出会い系アプリでマッチングした彼女は俺の嫌いなあいつだった
放課後に友達と日が暮れるまで馬鹿やったり、休日には彼女と水族館でデートしたり、クリスマスには渋谷のイルミネーションを見に行ったり、そんな青春を全部投げ出して受験勉強に全てを捧げた俺の高校時代。夜な夜な泣きそうになりながらも鉛筆を握りしめ、机に向かい合っていた。結果として第一志望に合格し、晴れて俺も輝かしい大学デビューを果たせる──そう思っていたのは3月までの短い間だった・・・・・・。
入学初日には、ガイダンスで前後ろの女子と運命的な出会いをする妄想を膨らませていたが虚しくも前後両方とも男子学生。
新歓ではサークル勧誘のビラを配っている綺麗な先輩からビラを受け取り運命的な出会いをする妄想を膨らませていたがそもそも話しかけられる事すらなく、あったとしてもラグビーサークルの屈強な男性陣に声をかけられたくらい。
大学での出会いを諦めた俺はコンビニでのバイトを始め、同僚との運命的な出会いを期待したが・・・・・・いざ出勤するとパートのおばちゃんばかりで学生すら居なかった。
そんな俺がヤケになって手を出したのが一部のネット界隈で人気になっていたマッチングアプリの『holder』である。これは軽い気持ちで出会い系アプリを始めた俺の甘く切ない恋物語──になると期待したい。