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少しの違和感と稽古

「とりあえずクエスト受けてみるか...明日は稽古だから簡単なのを選ぼう」

俺は冒険者組合から出て、街にあるクエスト掲示板を眺めた。

「うーん...どれがいいんだろう。報酬目当てか...難易度か...」

片方はここの近くにある森の調査。難易度は簡単だが報酬が安い。もう片方ダンジョンの探索。難易度は難しいかわりに報酬が高い。

「どっちを選ぼう...金か...難易度か...決めた!」

「すいません、このクエストを受けさせてください!」

「はい、かしこまりました。それでは手続きを行いますね」

クエストを受ける際、本部からの許可が必要なのだ。

「はい、手続きが完了しました。静寂の森の行き方はご存知ですか?」

「はい、知ってますよ」

「それでは今回は森の調査ということで森の安全を確認して来てください。もしモンスターがいたら討伐をお願いします。その場合は追加で報酬をお支払い致します」

「わかりました」

「それではご武運を...」

「...フゥ〜緊張する~...初めてのクエストだからドキドキしてやばいや」

俺は街の橋を渡ったあと西の方向に進み森を目指した。

「にしても久しぶりにこの辺に来たなぁ...いつぶりだろ。確か...」

「ギィアアアアアアアアアス!!!!」

突然目の前からゴブリンが現れた。手には石で作られた剣を持っている。

「出てきたなゴブリン!覚悟しやがれ!」

「ギャォズ!」

俺は剣でゴブリンを切りつけた。

「意外と簡単に倒せるんだな。やっぱ俺のこの剣のおかげかな~なんせ特性の魔法剣だからね。おっと、戦利品を忘れずに...」

そして俺は森に着いた。やけに静かだ。

「この森ってこんなに静かだっけ...不気味だなこりゃ」

俺はそのまま森の奥地へ足を踏み入れる。

「なんかこんなマークもなかったしな。ほんと何があったんだろ」

木に掘られてる十字架のマークに気を取られつつ更に奥に進んだ。ある程度探索した後、違和感に気づいた。

「やっぱ変だ。いつもならここには色んな花が咲いていて...そして動物がいるはずだ。なのに...」

目の前には荒地が拡がっていた。自然災害で無くなったとは思えないぐらい荒れていた。

「とりあえず調査は...このくらいでいいか...」

俺は森から逃げるようにして街へ帰った。

「なんかあの森...変わったな...今までには無い不気味な感じがあった...」

俺は冒険者組合に今回のことを報告し、報酬を貰った。

「これが報酬の200ツールです」

「ありがとうございます」

人生初の報酬をもらった。低いものの自分で稼いだため、達成感がある。

「さて...家に帰るか」

俺は家に帰った。

「ただいまぁー」

「遅かったわね。何かあったの?」

「クエスト受けてた」

「へ?...んで...もしかして...成功したの...?」

「うん」

「だーーーーりーーーーーーーーーん!」

「な、何事だマイハニぃぃい!」

「アルガドがね...クエスト成功したの!」

「なんだってええええええ?!?!?!」

「赤飯炊きましょ赤飯!!!」

なんかすごいことになった。クエストをクリアしただけでこんなにもカオスになるとは思わなかった。

「アルガドはお風呂に入ってて!ちょっと準備してるから!」

「あ、うん」

母の言うことに従って俺は風呂に入った。

「...にしてもあの十字架...どこかで見た気がする...どこだっけ...」

以前どこかであの十字架のマークを見た気がしたのだ。

「うーん...まぁ...いっか」

「アルガドー!そろそろお風呂上がりなさーい!準備が出来たわよー!」

「今行くー!」

俺は急いで風呂をあがった。

「...?!?!」

俺は目を疑った。目の前には俺の好きな物が並べられていたのだ。

「驚いた?まさか目の前にアルガドの好きなドリア以外にもティラミスが置いてあるなんて」

「...生きていてよかった.....」

「どうしましょこの子嬉しすぎて悟り開いているわ」

「とりあえずドリア口の中に入れたら正気に戻ろうだろう」

空いた口にドリアが入ってきた。

「.........!!!」

「デリシャァァァァァァァス!!!!」

興奮のあまり我を忘れそうになった。

「おっと、危ない。勢いで素手で食べてしまうところだった...ちゃんとスプーンをもって...いただきます...」

改めて口の中にドリアを運んだ。やはり美味い。カレーの辛さを抑えてくれるホワイトソースとチーズのハーモニーがなんとも言えない。

「幸せ...」

「満足そうで何よりよ」

俺はこの幸せな食事時間を楽しんだ。

「それじゃあ明日から稽古あるから早めに寝るね。おやすみ」

「はいおやすみーーーん!!!」

やけにテンションが高いなこの夫婦。

「とうとう明日から...か。なんだか怖いな」

少しの楽しみと不安を持って眠った。

翌日

「そろそろ来るはずじゃが...」

「おまたせしました!」

稽古の時間だ。

「それじゃあ今回の稽古は...基礎トレーニングじゃの」

「基礎トレ...何をするんですか?」

「まずは筋トレをするんじゃ。腕の筋肉と足腰の筋肉が必要じゃから腕立てとスクワット50回で許してやろう」

俺はシグルズに正しいフォームを教わり50回する。

「そういえばシグルズさん...」

「どうしたんじゃアルガド」

「昨日、静寂の森に行ったら謎の違和感と変な十字架のマークがあったんです。何か知りませんか?」

「うーむ...十字架か...2つほど候補があるが...」

「一体なんなんですか?」

「ひとつは神秘樹といっての、その十字架のような割れ目に触れると一気に疲れがなくなり傷が癒える素晴らしいものじゃ。」

「なるほど、もうひとつは?」

「...感情の奴ら...かの」

「...?」

「あぁ...今のは気にせんでくれ!多分神秘樹じゃろ!」

一瞬シグルズの表情が曇って見えた。

「お、50回ずつ終えたかアルガド。さすが若者。早いのぉ」

「次は何をするんです?」

「次は体術訓練じゃ」

「なんでまた...」

剣士セイバーは剣がないと基本戦えない。だがその弱点を補うためにある程度体術が使えるようにするんじゃよ」

「なるほど...んでどの体術をするんですか?」

「それは簡単じゃ...ちょっと見せてやるからの...」

そう言ってシグルズは地面からスケルトンを召喚サペスした。

「ふんっ!!」

シグルズがスケルトンの顔面を思いっきり殴った。

素手喧嘩すてごろじゃよ...」

「えぇ...」

この人、意外とぶっ飛んでてやばいかもしれない。

読んでいただいてありがとうございますm(_ _)m

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