第3話 イルムの街
馬車に揺られ進んでると遠くに街が見えてきた。街はどうやら城壁に囲まれてるようだ。
近づくと門が見えたので向かう。さらに近づくと門には兵士が2人立っていた。
「止まれ!」
兵士の1人が近づいてくる。グレンさんの顔を見て挨拶を交わして、盗賊に襲われた所に俺に助けて貰ったと説明し、俺は門の横の建物に連れて行かれる。
中に入って、グレンさん達が盗賊に襲われてる所を見つけ倒したと説明しするとノートを渡された。
「字は書けるか?これに名前を書いてくれ。それと盗賊のIDカードを出してくれ!」
俺は盗賊のIDカード5枚を渡して、ノートを見る。文字も読めるし書けそうな気がしたので書いてみる。どうやら自動でこっちの文字になるようだ。【言語理解】があるから変換されるのだろう。
「カガミ ユウトか。変わった名前だな」
「ええ、小さな村なんで…」
どうやらそれで納得したらしい。
「ここへは何しに来た?」
「冒険者になりに来ました。」
「盗賊倒せる程、腕に自信があるようだな。一応聞くが犯罪歴はあるか?」
「ありません」
「よし、イルムの街に歓迎する。ギルドの場所はまっすぐに行けばすぐわかる。それと盗賊の確認が取れた報奨金を出す。盗賊が5人だったので全部で金貨50枚だ。ここ最近来た盗賊でな迷惑していたのだ。協力感謝する!」
「いえ…こちらこちらありがとうございます」
お礼を言い布袋に入ったお金を受け取り外に出たら、グレンさんとロイスさんが待っていた。
「ユウトさんお疲れ様でした。命を助けていただいたお礼をしたいのですが?」
「気にしないでください。」
断ろうとしたのだが、どうも俺は変わった服を着ているらしい、目立たない服と言うか、こちらの世界での普通の服を数着買ってもらい着替えた。グレンさんはイルムの街で店を出してるので是非来てくださいと言われ、お礼を言って別れた。
俺はギルドに向かう。街中はそこそこにぎわって中央通りには露店が並んでいて食べ物など売っていた。
「よう、そこの兄ちゃんかっていかないか?焼きたての串焼きうまいぞ。1本銅貨2枚だ!」
そういえば何も食べてないな、銅貨2枚渡して1本貰う。いい匂いがする。タレ味で柔らかい肉が口いっぱいに広がる。「美味い」と言いながら食べた。美味かったので10本程買ってアイテムボックスに入れた。
食べながら歩いてると獣人がいる、耳と尻尾がある。もふもふしてみたい…
あっちにはドワーフがいた。俺は心踊らせていた。
周りから見たら、お上がりさん状態の俺、異世界なんだなぁと感じた。
「これがギルドかー」
2階建ての大きく立派な建物が見えた。看板にはイルム冒険者ギルドと書いてあった。武器を持った人達が出入りしてる。俺は緊張しつつも扉を開けた。中に入ると賑わう冒険者たちの姿が目に飛び込んで来た。
見渡せばいくつものカウンターや壁には掲示板らしいのが見えた。奥は酒場になっているらしく賑やかだった。俺は受付に向かう。
「いらっしゃいませ。受付のケーナ言います。本日はどのようなご用件でしょうか?」
かなり美人の女性で胸もデカい。さすが受付嬢めっちゃ可愛い…
「すみません。冒険者になりたいんですけど」
「登録ですね。かしこまりました。」
用紙に名前を書いてカード発行してもらい、針よこされカードに血を付けるとカードが発酵して登録完了。
カードには、
ーランクFー
名前:カガミ ユウト
年齢:18歳
種族:人間族
職業:冒険者
となっていた。スキルなども見ることが出来て他人には見られないそうだ。
ルールはギルド員どうし喧嘩をするなとか法律守れとかだった。
あとは依頼のシステムの説明を受けた。ランクはS.A.B.C.D.E.FがありCランクで一人前らしく
Bランク以上からは国や貴族から依頼が来るそうだ。Cランク以上からは報酬もかなり良くなる。
俺?俺はもちろんFランクだよ。
「以上で登録完了となります。何か分からない事ありますか?」
「討伐部位や解体の仕方の本ないですか? それと、この街に来たばかりなのでいい宿屋を教えて下さい。」
「本はギルドで販売していますよ。宿屋ですか…近くに食事が美味しいと評判のゆうゆう亭がありますよ。」
「そこを教えて下さい。」
俺は本を買ってケーナに教えて貰ったゆうゆう亭に向かった。
ギルドではケーナが「珍しく礼儀正しく可愛い子だったわね。ふふっ…」と語っていた。
ギルドを出て5分ほどで、ゆうゆう亭があった。中に入ると
「いらっしゃいませ。お食事ですか?泊まりですか?」
40代くらいのふくよかな女将さんが聞いて来た。
「ギルドのケーナに教えて貰ったんだけど、泊まりお願いします。!」
「珍しいわね…ケーナの紹介なの?。ふ〜ん…1泊朝晩食事付きで銀貨7枚だよ。」
「とりあえず1週間お願いします。」
1週間分の料金を払って部屋に案内された。食事は朝晩の鐘が鳴って2時間の間に1階の食堂で食べる事と聞いて部屋のカギを受け取った。とりあえず腹が減ったので食堂に向かい食事を頼んだ。「おまち」と女将さんが食事を運んで来た。お腹ペコペコだ…初めての食事とても美味しかった。
食事を食べ部屋に戻ってシャワーを浴びた。ベットに横になった。
ここの宿屋にはシャワーがある。お風呂は貴族やお金持ちの人しか入らないとか、一般人はシャワーか身体を拭くだけらしい。
「ふぅ…今日1日で色々あったな!まだこの世界の事何も知らないし明日は図書館があれば調べよう」
とか考えながら寝た。