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1話 お母様に伝えたい!


 女の子がお母様とか友達とか、とにかく色々な女性に甘やかして貰うために頑張る作品です。


 投稿頻度はかなり不定期ではありますが、頑張っていきたいと思います。



 それはとある日のお昼前、私がお世話係のルナに膝枕してもらっている時のこと。


「今日もヒトミちゃんは勉強出来て偉いね〜、よ〜しよし」


 やっぱり勉強の後は膝枕と頭なでなでで、勉強したことを頭に定着させるのが1番!

 ほら、ルナの手から暖かさから伝わって、私の頭の中に暖かさと一緒に勉強したことが頭の中に伝わってくるもん。


「ルナ好きー!もっと撫でてー!」

「うん、いくらでも撫でちゃう、よ〜しよしよしよ〜し」

「えへへぇ」


 私がおねだりするとルナも嬉しそうに応えてくれて、世界中の何よりもこれ以上のウィンウィンの関係は存在しないって言い切れちゃう。

 だって私は撫でられるのが好き、ルナは撫でるのが好き。


 ねー?


「やっぱりヒトミちゃんはいつも元気いっぱいで可愛くて、連れてっちゃいたい!」

「えぇー、そんなこと言っても私はお母様の子供だよぉ」

「う〜ん、奥様は厳しい方ですからね〜、それ言われると困っちゃう」


 ちなみに、残念そうに話しているおっぱいが大きくて髪が長くて体があったかいお姉ちゃんは、私のお世話係のルナ。

 17歳のお姉ちゃんで、私が2歳の頃からずっと住み込みで、お世話係として甘やかしてくれる優しいお姉ちゃんだよ。


 えっ?

 誰に話しかけてるのって?


 それはもう、みんなにだよ。

 そうは言っても、本当にみんながいるのかは分からないよ?


 あのね、前に読んだ本に、読んでる人に話しかける女の子がいてね、それって私達のことに気付いてるみたいでかっこよくない!?

 って思って、私も真似してるんだ。


 そんな、もしかしたら読んでくれてるかもしれない人に自己紹介するね。


 私はヒトミ、人に甘えることが好きな10歳の女の子!

 何か転生者っていうのみたいで、誰かに甘やかされると強くなる加護を女神様に貰ったんだー。

 加護の名前は「慈愛神授」って言うんだって、難しいよね。


 だから今こうやって休憩で甘やかされてるのも、実は特訓なのです!

 お母様が部屋に入ってきたとしても、休憩中だし特訓中だから勉強しなさいって言われなくていいんだよ、すごいでしょ。


「お楽しみ中の所みたいだけれど、少しいい?」


 そう、こんな風に!


「いいよー!」


 私が膝枕のままで返事しても、もう怒られません。

 なぜなら特訓中だから!


 またまたちなみに、今、私の部屋に入ってきたお母様はとても厳しいんだよ。

 私はお母様のことが好きだけど、お母様はずっと私のことを甘やかしてくれなくて、私のことが嫌いなのかもしれないんだ。


「ヒトミは10歳になってそろそろ新年度になるわね?」

「なる!」

「私達のような貴族や裕福な家系は、学園で勉学を励む必要がある、そうね?」

「うーん、知らなーい」


 そんなの知らないないもんねー。

 私だってルナと一緒に勉強してるんだから、学園なんて行く必要ないよ、そうだそうだー!


「知らなくても関係ないわ。ヒトミも姉のクロエのように学園に通うのよ、来月から」

「来月!?そんなの聞いてないー!」

「ヒトミ、はしたないから腕をバタバタさせるのはやめなさい」

「うぅ」


 お母様は本当に厳しくて、あの細い目が本当に怖いんだよ。

 もうちょっと優しい目で見てほしいのに…


「それに言っておくと、あなた魔法科の特待生に指名されてるから、何があっても絶対に行ってもらうわ」

「そんなよくわかんないの嬉しくない!絶対に行かないー!」

「断ったらウォーターズ家に泥を塗ることになるわ。それに、妹の貴方が学園に入らなかったらクロエも恥をかくことになるのよ?」

「うっ、ぐぬぬ…」


 クロエお姉様が恥ずかしい思いをするのはイヤ。

 でもでも…


「あの、学園ってお姉様みたいに寮に住むんだよね?」

「えぇ、もちろん。ここから通うとなると、朝の4時には起きないと間に合わないもの」

「ぐぬぬぬぬ…」


 4時なんて起きれる訳ないよ…


 でも寮に住むってことは、ルナと離れ離れになっちゃうもん。

 それだけは絶対にイヤ!


「どうしてお母様は私のお願いを聞いてくれないのに、お母様は私に色々言うの?」

「貴方を思って言ってるのよ?ヒトミは放っておいたらダメ人間になるわ」

「そんなことないもんね?」

「う〜ん、どうでしょう…?」


 ルナに目を背けられた!


 ルナまで私のことそう思ってるんだ…

 言われてみれば、そうかもしれないけど…


「じゃあ!何で私のお願いは聞いてくれないの?」

「私は忙しいからよ」

「ずーっとそう言ってるけど、そんなにずーっと忙しいの?」

「えぇ、忙しいわ」


 そう、お母様ってイジワルなの。

 平気そうな顔であんなこと言うんだよ?


 確かにお母様はずっとお部屋でお仕事してるの。

 私も大変なのかなーって思ってるけど、でもメイドさんがお母様のお部屋にお茶菓子と紅茶を毎日、お昼の後の4時間後に持っていってるの。


 それって絶対おやつ休憩でしょ?

 そう思ったから一緒におやつ食べたいって部屋をノックしたら、紅茶を資料の上に溢すかもしれないからって部屋に入れてくれなかったの。


 「それならお庭で食べようよ!」


 私は部屋の前でそう言ったよ?

 言ったらなんて返ってきたと思う?


 「そんなに時間はないの、ごめんなさいね」


 じゃあなんでおやつ休憩してるの!


 その時は諦めたけど、今思えば少し気持ちがムッとしてきたかも。

 学園に行きなさいって急に言われて、娘の怒り度はちょっとぷんぷんだよ?


「とりあえず要件は伝えたわ。ルナも、それに向けて準備なさい」

「かしこまりました」


 ルナが返事したら、お母様は部屋を出ていっちゃった。


 私との話が終わってないよ!

 娘ぷんぷんだよ!


「もー!」

「あらヒトミちゃん、お胸に甘えたくなっちゃったの?」


 ぷんぷんの気持ちをどっかに行かせるために、ルナに抱きついておっぱいに顔を埋めてみる。

 ルナのおっぱいは柔らかくて楽しいけど、それでも怒りはどこにもいなくなってくれない。


「よ〜しよし、ヒトミちゃんはいい子ですから、学園でも頑張ろうね〜」

「頑張れないー!」

「そんなこと言わないで、ね?」

「むぅー…」


 ルナにゆっくりと撫でてくれる。

 ルナのおっぱいと手のサンドイッチに少しずつ気持ちがゆったりしてきて、ちょっとずつ怒りがなくなっていく。


 それでも、私はただお母様に言われた通りに寮に住んで学園に行くようないい子ではないの!

 お昼は毎日お母様と一緒に食べるから、その時どうにか寮に住まなくていい方法を見つけてやるんだから!


 そして何より、お母様に甘やかされてやるんだから!

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