御一行wに慰められてる最中だった。
どうしてやるかな〜




