29話
朝起きると昨日の疲れが嘘みたいに無くなっていた。
グリー「本当にちゃんと言えばご飯をその人用に作ってくれるんだな…助かる」
戦闘服を着て制服を詰める。
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ハオリ「あら、治ったみたいね」
グリー「君のおかげで夜ご飯に間に合ったからね。無事復活したよ」
ハオリ「それじゃ遠慮なくできるね」
グリー「どうぞ」
コクロー「それではハオリ対グリー5点がけ勝負始め」
ハオリはボクシングスタイル。
それに蹴りが混ざってくる。ヴェルよりやり難い。
拳を避ける先には蹴りがあり、蹴りを避ける先には拳がある。
捌き切るにはなかなか難しい。振りが大きいものは避け、捌ききれない攻撃は甘んじで受け入れる。急所に
は入らないように捌く。
ハオリ「なかなか上手くいきませんね」
グリー「そんな上手くいかれちゃ困るんだけどね」
ハオリ「呼吸を乱さず5分間捌かれるとは思わなかったです」
コクロー「戦闘終了、引き分けにより点数移動なし。それでは握手を」
ハオリ「今度は本気でやってもらうから」
グリー「なんのことかな?」
ハオリ「ふん」腕を組んで歩いていく。
グリー「コクロー先生、今日も特別授業はしてもらえないですか?」
コクロー「もう少し体を鍛えてから来てください。一週間に一回です」
グリー「わかりました…」
コクロー「あなたは手加減などをしている余裕がないように思えるのですが」
そういい、先生は教室へ向かう。
先生が放った言葉が心に突き刺さった。
グリー「あれで手加減に思われるのか…割と頑張ってたんだけどな」
無意識に手加減をしていたみたいだ。
自分では気づかないうちに…女性だからだったのだろうか。
グリー「甘さは捨てなきゃ…カドウ先輩にも勝てない」
更衣室で戦闘服を脱ぎ、制服に着替える。
教室に戻り、授業を受ける。
コクロー先生の授業は至ってわかりやすい。
面白いことを言っているわけではないのに、どんどん身に染みていっている様に感じる。
あっという間に1日が終わってしまった。




