始まり
ここは様々な冒険者が住む都市、アトゥリエロ
この都市には冒険者になるには最高の設備が整っている。鍛冶屋、道具屋、酒場、冒険者組合など全て揃っているのだ。
かつてこの都市では自分の武具を自作で作りSランクとなった剣士がいた。名をグランツェロという。
グランツェロの作る武具はどの鍛冶屋のものよりも優れていたらしい。
そして彼に憧れて冒険者を目指すものがいる。名前はアルガドという少年だ。
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「...それではアルガド様、名前が呼ばれるまで待合室で待っていてくださいね。」
アルガドは冒険者組合の受付を済ませた
「ふぅ~緊張する~...」
今日は待ちに待った職業診断の日だ。
簡単に言うとどの職業で冒険者として登録する日なのだ。
年齢制限ももちろんある。16歳からだ。今日16になるので診断を受けに来た。
「出来ればグランツェロ様みたいな...剣士として冒険したいな~...」
待合室には俺以外にも職業診断で来ている人が沢山居た。ざっと50人だろうか。ここの待合室で待っている人は全員筆記試験で合格した人達だ。自分も例外じゃない。
「俺はこの日のためだけに生きてきたようなものだからな。そして...」
俺は鞘に収めてある剣を見た。
「この日のために自分で剣を作ったからな...診断の時に使いたいし。」
そして、俺の番が来た。
「アルガド様、第3試験場まで来てください。」
アナウンスが流れた。
「よっしゃ、行くか!」
思いっきり伸びたあと立ち上がり、自分は試験場へ向かった。
「アルガド様、今回の職業診断は魔力測定、体術測定、剣技測定の3つを行います。そしてその点数の値から最も適しているであろう職業を決めます。心の用意はよろしいですか?」
俺はコクンと頷くと受付の人は
「それでは、職業診断を始めます」
といい、去っていった。
少ししてアナウンスが鳴った。
「今から、魔力測定を始めます。診断者は魔力水晶に手を当ててください。」
俺は水晶に手を当てた。
「53点」
水晶にはそう表示された。
53点は大体全体の60%が取れる点数だ。
「まあまあだな。」
次は体術測定が行われた。
「今から大量に召喚されるモンスターを素手で倒せるまで倒してください。」
そうアナウンスされると地面に魔法陣が描かれ、ゾンビが現れた。格闘家や傭兵を目指している人は100体以上倒さないと行けないが剣士の場合は40体程でいいらしい。
アナウンスがまた鳴った
「記録、45体」
「まぁ、こんなもんかな。」
そしてとうとう剣技測定が行われた。
「今から大量に召喚されるスケルトンナイトを倒せるまで倒してください。」
そして地面から大量のスケルトンナイトが現れた。
「最初っから本気でいくぜぇぇぇえ!」
俺は鞘に収めてある剣を取り出した。
「やっぱり自分で作った剣はとても扱いやすい!切れ味は...悪いが診断には丁度いい」
「ガァァァァァァァァッッッッッ!!!」
スケルトンナイトが背後から襲ってきた。
「なんだお前!変質者か?!」
そう言って俺は背後のスケルトンナイトを振りほどき剣の持ち方を変え、構えた。
「喰らえっ!妙技・死者滅殺!!」
そうは言ってもただ剣にオーラを纏い振っただけだ。だが、診断用のモンスターであるため、あっさり倒せた。
「へへっ!ざまぁみろ変態め!」
そして10分ほどたった頃、剣技測定は終わった。
「お疲れ様でした、アルガド様。」
俺は待合室へ戻った。
「改めてお疲れ様でした。診断結果は後日、郵便鳩がアルガド様の家に診断書を持って、やってきます。」
「わかりました、本日はありがとうございました。」
俺はそう言って家へ帰った。
「ただいま~」
「おかえりアルガドー診断はどうだった?」
「まぁ、普通かな。」
「あら、そうなの?アルガド位のレベルなら上位に行けるとおもうわよ?」
母はそう言ってリビングへ戻った。俺も荷物を部屋に置き、リビングへ行った。
「そういえばお父さんはまだ帰ってきてないの?」
「まだお父さんは家の隣の鍛冶場だと思うわよ?」
「後でお父さんに鍛冶場に行くねって伝えといて」
「分かったよー」
母はそう気さくな返事をして、食事に使う肉の下処理をしていた。
母の職業は治癒士だ。元Bランクで相当凄かったらしい。だが父と結婚してからはその面影もなく父親とイチャついている。いわゆるバカップルって奴だ
「ただいまぁー」
「ダァァァァァァァァリイイイイイイン!!!」
父が帰ってきた。
「お母さん。もうちょっと声を小さくして...」
俺は耳を塞いでそういった。
「どうしたんだいマイハニぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?」
父は母より大きな声で答えた。
「アルガドがね!職業診断受けたらしいの!だからお祝いにあなたの好きなローストビーフを作っているわ!」
なぜ俺の好物じゃないのかと言いたくなるがローストビーフは好きだ。目を瞑ろう。
「お父さん。後で鍛冶場借りるよ。」
父は都市の鍛治職人として働いている職人だ。剣についての知識は大体父から教わっている。
「ダメだ、アルガド。明日にしてくれ」
「どうして?」
「だって...」
「だって...?」
「鍛冶場に行ってしまうとマイハニーが悲しむからさっ☆」
なんだこいつ
「わ、分かったよ。それじゃあ明日借りるね」
「それならいいぞ」
「ありがとう」
そして父とリビングに行った。
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