表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

MONOCHROME

作者: 朝馬手紙。

核爆弾が全部爆発して

世界から色が消えたって

私は何も困らない

だって私の好きなモノは色がないから


私の好きな音楽は目に見えない

何か変わるわけじゃないけど

そっと囁くように歌うの

君にだけ聞こえるように小さな声で

愛していると唇が震える

星が瞬く夜…



命あるもの全て病に罹って

世界の色が見えなくなったって

私は多分慌てない

だって私の大切なものは色がないから


私の好きな小説は白と黒の二色

丸ごと暗記は出来ないけど

息を吐くように語りだすよ

君にだけ聞こえるようにか細い声で

アイラブユーと唇が揺れている

月が鈍く光る…



私の好きな人がいなくなっても

悲しいけど恐らく忘れられないと思う

色のない、モノクロの文字でつづられた

君の名前を、指でなぞって

そして泣きながら微笑むの

消えてしまわないように、優しく、優しく、ね

丁寧に包装した愛は溜まっていくばかり…




あぁ

そんな私の妄想は終わりを告げる

杖で歩く、よぼよぼのおばあちゃんですよ

二人で過ごした日々があまりに色彩に恵まれすぎていた

骨になって、灰になって、風に飛ばされていった

墓石もなんとなくぼやけているみたいです

私も、もうすぐモノクロになる

そしたら、また、あなたと、旅行がしたい

「いいね、そうしよう」と声が聞こえた気がした

叶うといいな

モノクロームの約束


二人の約束…



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ