第8話 ルミア
集落の北側のエリアにおそらくオークキングの住居だろうと思われる一際大きな建物の中に女性は1人残されてた。
最悪の事態を考えながら建物の中に入った。壁際に裸で座ってる女性を見つけた。
「大丈夫か? 助けに来たぞ!」
「イヤーーーー!来ないで…」
どうやら、混乱しているようだ。泣きながら叫んでる。
「オークは倒した。もう大丈夫。安心しろ!」
俺は安心させるように優しく言いながら、ゆっくり近づいた。
女性は俺に気づくと、抱きついてきた…
「うぇぇぇぇん!怖かったよ」
女性は暫く、俺の胸で泣いた。俺は優しく抱きしめながら落ち着くまで頭を撫でた。
5分くらいで泣き止んだ。
「助けてくれてありがとうございます。」
「取り敢えず、これでも着てくれるか?」
俺はアイテムボックスから、自分の服を渡した。
「キャッ…見苦しいものを………すみません」
「いやいや…まったく見苦しくないよ。俺も目のやりどころに困るから、
俺ので大きいかもしれないけど、我慢して着てくれ。俺は後ろを向いているから」
俺は、女性が着替えるのを待た。
彼女の名前はルミア。21歳。奴隷。
黒髪で肩下くらいの長さで身長160くらい。胸がEカップくらいの巨乳さん。
ルミアは、まだ、ふらふらしていたので、背負ってイルムの街に戻った。
疲れたみたいで、すぐ寝てしまった。
俺は門を抜けて、そのままギルドに向い、扉を開けて受付にいるケーナの所に行った。
「お帰りなさい。ユウトくん………そちらの方はどうしたんですか?」
「実は、西の森の奥の方で、オークの集落を発見したんですよ。辺りを見回してると彼女が連れて行かれるのを見て、助けて来たんです。」
「えっ...エーーーー!それでオークの集落は? 彼女は大丈夫ですか?
ちょっ…ちょっと待ってください。ギルドマスターに報告して来ますから。」
と言って、ケーナは慌てて2階に上がっていった。
ルミアが起きてイルムの街のギルドにいると説明をしていると、
ケーナが戻って来て、ギルドマスターが呼んでいると2階に連れて行かれた。
ドアをノックして
「ユウトくん達を連れて来ました。」
「入れ!」
俺たち3人でギルドマスターの部屋に入った。
「イルムの街のギルドマスターをしている、オズワルドだ。
「Dランク冒険者のユウトだ。」
「ルミアともうします。」
「まず、座りたまえ。」
軽く挨拶をして、イスに座りケーナが紅茶を入れるのを待ってから話しかけてきた。
「それでオークの集落を発見したと報告を受けたのだが?」
最初にルミアが話した。
商人と護衛を連れて、5人で王都に向かう途中に西の森付近でオークに襲われ、
抵抗したがルミア以外が殺された。ルミアは気絶したままオークの集落に連れて行かれ
建物の中で裸にされて、襲われそうになった時、外から爆発音が聞こえて、オーク達はルミアを置いて外に出て行ったという事だった。
次に俺が説明をした。
西の森に入って、モンスターを倒していると、大猪と戦い森の奥に入った。そこにオークの集落を発見したのだが、ルミアが連れられてるのを見つけ、街に戻る時間がないので、助けに向かった事。
オーク20体、オークジェネラル2体、オークキング。すべて倒して持って帰ってきたと説明した。
「オークキングの討伐ありがとう。街に被害が出なくて良かった。本来、集落を発見した場合は、高ランク冒険者を集めて倒すんだか、オークの集落を1人で倒す人なんかいないんだけどね。君は確かランクDと聞いてたが、これだけの実力があるのだから今回は特例でランクAにする。それと報奨金もいくらか出そう。ギルドでも有望な冒険者は貴重だしな!」
「ギルドで最速のAランク冒険者です。ユウトくん凄い。」
ケーナは喜んでた。
いきなり3ランクアップ ‼︎
これだけ派手にやれば当たり前か…
俺は気になってる事を聞いてみた。
「これから彼女は、どうなるんですか?」
「それはね、主人が死んでしまい、君が助けたから彼女は君の奴隷になるんだよ。」
こう言う場合は、助けた人が新しい主人になるんだと…
彼女を売っても良いし、そのまま主人になっても、好きにして良いそうだ。
いままで黙っていたルミアが話しかけてきた
「ユウト様。いえ…ご主人様。この度は助けて頂きありがとうございます。助けて頂いたこの命、ご主人様に尽くしたいのです。どうか私をお側に置いて下さいお願いします。」
「わかった。こちらこそよろしく頼む。」
この後、ランクアップの手続きを済ませ、報奨金を受け取った。
オークは売って欲しいと言われたので、倉庫に23体出した。報奨金と合わせ金貨400枚になった。
魔石と大猪は残したよ。
柔らかくて美味しい肉らしいので…
ルミアとの奴隷契約する為に奴隷商に向かった。
奴隷商に着くと男性がいて、俺たちが入ると笑顔で近づいてくる
「いらっしゃいませ! 本日はどの様なご利用ですか?」
「この子と奴隷契約したいのですが!」
どうぞこちらにと奥の部屋に通されて、代金を支払い契約魔法の「コントラクト」唱えると、ルミアの左手の甲にある奴隷紋が輝いて完了。
俺のカードには所有奴隷として、ルミアの名前が記され、ルミアには所有者として俺の名前が記されたのを確認した。
奴隷について教えてもらった。
奴隷契約がある限り、逃げる事も主人に攻撃することは絶対に出来ない。
奴隷をむやみに傷つけることは禁止されてる。
他にも簡単に説明された。
「これで、この子はカガミ様のものです。」
「ルミア、これからよろしくな!」
「はい…ご主人様よろしくお願いします。」
お礼を述べたあと奴隷商を後にした。