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NO COUNT『時報』
《プッ…プッ…プッ…ポーン…》
《午後11時59分10秒をお知らせします。》
寝床について30分。何をする訳でもなくただ、携帯電話から聞こえる時報の音に耳を傾けていた。
そういえば前に聞いたことがある。時報で午前4時44分から45分の1分間ずーっと死者のわめき声が聞こえるとかなんとか…。
《午後11時59分30秒をお知らせします。》
《ポーン…》
いや…流石にそんな時間まで起きていられる自信がねぇ…。それに明日も学校だし…今日はこれくらいにして寝ないとな…。
《午後11時59分50秒をお知らせします。》
ん…せっかくだから日付が変わる瞬間でも聞いておくか…。
《まもなく、午前0時をお知らせします。》
《プッ…プッ…プッ…………》
「………あれ?」
耳元に置いていた携帯電話を確認する。どうやら充電が切れたらしい。
「どんだけタイミングいーんだよ…」
携帯電話を充電器に繋ぎ、眠ることにした。そこから30分程で夢の世界へ……ってそんなの…知るよしもないだろ…誰も。意識が薄れていく中で…自分が今寝たって…確認できるわけ……な………い………。