旅の序章
「ねぇマルクス・・・」
「なんだよ・・・」
「私たち、どこで間違えたのかなぁ」
「さあな」
「なにがダメだったのかなぁ」
「俺たちは間違ったことはしていない、と思う…」
「じゃあなんで私たちは捕まったのーーーー!」
「っ…!」
そう俺たちは旅に出て、一番最初に来た帝都の街で捕まった・・・
一週間前俺とユミルはユミルの村を出てからけがを治す治癒薬や解毒薬がないことに気づき村から馬車で三日ほどのところにある帝都の街へ向かっている。
ユミルは「私がいるんだからそんなのいらないよ。」と言うがいくらユミルが治癒魔法士だとしてもユミルにばかり頼ってはいられなかった。もし仮に戦闘になったらユミルは癒しの魔法をかけながら回復魔法を使うとなると相当の魔力を消費するはずだ。だから俺は少しでも楽をさせるために買おうといっているのだがユミルは「治癒魔法士が薬を持ってるなんていい笑いものだよ~…」となんだか納得してないようだが俺は話を流して馬車を曳いていた。
「そいえばマルクス~」
「ん~?」
「薬買ったらどこに向かうの?」
「次向かうところはレインズの街に行こうと思ってる。」
「そこに、俺が魔法の修業をしていたころ俺の村に魔法使いが来たんだ。」
「その人すごく物知りで稽古の合間にいろんな話をしてくれたんだ!その人ならこの体を戻す方法を知ってるかもしれない。」
「マルクスはその人のことそんなに信用してるんだ~」
「おう!」
「ねぇその人って女の人?」
「お、よくわかったな!」
「ふ~ん、女の人なんだ~、へ~~…」
「お、おう…」
心なしかユミルが不機嫌になった気がした・・・
「ほ、ほら、着いたぞ!行こうぜ!」
「マルクスのバカ…」
「ん?何か言ったか?」
「何でもないー」
そんなこんなで俺とユミルは馬車を降りて繫華街のほうえと向かった
繁華街で薬屋を探してしばらくたったころ繁華街の路地裏で男二人が一人の女の子に迫っているのが見えた。
「マルクスどうする?…」
「助けがいるかはわからないけど、行ってみよう・・・」
俺とユミルが近くによると女の子がそれに気づいたらしく俺の背中の後ろに隠れていった。
「すいません!助けてください!」
予想どうりお困りのようだった。
「どうし…」
「お前ら何もんだ!こいつの仲間か!」
俺の話をさえぎって男二人が話してきた。
「あんたら、はたから見たら小さい女の子を追い回してるチンピラにしか見えないよ。」
「なんだと!」
「なんでこの子を追い回すんんだ!」
「このガキ俺らが酒場で飲んでた時に【この下品な口を閉じろ!】とかなんとか言いやがって!」
「だから俺たちが目上の人に対する礼儀を教えてやってんだよ!」
見た目だけでなく中身までチンピラそのものだった。
「そなたらが食事中に何人殺したやあの悲鳴は最高だったなど下品で下劣な物言いをもうしておったからだろう!!」
「最低~・・・」
ユミルの怒った声をきいて男二人だけでなく俺までビビった・・・
「今のを聞く限りどう考えてもお前らが悪いだろ。見逃してやるから消えろ!」
「調子に乗ってんじゃねえぞクソがーーーー!」
しびれを切らしたのか襲ってきた。
「マルクス、私がやろうか?」
「いや大丈夫俺一人で充分だよ。」
ユミルの魔法とリハビリのおかげで、剣術と体術なら少しずつ回復してきた。
「おりゃーーー!」
「ぐはっ!」
「死ねやーーーー!」
「ぶはっ!」
二人は剣も抜いていたが俺は体術で難なく倒すことができた。
≪お、覚えてやがれ‼≫
本当にチンピラ特有の捨て台詞を吐いて逃げてった・・・
「大丈夫だった?」
ユミルが気に掛ける。
「はい…大丈夫です…」
≪バタ!!≫
突然女の子が倒れだした!
「おい!大丈夫か!」
「しっかりて!!」
俺とユミルが心配している中こっちに騎士団らしき人たちが向かってきた。
「おい!貴様ら!何をしている!」
騎士団の中の一人が話しかけてきた。
≪!!≫
「キイ皇女殿下!!」
皇女殿下!?さすがに驚きを隠せなかった!
「貴様ら!キイ皇女殿下に何をした!」
「全員この二人をひっとらえよ!」
まったくこっちの説明を聞かないまま戦闘態勢に入った・・・
「私たちは彼女が困ってたから助けただけで、そのあとこの子が勝手に倒れて・・・」
「えぇぇい!戯言を言うな!いいからこの者たちをひっとらえよ!」
人の話を聞かない連中だな…下手に動くと襲ってきそうだな・・・
「ユミル、ここは大人しく捕まっておこう。そのほうが安全そうだ・・・」
「うん、わかった。」
「この者たちを連行しろーーー!」
一週間後の現在・・・
「ん~もうそろ疑いが晴れて解放される頃だと思うんだけどな~」
「早く外に出たいよ~~」
こんな話をしているうちに一人の警備兵が来た。
「出ろ、国王陛下がお待ちだ!」
「やっと外に出れるな!」
「やっとだよ~」
警備兵に着いていき大きな扉の前に来た。
「国王様!お連れしました!」
「うむ。下がってよいぞ。」
「はっ!」
扉の奥にいたのは国王様と騎士団の人たち、それにあの助けた皇女様、皇女様の隣にいるのは、皇女様のお母さん?それにしても少し大掛かりな気がする・・・
「そなたらがキイを助けてくれたという者か・・・」
「此度の恩人に対する扱い申し訳ないと思っている。」
「だが、キイが熱を出し寝込み意識を取り戻しそなたらの話を聞くまでは牢から出すわけにはいかんかった申し訳ない・・・」
国王様が頭を下げて謝罪した。
「い、いやそんな事情なら仕方ないですよ!気にしないでください!」
ここで皇女殿下の口が開いた。
「わらわを助けてくれてありがとう!」
「わらわの名はキイ・ダスター・クウベルマンだよろしくの!」
「私はユミル・マーキュリー、よろしく!」
「おれはオリビス・マルクスよろしくな!」
キイ皇女殿下が優しく微笑む、そのあとに国王陛下が口を開く
「オリビス、ユミルよそなたらには何か褒美をあげたいがその前に一つおぬし等の力を見込んでたのみがある」
城内が静まり辛気臭くなる・・・
「お主らに倒してほしい奴らがおる!」