第4話 アリラン峠でD! B(AI併用)
男性陣の名前にはチョナンカン式を採用。
作者みたいに、イニD知らない人にはわかりゃしません。
-監督 ペク・ミョン(白明)名前は黒沢明氏から。ただし、顔や性格は似てません。
サングラスは見る角度によっては金色に見えるものを愛用。
プロレーサー ムンデ 漢字で書くと文太。菅原文太から拝借
同じく コン 漢字で書くと健。高倉健から(^^;)
「アリランスペシャル?若いやつらがやってるのは、ただのショートカット。
本当のアリランスペシャルとは1車線の道路で先行車を追い抜く技術だ。」
プロローグ:ソヨンの日常と運転手の掟
韓国で人気急上昇中の若手女優、キム・ソヨン。
彼女はバイクや車の運転免許は持っているものの、所属事務所から
「タレントは自分で車やバイクを運転するのは控えるように」と
厳しく言い渡されている。事故やイメージダウンのリスクを避けるためだ。
ソヨンはソウル出身とはいっても、中心部ではなく最近まで
「ここもソウル市内なの?」と言われたような場所で生まれ育っている。
※最近LRT建設が決まり、状況が激変している。
都心部での運転は苦手で、ほほっとしている。
普段の送迎は、事務所のベテラン運転手、通称「キムおじさん」が
担当していた。彼は60代の年配者で、ソヨンを娘のように可愛がり、
安全運転を徹底する頼れる存在だった。
悪天候のトラブルと送迎の交代
ある日、ソウルは小雨程度だったが、地域によっては台風並みの悪天候が
猛威を振るっていた。河川の氾濫や土砂崩れが発生し、都市間バスが運休。
撮影現場から帰れなくなった男優とそのマネージャーから、
事務所に「帰りの足がない」という連絡が入った。
事務所の運転手担当スタッフは、最近採用されたばかりの若い運転手、
チャン・ジフンに迎えに行くよう指示した。ジフンは20代半ばの新人で、
運転スキルはあったが、その地域の道に不慣れだった。
しかし、キムおじさんはそれを聞きつけて首を振った。
「あの辺りは慣れていないと危険だ。私が行くよ」と、
さっさと車を走らせて出発してしまった。
結果、ソヨンの送迎はジフンに回されることになった。
これが、「スタジオ誤認による送迎事故」を引き起こすきっかけとなった。
ジフンはソヨンを迎えに行き、スタジオに向かった。
このとき、彼はスタジオの駐車場内でイキリダッシュ(急発進)や
ドリフト走行を披露した。
派手な運転ぶりを、現場の「プロ」―つまり、ベテランのスタッフや監督―
が見逃すはずがなかった。
ジフンは事務所から軽く注意を受けたが、
この出来事は彼の運命を少しずつ変えていく。
意外な出演オファーと混乱の始まり
それからしばらく経ったある日。
ジフンは事務所のスタッフに翌日の行程表について質問した。
「明日のスケジュールですが、『事務所に出勤後、第2スタジオに直行。
そこで収録後、第1スタジオに移動し、テレビ局の用意する車に
乗り換えてロケ地のアリラン峠へ。ロケ終了後、第1スタジオに戻る。
事務所まで帰って業務終了』とありますが、【送迎するタレント等】の
欄が空白です。誰を送迎するんですか?」
スタッフはニヤリと笑って答えた。
「出演者はキミだよ、ジフン」。
「は?」 ジフンは絶句した。
運転手として採用されたはずが、いつの間にか俳優デビュー?
実は、駐車場での派手な運転を目撃した「プロ」たちが、
彼のドライビングテクニックに目をつけていた。
映画「頭文字A」(仮題)。撮影は始まっており、
主人公(走り屋)タクヘ役はミンジュと決まっていたが、
ライバル役が未定。登場人物紹介でも「未定」を回避するため
「詳細不明」の表現でごまかしていたが、
日程的にそろそろ主人公との競争シーンを撮影する必要がある。
まず、主人公と同年代の男性俳優に声をかけてみたが、
彼は「ドリフトはアニメやゲームの世界の話」と思っており、
狙ったタイミングでドリフト走行することは不可能では?とも。
ミンジュの運転するクルマに同乗させてみたが
「オレにはムリっす」で終わり。
走行中に「あれ?ドリフトってどうやるんだっけ?」と
なったら大事故なので初心者にさせるわけにはいかない。
クルマ専門のスタントマンにも打診してみたが、
カーチェイス、車をわざと横転させるなどは得意だが
イキリダッシュやドリフト走行は苦手だった。
監督「レースなら、ある車が首位を独走して1着、は当然ある。
が、映画でそれでは面白くない。能力が低い方に合わせて
ノロノロ運転させたのでは迫力がない。走り屋に声をかけてみるか…」
(車の急加速やドリフトの音)
「これだ!」
こうしてジフンが抜擢されたのである。
撮影当日:ソヨンとの再会とロケバス
当日は晴天。ソヨンはいつものキムおじさんの運転する車で
事務所を出発し、第2スタジオに到着した。
一方、ジフンは送迎用の車に一人で乗り、第2スタジオへ向かう。
収録後、第1スタジオに移動し、車を指定された場所に止める。
全員がテレビ局の用意したロケバスなどに乗り換え、
アリラン峠に向かった。座席は運悪く(?)ソヨンとジフンが前後の席に。
ソヨンはジフンを「前に送迎で失敗した新人運転手」と認識し、
軽く睨みを利かせたが、ジフンは彼女の美しさにドキドキしていた。
ロケバスの中で、ソヨンはジフンに話しかけた。
「あなた、前に駐車場でドリフトしてた人よね? 危ない運転しないでよ」
ジフンは赤面しながら謝罪したが、内心では「この人が共演者か……」と
興奮を抑えきれなかった。
アリラン峠の歴史とロケの舞台
アリラン峠は、韓国では有名な峠。かつて鉄道の「アリラン越え」は
蒸気機関車にとっては過酷な坂道で、特にミカ5(旧鮮鉄ミカコ)の
定期重連運転はここでしか見られない名物だった。時には後ろにもう1両
ミカ5かコン1(旧鮮鉄コンイ)を連結した変則3重連も見られた。
写真家や鉄道ファンにとっての聖地だったが、無煙化(ディーゼル化)後は
「韓国ではありふれた風景」とされて忘れ去られた。
電化や複線化を機に新線に切り替えられ、旧線は廃線。
KR(韓国鉄道)の路線としては消滅した。
しかし、レールはそのまま残されており、地元では何らかの計画が
噂されている。駅跡や踏切には
「危険! 列車が接近しても警報器等は作動しない。線路内通行禁止」
という看板が立てられ、バスやトラックを改造した車両が
線路を走っているという都市伝説もある。
道路の方も変化が激しい。今は高速道路と新道がメインで、
高速道路は長いトンネルで峠を抜けている。
旧道はヒルクライム(上り坂競争)やダウンヒル(下り坂競争)の
聖地として、走り屋たちに人気がある。過疎化と高齢化が進み、
住民は減ったが、ゼロではない。旧道は峠を越えて反対側の麓まで続くが、
新道は山頂付近の駐車場が終点。旧道が通れないと孤立する集落もある。
今回の映画撮影のため、テレビ局は特別に
旧道を時間限定で封鎖する許可を取った。
許可された時間に余裕がない(短縮は可能だが延長は不可)ため、
効率的に進める必要があった。峠を境に2つのコースに分け、
同時に撮影を進行する。ヒルクライム(上り)は助監督に任せ、
プロドライバーのムンデらが走りを披露。
ダウンヒル(下り)は監督が指揮し、主人公・タクヘ役の
男優パク・ミンジュとライバル・ソプ役のジフンが競走するシナリオだ。
ドライブイン・アリランコゲでの分かれ道
説明を聞いているうちに、一行は峠のサミットにある
ドライブイン・アリランコゲに到着した。
ここは伝説の「アリラン峠の茶屋」以来の歴史を持つ施設である。
何度も建て替えられているので、古さは感じさせない。
休憩コーナーには復元模型や、何十人年も前の写真などが飾られている。
皆で軽く休憩し、ヒルクライム班とダウンヒル班に分かれる。
エキストラには沿道の観戦者役なども含まれる。
いったんここに集合してから、各地に散っていく。
ダウンヒルのシナリオは、ミンジュの車とジフンが競走するもの。
原作では主人公が圧勝するが、脚本では「日時の変更や撮り直しはできない」
として、どちらが勝ってもそれで行くと明記されていた。
他に引き分け、アクシデントによる中止、当日撮影不可時はサーキット場
で収録するーなどの代替シナリオも用意されていた。
車がトレーラーから降ろされ、最終チェックが進む中、
監督が突然言い出した。
「当初の予定にはないけど、2人とも助手席に女性を同乗させるように」。
候補として、レース終了まで出番のない女優や手の空いている
スタッフの女性たちが並んだ。ジフンは当然のようにソヨンを指名した。
「しまった、主人公の友人役だった……」と後悔したが、
ミンジュは笑いながら
「『共通の友人』てことにしとけばいいだろ。
そいつ、車がサーキット場で猛スピードで走っている動画を見せただけで
キャーキャー騒ぐから面白いぜ。事故なんか起きないのにな。
ゴール前に助手席で気絶してるかもなっ!(イテッ)」とからかった。
ソヨンは怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にして、
平手打ちしようとしたが、ミンジュの後頭部…に届かず肩を叩いただけ。
スタッフらに「子猫のパンチ」みたいだと笑いものにされる。
ミンジュは気を取り直して、自分の助手席に選んだのは美人女優ではなく、
あまり見栄えのしないテレビ局のスタッフ女性。実は彼の実妹だった。
※映画本編では、このあたりの会話は撮り直し。
「助手席に女を同乗させる」は2人で事前に決めていたことになっている。
限定DVDには、特典映像2として収録。
過去のライバル発覚と本気の対決
ジフンはミンジュを「主役だからベテラン俳優だろう。
気安く話しかけられない」と勝手に思っていた。
一方、ミンジュも「この名前、まさかあいつか?
だが、人違いだったら失礼だ」と考えていた。
スタジオでのやり取りは第三者が間に入るか、
競争相手を探す架空のアプリに限られ、
直前まで顔を合わせる機会がなかった、というより「出来レースは困る」
という意向が働いたのか、直接2人が接触しないような配慮がされていた。
対面してようやく気づく!2人は走り屋時代のライバルだった!
記録は残っていないが、ほとんどのレースでミンジュが勝っていた。
スタート直前、ミンジュはジフンに念を押した。
「わざと負けたら許さないからな」。
ジフンも負けじと「オレもそのつもりだぜ」と返した。
エンジンがかかると、ジフンの闘争心に火が付いた。
監督の期待通り、抜きつ、抜かれつの攻防が続く。
ジフンは慣性ドリフトや「アリランスペシャル」(インコースのさらにイン、
空中を飛ぶようなライン)などのテクニックを披露するも、
確実にラインを支配することを旨とするミンジュに隙を突かれて
最終コーナーで抜かれ、僅差で負けた(シナリオ1:主人公の勝ち)。
帰りはこのルートを戻るのか?と思ったが、スタッフに
「もう1組来る。正面衝突の危険があるので、ヒルクライムコースで帰って」
と指示される。映画では順番が逆になっているが、
こちらはコギョ兄弟の対決である。
エピローグ:ソヨンの悲鳴が印象に残る作品
映画のタイトルは アリラン峠でD! ~走り屋の伝説~ に決定した。
この映画を見た観客には、ソヨンの助手席からの悲鳴が強く印象に残る。
「キャー、ぶつかるー!」
謎の声:アクセル全開! 土人を右に!
「まだ死にたくないー!」などの叫びが、心の底からのものだったからだ。
ソヨンは演技じゃないよ、心の叫びだもん(^^;)とコメント。
こうして、ソヨンのドタバタ劇は、予想外のレースと友情(?)で
幕を閉じた。ジフンはこの経験を機に、運転手から本格的な俳優へ転身。
ミンジュとのライバル関係は、スクリーン上で永遠に続くことになった。
作者:サーキット場で時々バトルしているようですが、
基本的にその場にソヨンはいないので、ここには書きません。
ソヨン:レースクイーン、じゃなかったMFGエンジェルの
コスプレさせられた!なんで下は白いパンツなの!(^O^)激おこ
おまけ
これは本編にも収録されています…
競争前にミンジュ、ジフンそれぞれからインタビュー形式で話を聞く場面が
あるのだが、この時点では相手の正体を知らないだけに、特に
ダウンヒルについては「オレが負けるわけがない」など言いたい放題。
映画公開後にツッコミ合戦になったことは言うまでもない。
蒸気機関車・ミカ5(ミカド=2-8-2=の5番目)は
韓国最強の蒸気機関車という設定ですが、架空形式です。
また、コンソリデ―ション(2-8-0)をコンとは呼ばないので、これも架空形式。
特典映像1
スタッフ「ストップ、ストップ!(汗)」
プロレーサー2人は「好きなタイミングで車を発進させてよい」と勘違いしていたようで
撮影等の準備が整っていないのにGO! さいわい、人や機材と接触する事故は起きず。




