第11話 トラジ(桔梗)湖水競艇場編 その4
トラジ湖水競艇場には、宿泊施設も併設されている。
ソヨンは今夜の宿泊場所はココだと思っていたようで、
猛ダッシュでその建物に駆け込む。
が、フロント係からカウンターパンチを浴びる。
「ここは選手や関係者、競艇場で働いている人が優先で、
本日は一般向けの空室はございません」と告げられる。
ソヨン「えーっ、今夜は野宿、それともバスの中で一夜を明かすの!?
バスに寝袋や毛布、テントは積んであるの?」
チーフ「少し離れたところにあるホテルから、
十分空きがあると連絡があった。全員泊まれる」
大騒ぎしたのがバカみたい(^^;)
謎の声:その通り!(チーン♪)イテー。
ムカつくので、頭の中で謎の声の主=ラフな服装で、サングラスをかけた
中年男を想像=に平手打ちやキム蹴り(金的)を浴びせるイメージを描く。
その場にいる、全てのキムさんがダメージを受ける、
ソヨンちゃんの必殺技よ!ってアレ?
私は芸名キム・ソヨン(本名 金星愛)だから、
自分にもダメージが入っちゃうー(><)ギャフン、バタン。
スタッフに「貧血で倒れた」と誤解され「大丈夫ですか?」と心配される。
ゴメン。ただの自爆(^^;)
ロケバスでホテルに移動中。
ラジオは地元の話題のみを扱う、小規模な放送局と思っていたが、
どうもテレビ局の子会社か関連会社らしい。テレビ番組の宣伝がやたらと多い。
「(豪快なエンジン音)キム エバラ道知事杯争奪戦、絶賛開催中!
トラジ湖水競艇場。」という短いCMの次に、
「究極のバラエティ番組、今夜放送!笑いすぎて死ぬなよ?!」
ソヨンはこのキャッチコピーに嫌な予感を抱く。
「まさか…でも、今夜の放送に私が出演している可能性はほぼないよね。
2回だけだし、総集編か再放送かも…」。
だがラジオがラッシュを仕掛ける。
「(ソヨンの声)キャー、スカートが破れちゃったー! す、すぐ、き、
着替えてきまっ…ダメ?そのまま続けろ!?(効果音:ガーン)」
ソヨンの希望はあっけなく砕け散る。「ガーン」まで先を越されたしw
先日収録したやつじゃん。あ、あれを放送するの?
恥ずかしすぎて死んじゃうー。
「お願いだから放送は中止してっ!」と叫ぶ。
だが次の瞬間、ラジオからボディブロー。
「ブー!ソヨン、アウト!(バシャーッ!)」
「(ソヨンの声)きゃー、冷たーいっ!」。
クイズコーナーで不正解を連発して、罰ゲームとして
頭から水をかけられたシーンから抜粋された音声である。
タイミングの良すぎる「ブー」に全員大爆笑。
しばらくハイライトシーンの音声が続き、
謎の声が「みんな見てぬぇ(^^)ノシ」と言って締める。
ソヨンは収録時のことを思い出して悶える。
キム運転手まで笑うものだから、急ハンドルや
ブレーキとアクセルの踏み間違いを繰り返す。
「速報 テレビ局のロケバスが崖から転落
運転手を含む13人全員の死亡を確認 女優ソヨンさんらも犠牲に」…
そんなテロップと、崖下で大破・炎上しているバスの映像が
脳裏に浮かんだが、寸前で停車。九死に一生を得るとはこのことね。
ラジオ「ピッ、ピッ、ピッ、ピー、ポーン!」。夜の時報が鳴る。
さっきは「みんな見てぬぇ(^^)ノシ」にツッコミを入れる
余裕もなかったので、改めて「ノシってなぬー!?」と叫ぶ。
だが、この辺りは地形の関係で電波の届かない場所があるようで、
ラジオはしばらく沈黙。ソヨンはラジオを黙らせたと(?)勝利宣言したが、
次の瞬間強烈なストレート。
「なぬのこ のこのこ 元気な子
なぬぴー は なめくじ ぬいぐるみ(Hey!)」
と謎の商品CMソングが流れて、KO負け。
ソヨンはペットボトルの紅茶を飲んでいたが、思わず吹き出して咳き込む。
ソヨンと、必死に耐えている運転手以外の全員がまた大爆笑。
「ゴホ、ゲホ…新商品の宣伝かい!(^^;)」
これに「ぴーってなに!?」とツッコんだら、
今度は「ピー ピィ ピー♪」みたいな変な音楽が流れて来るのは確実だし、
運転手をこれ以上笑わせたら、今度こそ事故ると思ってやめた。
山奥のホテルだから、テレビは映らないと思っていたら、
超特大画面のテレビがロビーにドーンと鎮座。
モニター下のプレートには
「歴代最大級の画面サイズと、史上最高の画質を実感せよ(これまでに
当社が一般向けに製造・販売した全てのテレビモニターとの比較)
ドヤ顔モニター 製造及び寄贈者 大手家電メーカー(株)」
衛星放送を受信しており、極めて鮮明に映る。
サッカーの国際試合の生中継を流していたが、
ソヨンはロビーで息絶える(比喩)。
チーフが「このホテルにはレストラン、フードコート、展望ラウンジ、
居酒屋など、多数の飲食店がある。飲食は別料金なので、
各自で払うように。大浴場は…」などと説明を始めた。
並行してチケット=飲食店や売店で使える金券と割引券=を配布。
ソヨンは明日の出発予定時刻を含めて、全然聞いていない。
チケットも持ち前のドジっ子ぶりをフルに発揮。
夕食は対象外の店=フードコート=に行き、
朝は売店で何か買おう…の前に紛失してしまう。
チーフはADなどは格下の部屋でいい、と思っていたようだが、
このホテルは料金の安い部屋から予約が埋まりがち。
ドミトリー=山岳部やワンダーフォーゲル部が真っ先に押さえる。
幽霊が「出る」と噂のある部屋=心霊マニアが争奪戦を展開する。
バス、トイレがない部屋や地形の関係で外が見えない部屋
これらはすべて満室。全員シングルかツインの部屋になる。
ソヨンにはシングルルームが割り当てられた。
ここで話は2パターンに分岐し、14話で合流します。
12話 部屋で「究極のバラエティ番組」を見る
13話 ロビーで「究極のバラエティ番組」を見る
幽霊が出る噂のある部屋:
ホテル側は「当ホテルで自殺した人はいないし、
殺人・無理心中事件が起きた事実もない」とするが、
病死などの有無についてはノーコメント。
また、ホテルのできる前のことは誰にもわからない。
さかのぼれば合戦や行き倒れはいくらでもいるだろうし、
ここは北緯38度線よりも北に位置するため、
韓国動乱(朝鮮戦争)の死者の可能性もある。
「幽霊が出るかも」を売りにするのもどうかと思うが、
霊感の強い人が事情を知らずに宿泊して「出たー!」と
騒がれるよりはマシとの判断であろう。




