ちょっと性格の悪い兄さんの場合
「バラしたんだってな」
俺の兄 エドワードは一応この国の王太子をしてる、その王太子サマがニヤニヤと悪巧みをしてますって
胡散臭さ満点の笑顔で話し掛けて来た、一応城の外じゃ俺とは赤の他人の振りをしてるんだけどなぁ。
「バレるかどうか遊んだんでしょ?兄さんは俺以上に面白い見世物が大好きじゃないですか」
「当たり前だろ?私はお前の兄だ、それにその程度の慰み位しか楽しみが無いんだからな」
そりゃ王太子様が同年代の青年と同じように酒場で呑み過ぎ羽目を外して馬鹿騒ぎをしたり
女の子をナンパしたり、娼館で娼婦を買ったり出来無いもんなぁ〜
偶にある"愚か者退場劇場"見物位しか楽しみが無いなんて不憫(笑)高貴な身分なんてのも窮屈なもんだ。
「気付いちゃった猪娘はどうする?」
面倒事になりそうならツテもコネもあるし適当に片付けとこうかと提案するけど
その必要はまだ無いと兄さんは首を横に振るんで、あの娘は今んとこ放置。
「また面白そうなものがあったら呼べよ、それと母さんが会いたがっていた」
「分かった、暇が出来たら顔見せに帰るよ」
兄さんも忙しいから俺と暢気に喋ってばかりもいられんから言うだけ言うとパッとこの場を後にした。




