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異世界に渡ったおまじない少女の場合

課題の魔方陣の法則暗記と魔術師の勘と経験則から、法則性発見による魔方陣への転換期についての

レポートなんてタルい宿題が出た、面倒だけど好き勝手したけりゃ最低限の義務を果たさにゃならん訳で

図書館へとやって来たんだけど、ブツブツ言いながら懐かしいモン弄ってるもっさり系美人が居た。


結構古い型のガラケーを一生懸命ポチポチしてるもっさり嬢を観察して"見て"みると…

彼女はネットのオカルト系サイトにあった方法でコッチに来たらしい。

やり方は簡単☆5センチの紙にダビデの星って呼ばれる六芒星を描き、その星の中に赤字で飽きたと

書いた物を枕の下へ敷いて寝ると、目覚めたら異世界の自分と入れ替わってる!というよく判らん手軽さ。


よく版権同人モノの夢小説とかで見掛けててお腹一杯テンプレ展開の、生贄を捧げてセルフアポンすれば

神様に会えて〜好きな世界を選んで〜チート与えられて天女とか女神呼ばわりで〜

男キャラにチヤホヤされまくりな逆ハー出来ますよ、なアレよりよっぽど手軽。

蛇足だが…そんなガッつき系インスタント天女or女神w様は、生贄にされて一方的に殺された被害者に

大体仕返されるか自滅するかのアンチヒロインとして活躍しており、読者の溜飲を日々下げている。


んで、もっさり美人ちゃんは結構簡単に来れたー!と最初はハイテンションだったらしいが

チート能力も無く、何とかこの学園に入学出来る魔力はあったものの、Dクラスのまま

上へ這い上がれるような特筆すべき出来事も才能の開花(笑)も無かったんだよね。

してた努力は持ち込んだガラケーをひたすらポチる事だけw


以前にも携帯片手にコッチに渡って来た女子高生が居たけど、あの娘はきちんと努力の出来た娘だったから

携帯を持ち込めただけ有難いと、ポーションを始めとしたファンタジー薬品のレシピを検索しては

書き写して纏めたり、それだけでは飽き足らず、それこそ古代中国の神農のように解毒薬片手に旅に出て

世界ほぼ全ての草木を味見して歩き、現代医薬品の再現を試みると有用な薬を幾つかを

作り上げるのに成功し『医薬の魔女』として伝説になった。


尚…某動画サイトの馬の被り物氏によるポーション?作り動画にインスピレーションを得て、

それっぽい何かを作り上げてしまいそれを一服盛ったか何かでいとも簡単に当時の魔王四天王の

二体を倒した事で暗殺ギルドでは毒薬の女神とも呼ばれ尊崇されているらしい。


同じ携帯持参の転移者、頑張り次第じゃ伝説にだってなれるのに

もっさりちゃんは今だに携帯を介して閲覧出来る二次元に夢中で異世界に来たけど

何のアクションも起こしていない、それじゃあ今までと何も変わらないと気付けなければ

卒業まで底辺クラスで唯燻るしかないのだ。

このままなら精々薬局ギルドの素材加工を請け負うパート魔女程度にしかなれないだろうねと

ガラケーをポチるのに夢中な彼女の隣を通り過ぎて書架へと向かった。

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