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0.いつか来るイベント戦闘~ゲームデモ画面~

初投稿です。

5話投稿までに5000PVいかなかったら、エタって次の企画を考えるという縛り創作です。

達成したら時間がかかっても絶対完結させます。応援よろしくお願いいたします!

「ラトウェイ――ラトウェイだと! このアスドリアからの、ラトウェイ! 片腹痛いわ!」


 あーうん。まあその字面、確かに片腹痛いよね。


「貴様がファドゥルだというのなら、証明して見せよ」


 いや俺はファドゥルではなくてケンジだけどね。

 ついでに言えば絶賛棺桶の中に入っていて、容赦なく味方に引きずられているけどもね。


「この魔王ダイゴが、イレヌンデデッブを統べるものとなるのだ!」


 ダイゴかあ……ダイゴならあれだな、殺っちゃっていいかな☆


「魔王ダイゴ――恐ろしい圧ですわね。わたくしの巨乳への視線がセクハラじみて嫌ですわ」


 ラミアが神官杖をブンブン振り回しながら好戦的な笑みを浮かべる。いやお前ヒーラーだからさ。そんな武闘派ポジションで前衛に出るなよ。あと、乳をガン見する魔王とか嫌だわ。


「ふっ。このオレの紅邪龍クリムゾンケイオス暗黒魔痕デモニックスティグマとヤツの魔力。世界が嘆きの果てに破滅してしまうかもしれんな。ここで一句。『ああようぢょ とってもようぢょ さあようぢょ』」


 クーゲルは相変わらず香ばしいのね。あと仮にも勇者ご一行なんだから破滅させちゃダメだろ。ロリコンは滅べ。


「やーだー! 魔王やーだー! なんでこんなとこにひょっこりくんのよー! かえるー!」


 ネルは頭を抱えて俺が安置されている棺桶の後ろに隠れている。まあこれはいつも通り。でも死人を盾にするってナチュラルにゲスくね? 死体ならこれ以上死なないだろ的な。


 ――やれやれ。イベント戦とはいえ、本当に我が勇者ご一行は平常運転だなあ。


『ほいじゃま、とりあえず適当にやっちまえ皆の衆。あの魔王ダイゴってヤツはな、マジのクソヤリチン野郎だから。NTR魔王で、全俺の敵だから。一切合切容赦しなくていい』


 俺は棺桶の中で不敵な笑みを浮かべた。まあ誰にも見えないけど。


「ほう、我に歯向かうか……」

『そうだな。このクソゲーも、せいぜい供養してやるよ。この世界流に言うなら――』


 三秒悩んだ。ちょっと恥ずかしくて。


『このイレヌンデデッブのファドゥルが――アスドリアからラトウェイしてやるぜ!』


 自分でも何言ってるかわからんけど。噛まなかったのが割と奇跡レベルだけど。


「フハハハそれでこそよ、棺桶勇者マッケンジー!」


 ケンジだよ。有馬ありま賢次けんじ。どいつもこいつも勝手に省略すんな。それから棺桶勇者って言うな。あまりにも恥ずかしい。


『さあ、俺達の戦いはこれからだ!』


 魔王に立ち向かっていく勇者ご一行。その背中に漂うヤケクソ感たるや、威風堂々たるクソゲーの香り――



 なあ、風花ふうか、元気にしてるか?

 俺はまあ割と、元気にしてるよ。


 この――――俺達が作った、異世界ツクールのゲームの中で。


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