こっそりと彼女が言う
木の根本に僕の彼女が座っていた。
その木は、大きな大きな赤い実をたくさんつけていた。
僕の彼女は、ゆっくりと立ち上がると一つの赤い実を指差した。
そして、こっちを見みた。
ほして、にっこりと微笑んでいた。
そんな優しそうな笑みを見ると、僕の心は何故か暖かさを感じた。
僕は彼女の元へ駆け寄ろうとした。
駆け寄ろうとすると、彼女がどんどんと離れていった。
離れていくというよりも、彼女と僕の空間が遠くなっていく、そんな感じがした。
彼女は、とても優しい笑みを浮かべていた。
ぼくは、ぼくは....
「待って」
と、声をかけようとしたが、どんどん離れていってしまった。
彼女は、優しい笑みを浮かべていた。
そして、口元で何かを伝えようとしていた。
その瞬間、僕は、歪んだ空間に落ちていくような観覚に陥っていた。