第20話 最後までバタバタ B(AI併用)
ソヨンのドタバタ劇 最終回 ~なぜか家族が増えちゃった幸せな日常~
あれから数年が経った。
私、金星愛――芸名キム・ソヨン――と、ソヒーの生活は、
すっかり変わっていた。戸籍謄本を見ると、こう書いてある。
世帯主 金星愛(芸名 キム・ソヨン)
配偶者 ソヒー
長女 キム・ソフー
次女 キム・ソミー ※双子
そう。私たち女同士なのに、なぜか双子の女の子が生まれた。
女同士で子供ができるわけないだろ? 可能性ゼロ?
そんなもの、私ソヨンの「ありえないことが必ず起きる」能力で
華麗にぶち壊しました。
常識?知らない子ですねー(^^)ドヤァ
BL漫画で「男同士だからセーフ」って言ってたら
突然妊娠する展開があるでしょ?あれ、私が関与してる可能性大ですよ。
謎の声が「んなわけあるかい!」ってツッコんできたけど、無視無視♪
女同士で子供を産んだ私は最強~♪ (ブー)
ソヒーがすかさずおもちゃのブザーを鳴らす。
「産んだのはどっちでしたっけ?ソヨンさん」
そう、産んだのはソヒーだった。
妊娠が発覚したとき、私は大パニック。
「え、え、えええええ!? スキャンダルになる!
事務所に消される!」
でも、なぜか世間には一切漏れず、ソヒーは無事に出産。
「特別な養子縁組」または「匿名で精子や受精卵の提供を受けた」と
思われてたのかもしれないけど、そんな事実はありませーん!
大きくなったお腹を撫でながら、私は毎日悪ふざけしてた。
「私専用のクッションができた―」
「ソヒー、お腹重そう~。私が乗っかっちゃおっかな~」
「やめなさいってば! 蹴られてるでしょ!」
このクッション(?)、反発力がすごいと思ってたら、
胎内の双子に蹴り返されていたらしい。
「まったく。どこに妊婦のお腹にダイブするお嫁さんがいるんですか」
「いや、妊婦の嫁、ってどこかおかしいだろ。あ゛(^^;)」
そんなやりとりが日常だった。
騒ぎにならなかっただけ、本当にマシだったと思う。
双子には謎能力があるけど、「生まれる前の記憶」はなさそうでヤレヤレ。
ソフー&ソミー:それはどうかな(^^)ニコニコ
双子が生まれてすぐ、私たちは2DKのマンションから3LDKに引っ越した。
子供部屋も作れて、お風呂も広くなった。
最初のうちは、私かソヒーのどちらかが
ソフーとソミーを抱っこして一緒に入浴。
でも、成長するにつれてそれも難しくなり、
親子二人ずつに分けるようになった。
さらに小学校入学前には、双子だけでお風呂に入るようになったんだけど……
ここで問題発生。どうやらこの子たち、
私の「謎の能力」が遺伝してるらしい。
ある日、ソヒーがリビングで叫んだ。
「ちょっと! ソフーちゃん、どうしてバスタブにいないの!?」
見ると、ソミーがシャワーを浴びてるはずなのに、
リビングにバスタオル一枚でソフーが立ってる。
「……あれ? 私、ソミーと入れ替わってる?」
そう。順番が入れ替わったり、体が入れ替わったり。
お菓子をあげたら、どちらかが全部食べて、もう1人は食べていないとか。
なんでそんな現象が起こんねん(^^;)
でも、双子はそんなことも楽しそうに笑ってるから、
まぁいっか、ってなった。
小学校に入学してしばらく経った頃、部屋の話をした。
「そろそろソフーの部屋とソミーの部屋、別々にしようか?」
すると二人とも大泣き。
「いやだー! 一緒にいたい!」
仕方なく、勉強部屋と寝室に分けることにした。
机は2つ、でもベッドは最初2段ベッドだったのが、
「並んで寝たい」と言い出して、
すぐにセミダブルベッドで一緒に寝るスタイルに。
暑くても寒くても、ぴったりくっついて寝ている。
誰に似たんだか…
ソヨン&ソヒー: (><)ハクション!(><)
たまに様子を見に行くと、寝顔が可愛いー(*^^*)
「しょっちゅう覗きに行ってるでしょ?」
…(^^;)
能力を正しく(?)使って双子の間に挟まって
「ママですよー」とニヤニヤしてたら、
ソヒーと位置が入れ替わったりする。
朝にはソヒーが双子に挟まれて寝ていて、
私は1人ベッドに引き戻されていたり。
なんで?双子は熟睡してたから、
ママとママが入れ替わったなんて気付いていないと思うけど
(ソフー&ソミー:それはどうかな)
もう完全に「双子のペース」としか。
そんなある日、郵便受けに一通の手紙。
「テレビ番組出演のご案内」差出人は某テレビ局。
番組名は『超究極のバラエティ番組』。なんか聞いたことあるな、
と思ったら……昔、収録中の大事故で打ち切りになった
※セットが倒壊して、複数のけが人が出た。
「究極のバラエティ番組」の後継番組じゃん。嫌な予感しかしない。
「まぁ、観客席でしょ。保護者同伴って書いてあるし」
軽い気持ちで確認せずに当日を迎えた。
事務所に相談したら、家族4人一緒に送迎車を手配してくれた。
迎えに来たのは、昔の新人クン――もう中堅ドライバーだけど。
会場に着いた瞬間、私の期待は木っ端微塵に砕かれた。
「キム・ソフーちゃん、キム・ソミーちゃん、ステージへどうぞー!」
え?双子がニコニコしながらステージに呼ばれていく。
私たち(ソヨンとソヒー)は、観客席に案内された。
「あれ? 私、観客?」
ステージを見上げると、司会者が大声で叫ぶ。
「それでは! 女の子部門、ブレイキン対決ー!」
ブレイキン!? しかも二人ともミニスカート!?
案の定、派手なスピンやヘッドスピンでパンツ丸見え。
見てるこっちが恥ずかしくて死にそうになった。
「うわあああ! やめなさいってば!」
でも、双子は余裕。接触しそうな危険なタイミングも、
息ぴったりで完璧に回避。まるで一つの生き物みたいにシンクロしてる。
―結果発表―
女の子部門、圧倒的優勝。景品は山のようなお菓子と、最新ゲーム機一式。
ただ、問題が1つ。付属コントローラーが1個しかない。
同封されているソフトも1人用っぽい。これは絶対に取り合いになる。
「よし、ママが預かるね~。前から欲しかったんだよね、これ」
ニヤニヤしながら没収しようとしたら、ソヒーに即バレ。
「ダメよ。子どもたちのもの」
帰り道、量販店でコントローラーを3個、2人以上で遊べる
ソフトを数本購入することに。トホホ。
そして数日後、週刊誌の見出しが目に飛び込んできた。
【スクープ】スーパーちびっ子あらわる!写真には、
ステージでキレッキレに踊る双子。キャプション――「ソフーちゃん(左)とソミーちゃん(右)」……逆だよ。
さらに小さく、「彼女たちをガン見する謎の女(観客席より)」
って、私のドアップ写真が載ってるじゃん!もう笑うしかない。
こうして、私たち4人の、ちょっと不思議で、ちょっと騒がしい、
でもとっても幸せな日常は、今日も続いていく。
――ソヨンのドタバタ劇、これにて完結。
でも、きっとまた新しいドタバタが始まるんだろうな。
だって、この家族だもの。(おしまい)
双子の体の入れ替わりはいつでも起きるわけではないし、
「一方がお菓子を2人分食べて、もう一方は食べていない」は
50%の確率なので、どちらかが一方的に損してはいません。




