わるいへび、にょろろの物語
めすへびのにょろろは囁く。
悪いことを囁いて、たくさんの人たちを惑わして生きていく。
にょろろは、そんな真っ黒なへびだった。
でも、知らない間に体が真っ白になっていた。
へびのにょろろは、変化の理由が分からない。
色々考えていたけど、何も分からない。
だけど、にょろろが何かが変わってしまったのは事実だった。
白くなってから、悪いことを囁けなくなった。
人を惑わせなくなった。
人の悲しい思いや、辛い思いが気になった。
どうしてそうなったのか分からないけれど、にょろろはすぐにどうでも良くなった。
にょろろは囁くことをやめて、人と一緒に生きることを選んだ。
たまに人を助けて、人を喜ばせたり、嬉しくさせたりしながら生きることを選んだ。
そうしているうちに、にょろろは子供を産んで、ははへびになった。
ちいさな子供の面倒を見るようになった、にょろろは、自分が白くなった理由を悟った。
無条件に愛せる命が宿った事で、自分だけ命とへび生でなくなったから、自分は変わったのだと。
へびのにょろろは、子供と人と一緒に生きていく。
それから先は、もう一度も色が黒くなったりはしなかった。