第4話 アリラン峠でD! A(原文)
注意)初期の案なので、若い運転手がタクト、かつてのライバルで
映画の主人公役がミンソクになっています。
B(AI併用)とは名前が異なります。
ソヨンはバイクと自動車の運転免許を持ってはいるが、
事務所から「タレントは自分で車やバイクを運転してはならない」と
言われている。事故やスキャンダル対策である。
普段は年配のベテラン運転手(通称キムおじさん)が送迎担当だが、
ある日、台風並みの悪天候ーソウルでは小雨だったが、地方では河川の氾濫や
土砂崩れが発生した地域もあったーのため都市間バスが運休になって
「帰れなくなった」と連絡してきた男優とマネージャーがいた。
運転手担当のスタッフは採用されたばかりの若い運転手タクトに迎えに
行くように指示したが、キムさんは「あの辺りは慣れていないと危険だ。
私が行く」とさっさと出発、ソヨンの送迎にはタクトが回された。
これが「スタジオ誤認による送迎事故」を招いた。
この時、彼がスタジオの駐車場内でイキリダッシュや
ドリフト走行をしたことを「プロ」は見逃さなかった。
映画 頭文字A(仮題)
しばらくたったある日。タクト「明日の行程表ですが、
【事務所に出勤、第2スタジオに直行。ここでの収録後、第1スタジオに移動、
テレビ局の用意する車に乗り換えてロケ地のアリラン峠に移動。ロケ終了後、
第1スタジオに戻ってくるので、事務所まで帰って来て業務終了】とありますが、
【送迎するタレント等】の欄が空白です。誰を送迎するんですか?」
スタッフ「出演者はキミだよ」。
「は?」。
翌日。ソヨンはいつものベテラン運転手の運転する車で、
タクトは送迎用の車に1人で第2スタジオに到着。
収録が終わって第1スタジオに移動。車は指示された場所に止めておく。
テレビ局の用意した車でソヨン(主人公の友人役の1人)と
前後の席になる。
アリラン峠
鉄道の「アリラン越え」は蒸気機関車にとっては相当な難所。
特にミカコ改めミカ5の定期重連運転はここでしか見られず、
名撮影地だったが無煙化後は「(韓国では)ありふれた風景」とみなされて
忘れられた存在に。その後、電化を機に新線に切り替えられたため、
旧線はKR(正式名称:大韓民国鉄道会社)としては廃線。
レールはそのまま残り、地元ではなにか企んでいるようだ。
駅跡や踏切などには
「危険!列車が接近しても警報器等は作動しない。線路内の通行を禁ず」の
看板を設置している。
バスやトラックを改造した謎車両が線路を走っているとの噂がある。
道路も今では高速道路と新道がメイン。
高速道路は峠を長いトンネルで抜けている。
旧道はヒルクライムやダウンヒルの聖地となっている。
過疎・高齢化が進んで少なくなったとはいえ、住民はゼロではない。
旧道は峠を越えて反対側の麓に至るが、新道は山頂付近の駐車場が終点。
旧道が通れないとどこにも行けない集落もある。
テレビ局は映画の撮影のため、特別に時間限定で封鎖して
他の人や車を通さない許可を取った。
許可された時間に余裕があまりない(短縮はできても、延長は不可)ことから、
同時に2つの撮影が進行する。旧道を峠を境にAとBの2つのコースに分け、
Aコースは助監督に任せてプロドライバー ムンデ、ゴンらが
ヒルクライムを披露。
Bコースはペク・ミョン監督が自ら指揮を取って2人X2組がダウンヒルを行う。
説明を聞いているうちに、峠のサミットにあるドライブイン
アリランコゲに到着。何度も建て替えられて古さは感じないが、
「アリラン峠の茶屋」以来の歴史を誇る施設である。
ここで一行はヒルクライム班とダウンヒル班に分かれる。
ダウンヒルは主人公ミンソクの車とタクト(主人公のライバル役)が
競走するシナリオ。原作ではアリラン峠のダウンヒルは主人公の圧勝で終わる。
だが、脚本などでは「日時の変更や撮り直しはできない」として、
どちらが勝ってもそれで行くと明記されている。他にも、複数のシナリオ
(引き分け、アクシデントによる競走中止、当日撮影できなかった場合は
サーキット場で収録、など)が記載されている。
車がトレーラーから降ろされて、最終チェックが進む。
ここで監督は当初の予定にはないことを言い出す。
「2人とも助手席に女性を同乗させるように」。
候補としてレース終了まで出番のない女優や手の空いているスタッフの
女性たちが2人の前に並ぶ。
タクトは当然のようにソヨンを指名。
「しまった、主人公の友人役だった」と言うが、
主人公役の男優ミンソクは笑いながら
「『共通の友人』てことにしとけばいいだろ。そいつ、車がサーキット場で
猛スピードで走ってる動画を見せただけでキャーキャー騒いで面白いぜ。
ゴール前に助手席で気絶してるかもなっ!(イテッ)」
ソヨンの平手打ちが後頭部…に届かず肩を叩く。
ソヨンは怒りと恥ずかしさで顔が真っ赤。
男優は気を取り直して「オレが選ぶのは…」
美人女優、ではなくあまり見栄えのしないテレビ局のスタッフを選択。
男優の実妹とのこと。
タクトは「主役ってことは、きっとベテラン俳優だ。
気安く話しかけるわけには…」と勝手に思っていた。
ミンソクはミンソクで
「この名前、まさかあいつか?いや、人違いだったら失礼だ」
と考えていた。スタジオでのやり取りは第三者が間に入るか、
競争相手が見つかるアプリ(架空のもの)に限られていた。
直前まで顔を合わせる機会はなく(というより、意図的に避けられていた)、
対面して初めて2人とも相手は走り屋時代のライバルの1人だと気づく!
記録には残していないが、ほとんどの場合ミンソクの勝ちだった。
秋名峠、もといアリラン峠でドタバタ!
スタート直前。
タクトはミンソクに「わざと負けたら許さないからな」と念を押される。
タクトも負けじと「オレもそのつもりだぜ」と返す。
エンジンがかかるとタクトの闘争心にも火が付く。慣性ドリフトや
アリランスペシャル(インコースのさらにイン、空中を飛ぶライン)などを
披露するも、抜きつ抜かれつの展開。
ソヨンは「キャー、ぶつかるー!」(謎の声:アクセル全開!土人を右に!)「まだ死にたくないー!」などと悲鳴を上げ続ける。
一方でミンソクの妹は「兄貴ならいける」などと的確に指示。
最終コーナーで確実にラインを支配することを旨とするミンソクに
僅差で負ける(主人公の勝ち)。
案の定、この映画を見た観客には、ソヨン悲鳴が
「迫真の演技だ」として印象に残る作品になった。
(心の声:演技じゃないよ、心の叫びだもん)
詳細に文章化をお願いします。
ヒルクライム:
ムンデ、ゴンはプロレーサー。競争(DUEL)。
もう1人はスーパーバイザー。単独走行。
もう一つのダウンヒルバトル:
脚本やシナリオを書いた人が原作(日本語版)を知らず、
「コギョ」を1人の男と誤認しており、
3つ巴のダウンヒルを書いていた。
「コギョは兄弟だ」と指摘して、兄弟対決に修正させた。