第18話 ラグナロクでドタバタ(AI併用)
ホテルでもあるような、マンションでもあるような、
不思議な2DKの部屋。
DKには4人用のテーブルとイス2人分、ソファ。
2つある洋室の1つにセミダブルベッドと本棚、
もう1つにシングルベッドと2人分のイス(DKから移動)がある。
【ご注意】
実際のゲームでは、敵のソヒーが自爆攻撃してくることはあっても、
ペットのソヒーが自爆することはありえませんので念のため。
1. 謎の能力:ソヨンとソヒーのカオス同棲!
ソヨンとソヒーの同棲生活はもう数ヶ月が経っていた。
ソヨンは人気の若手女優で、昼間は撮影や取材に追われ、
夜はようやく自分の時間ができる。
ソヒーはデリヘル嬢で、客の相手が長引くと帰宅が
深夜になったり、「お泊り」で帰ってこなかったりすることも珍しくない。
それでも、二人の関係は妙に息が合っていた。
いや、合わされている、と言った方が正しいかもしれない。
二人はそれぞれ、常識外れの能力を持っているのだ。
ソヨンの能力は「ありえないと思われることが100%必ず起きる」
という、予測不能の爆弾のようなもの。
「あ、傘忘れた。でも今日は降水確率0%だから、まあいいか」
→必ず土砂降りにあう(^^;)なんでやねん
一方、ソヒーの能力は「時間や空間を少しだけゆがめる」と
「ゲームと現実の境目を分からなくする」という、
日常を微妙にねじ曲げる厄介者。
そんなある日の夜。ソヨンは撮影が予定より早く終わって帰宅し、
ソヒーはまだ出勤中だった。ソヨンはソファにどっかりと腰を下ろし、
スマホを手に取る。暇つぶしに、最近ハマっているソーシャルゲーム
『ラグナロク・オンライン』のモバイル版を起動した。
ファンタジー世界を冒険する定番のMMORPGで、
ソヨンは特にペットのテイミングに夢中になっていた。
今の目標は、ゲーム内で人気のモンスター「ソヒー」をテイミングすること。
名前が同居人と同じだから、運命感じちゃうよね、
なんて思いながらプレイを始める。
しかし、ソヨンの能力はゲームの確率を曲げてくれないらしい。
ドロップアイテムの出現率は1%未満、テイミング成功率も0.1%と絶望的。
ソヨンは何度も挑戦するが、毎回失敗。
「うーん、また失敗か……ドロップ率が0%になってるんじゃないの?
あるいは、テイミングに失敗する確率や、必要なアイテムが
出現しない確率が100%とかさ。ありえないよ、これ!」
何度目かの失敗にため息をつき、ソヨンはソファにぐったりと倒れ込んだ。
スマホを脇に置き、目を閉じる。
フワッ!ヒューッ(ジタバタ)、ドサッ!
「えっ、何!?」
気がつけば、ソヨンはセミダブルベッドの上に転がされていた。
柔らかなシーツの感触と、隣から漂う甘いシャンプーの香り。
そこにソヒーが、くすくす笑いながら座っている。
ゲームに没頭している間に帰宅していたらしい。
「そこで寝たら風邪ひきますよ、ソヨンさん。
ほら、ちゃんとベッドで寝ないと」
ソヒーの能力が発動したのは明らか。
ソヨンは、ソファからベッドに無理矢理ワープさせられた気分。
ソヒーとしては、UFOキャッチャーでソヨンをゲットしたイメージ。
作者:余計タチが悪い?知らんがな(^^;)
時間と空間が少しだけゆがみ、ソファからベッドへ瞬間移動。
しかも、ソヨンはさっきスカートを脱いでいたせいで、
下半身はパンツ一枚の無防備な姿。慌てて膝を抱え込み、頰を赤らめる。
「ちょっと、ソヒー! 私、今日は1人で寝たいんだけど!
シングルベッドのほうに転送してよ!」
「えー、1人で寝るのは嫌です。ソヨンさんと一緒に寝たいんですもん。
ほら、来て来て」
ソヒーは悪戯っぽく微笑み、ソヨンの腕を引く。拒否権などない。
結局、セミダブルベッドで寄り添うように眠りにつく羽目になった。
ソヒーの体温が近くて、ソヨンはなんだか落ち着かない夜を過ごした。
そんな日々が続く中、ソヒーの帰宅が遅い日は特に厄介だ。
ソヨンが疲れてソファやシングルベッドでうたた寝しても、
夜中にふと目を覚ますと、なぜかセミダブルベッドに移動させられている。
隣にはソヒーが、穏やかな寝息を立てて寄り添っている。
ソヒーにソヨンを「お姫様抱っこ」してベッドまで
運べるほどの体力はないはず。
「またかよ……この謎展開、何なのさ。ゲームみたい」
2. 奇跡またはチート:ソヒーのチート発動!
翌朝、目をこすりながら起き上がるソヨン。
今日こそゲームを進めるぞ、と意気込んでクエストに挑む。
だが、進捗は一向に上がらない。アイテム集めが難航し、
テイミングは毎回失敗。苛立ってソヒーに相談してみた。
「ねえ、ソヒー。このゲーム、全然進まないんだけど。
どうしたらいいかな?」
ソヒーはコーヒーをすすりながら、にこりと笑う。
「これはですね……ふふ、任せてください」
その瞬間、ソヒーの能力が静かに発動した。
ゲーム画面が一瞬ぼやけ、現実と仮想の境目が溶け合う。
すると、奇跡が起きた。あっという間に必要なアイテムが
画面にポロポロとドロップし、テイミングのミニゲームも一発成功。
ソヒーのアバターが、ぴょんと飛び跳ねてペットとして登録された。
「え、ええっ!? 何これ、アイテムが勝手に集まってきてる!
テイミングも即成功!?これ、なんてチート?」
ソヨンは目を丸くしてスマホを凝視する。
ソヒーは肩をすくめ、無邪気に答える。
「不正行為は一切していませんよ(^^)
少しアイテムの出現率をゆがめただけです」
「いや、それこそチートじゃん! ありえないよ、そんなの!」
文句を言いながらも、ソヨンは内心で喜んだ。
ようやく「ペットのソヒー」をゲットできたのだ。
3. 自爆するペット:カオスすぎるバグ!
早速、フィールドで試してみる。
敵モンスターと対峙し、コマンドを入力…。「よし、攻撃!」
だが、次の瞬間。画面に異変が起きた。
ペットのソヒーが、突然自爆したのだ。
派手な爆発エフェクトとともに、敵にありえないレベルの
大ダメージを与えるが、代償としてソヒーのHPがゼロになって消滅。
しかも、爆風が跳ね返ってソヨンのアバターにもダメージが入り、
HPが一気に激減した。「うわっ、何これ!? 自爆!?」
ソロプレイならまだしも、この日はチームプレイだった。
パーティーのメンバー全員が巻き込まれ、瀕死や即死状態になる大打撃。
※プレイヤー同士が何人かでチームを組んで戦うゲームで例えると、
相手を全員撃破すると同時に、自分たちも玉砕して敗北。
パーティーは全滅判定となり、チャットが荒れ狂う。
【プレイヤーA】おい、何だそのペット! 自爆バグかよ!
【プレイヤーB】マジで迷惑! 失せな!
【プレイヤーC】永久追放な! ブロックするわ!
「ち、違うよ! 多分バグだよ! 私悪くないって!」
弁明も虚しく、パーティーから即刻追放。
ログアウト後、ソヨンはため息をついた。
どこかで噂が広まったようで、フレンドリストが激減していく。
「一緒にプレイしない?」と誘っても、無言でブロックされる。
挙句の果てに、「オレたちとパーティーを組まないか?」
と誘っておきながら、承認すると即ブロックする変なヤローまで現れた。
「はあ? ブロック前提でフレンド申請とか、バカなの?
私だって被害者なのに……。でも、私の自爆ペットが原因だよね、トホホ」
ソヨンは落ち込む。証拠を隠滅しようと、
ゲームのログやメッセージを次々に削除する。
「これも見せられないな」と、指を動かす。
だが、そんな小細工は無意味だった。
ゲームのログと現実の記憶が同期し、ソヒーはすべて把握していた。
夕食時、ソヒーが静かに言った。
「ふーん、私はそんな扱いなんだ。自爆して消える、迷惑なペットだって」
その声は、いつもより少し低く、寂しげ。
うるうると、嘘泣きまで始めた。
ソヨンは慌ててフォローする。
「ち、違うって! ただのバグでしょ? ソヒーのせいじゃないよ!」
だが、ソヒーの表情は曇ったままだった。
4. 罰ゲーム:ノーパン同棲と部屋破壊!
その日の夜、事態はさらにエスカレートした。
ゲームを再起動すると、突然「対戦プレイモード」がポップアップ。
実際にはそんなモードは存在しないのに、画面に強制的に表示される。
対戦相手に選ばれたのは、なぜかソヒー本人。
リアルな写真がアバターに使われ、確認画面には「はい」しか選択肢がない。
キャンセルも変更も不可能。
「え、待って! ソヒー!? どういうこと!?」
「はい」を押すしかなく、対戦開始。
コマンドを入力するソヨンの手が震える中、ソヒーのアバターが動き出す。
そして、どちらの能力のせいなのか、ありえない事態が連鎖した。
ゲーム内の爆発が現実の部屋に波及し、空間がゆがむ。
テーブルがひっくり返り、クッションが飛び散り、
棚の本が雪崩のように崩れ落ちる。
ドカン! ガシャン! 部屋は一瞬でめちゃくちゃに。
「あちゃー!」
爆風の余波で、現実のソヒーにもダメージが入った。
現実のソヒーが、腕をさすりながら立ち上がる。
軽い擦り傷ができ、血がにじんでいる。
当然、ソヒーは激怒する。目は怨霊のように吊り上がり、髪が逆立つ。
怨恨のソヒー爆誕。
「ソヨンさんのばかぁ! 何やってるんですか! 痛いじゃないですか!」
ソヨンの能力が暴走したのは確実だ。
ありえないと思われる
「ゲームの対戦が現実破壊を引き起こす」事態が、
100%発生したのだ。ソヨンは青ざめて謝る。
「ご、ごめん! 私もわかんなくて……!」
だが、ソヒーの怒りは収まらない。代わりに、悪戯めいた笑みが浮かぶ。
「ふふ。罰として、今夜は一緒に同じ格好で寝てください。ほら、早く」
「え、それのどこが罰ゲームなの? ……って、待って!」
ソヒーはいつも、ノーパンで寝る派だった。
ベッドに引きずり込まれ、ソヨンはパンツを素早く引き下ろされる。
「ちょっと、パンツ脱がさないでー! (^^;) ソヒー、ストップ!」
抵抗もむなしく、二人は同じく下半身裸でセミダブルベッドに転がる。
ソヒーの体温が密着し、ソヨンは顔を真っ赤にしながら天井を見つめる。
部屋は散らかり放題、ゲームはクラッシュし、明日の仕事が心配
それでも、なぜかこのドタバタが、二人にとっては
日常のスパイスなのかもしれない。
「はあ……明日からどうしよう」
「ふふ、明日も一緒にゲームしましょうね、ソヨンさん」
怨霊状態から一転、ソヒーの声は甘く絡みつく。
ソヨンはため息をつきながら、目を閉じた。
きっと、またありえない何かが起きるのだろう。
ソヒーがソヨンから相談されるまで「助け船」を出さなかったのは、
彼女の小悪魔属性によるものです。
決して意地悪してたわけじゃないんだからねっ!




