2-2 原口 弘樹
「おはよう~美零!!」
賢い頭脳を持ち、彼氏が4人もいる私のお友達の、伊能 佳澄 様・・・。
「おはよう!また今日もにぎやかだよね・・。2-2は・・・。」
賑やかなのは嫌いではないが、ここは・・・賑やかすぎる。
「そうだよね。うちも思うわ~!!」
見るからに高校生ではないように見える。
「リーダーの原口が五月蠅い。けど許しちゃうよね~」
確かに、佳澄がそう言うわけも分かる。
なんたって、異常なほどの青少年で顔も人よりいい。
それでクラスの女子は、顔を赤らめて許してしまうのだ。
わたしは、嫌いだけどね。自分の売り方を知ってる感じが・・・父に似すぎてて・・・!!
「許しちゃうの!?だめだよ!!甘やかしたら、特にああいう人はー!!」
その発言に佳澄は、目を開いて驚いた。
「珍しい。美零って、超が付くほどのお人よしなのに!?
なんか過去にあったの・・・?彼氏とかで・・・。」
ぎらぎらした顔で聞きこむ。
「あれ?言ってなかったっけ・・・??
うちの父、ホストなんだ。」
クラス内が静かになる。
えぇ・・?なんでクラス全員が静かになってんの・・・!!!
「っえええええええええええええええええええええええええーーーーーーーー!??????!」
クラスの大半の声がそろった。
見事なほどに・・・。
「なんでみんな驚いてんの?珍しい・・?ことかな??」
不思議だったので、首を傾げる。
「そうなの!聞いてないわよ!そんなおいしいネタ!!かっこいい・・??」
興味深々で体を乗り出してきた。佳澄もそのほかのクラスメイトも。
ちょっとだけ、みんなの反応おもしろいかも・・・。
わくわくした気持ちが芽生えてきた。
「今、ちょうど写真持ってるけど見る?」
バックの中をごそごそと探す。
写真を机の前に出すとピンクの感嘆が。
「ややばい。かっこいよね!!美零に似てるかも・・。
だから、美人なのか。」
佳澄のお世辞に、ちょっとだけ二ヤケそうになるのを止める。
ままって、これは私の馬鹿父をみんな褒めてる・・・。許せることではないわ!!
「いや、父親・・・馬鹿だよ。」
きちんと教えておかなきゃ。身内の恥じだけどね。
「いや。でも、顔いいから馬鹿でいいんじゃない~!」
佳澄の頭がおかしいの・・・!!!良くないわ。
心にしまうことにした。
それから、女子のクラスメイトから何回か質問攻めに耐えた。
ひと段落すると佳澄が
「で、原口のどこが嫌なの??」
本人に聞こえないようひそひそ話してきた。
「原口くんは私の父親の性格にそっくりなの!!裏がありそうなとこも・・。」
最初は静かに話してたが、勢いあまって声が大きくなってしまった。
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
なにやってんのよ。私!!聞こえてたわよね。
原口くんの気配がする。気のせいだと・・思いたい。
イヤーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
「田中さん。廊下に行こうか。話したいんだ。」
密かに怒りつつあるのを感じた。
そして廊下に連れて行かれた。
さよなら。過去の自分。
「きみ、この優しい・人気・イケメンの俺を嫌いだって・・??
そして二重性格ってなんでわかった?」
んん・・?
なに・・?
ほんとに、二重性格だったの?
「秘密は漏らすなよ。漏らしたら俺の力、全部使ってやるからな」
にやっと笑う、悪の笑みが、心の中に恐怖を植え付けた。
私は普通に過ごしたいです!!
神様、聞いてますかぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・!??????
いったい何人まで増えるのでしょうか?
わたしにも分かりません。(笑)
お付き合いありがとうございます!!