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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
創作篇〜創作の手順を再確認しよう
867/1500

867.創作篇:あらすじを創る

 今回は「あらすじ」を作ります。

「企画書」に「エピソード」を加えて、主人公に動いてもらいましょう。

 小説では出来事が起こります。起こらなければ起こします。

あらすじを創る


「企画書」だけでじゅうぶん面白い物語になりそうだ。そう思えるものが見つかったら、そこに肉を付けていきます。

 付ける肉は「エピソード」です。




エピソードとは

 小説では出来事が起こります。その一連の流れが「エピソード」です。

「エピソード」は、複数の場面(シーン)によって構成されています。

 どんな出来事かも、複数の場面(シーン)で表されるのです。

 どんな場面(シーン)になるかは次回の「箱書き」で詳しく決めることになりますが、大まかにどのような場面(シーン)になるかは、この「エピソード」の段階で決めてしまいましょう。

「いつ」「どこで」「誰と誰が」「なにをする」場面(シーン)なのか。だいたいでかまいませんので想定しておかなければ、どんな「エピソード」になるかがわかりません。

 たとえば「主人公が意中の異性に告白する」という「エピソード」なら、「夜二十一時に」「駅前公園で」「主人公が意中の異性へ」「プロポーズする」くらい大まかな場面(シーン)で結構です。この前に「意中の異性を食事に誘う」場面(シーン)、「駅前で待ち合わせる」場面(シーン)、「意中の異性と食事を楽しむ」場面(シーン)があり、帰り際に「プロポーズする」場面(シーン)を置きます。「プロポーズ」の答えはその場面(シーン)に出してもよいですし、次の場面(シーン)に先送りしてもかまいません。

「エピソード」を場面(シーン)に粗く区切る重要な役割があります。




エピソードを何十枚・何万字で書けるかを知る

 長編小説の場合、一章がひとつの「エピソード」で構成されています。

 あなたが一章を原稿用紙何十枚、何万字で書けるのかまず確認してください。

 それがわかれば「エピソード」がいくつ必要になるのかがわかるのです。

 わからない場合は、(ワン)場面(シーン)を何枚、何千字で書けるかも重要な判断基準になります。

「エピソード」は場面(シーン)の積み重ねで出来ています。だから「エピソード」に場面(シーン)をいくつ含めるかを決めておけば、その場面(シーン)の数×枚数・文字数で、「エピソード」の長さがわかるのです。


 正直に言えば、(ワン)場面(シーン)を何枚・何千字で書けるのかは、長編小説を書く前から知っていなければなりません。

 わからない人が長編小説で「小説賞・新人賞」を狙うのは、神業に近いのです。よほどのことがないかぎり、受賞できないでしょう。

 わからないうちは、小説投稿サイトに連載する際、一投稿で(ワン)場面(シーン)と仮定して投稿していくようにしてください。

 そうすれば、毎日何千字を書いて投稿しているのかが可視化されます。

 そして「(ワン)場面(シーン)を何枚・何千字で書ける」のかが判明するのです。

 一章を何十枚・何万字で書けるのかは、その積み重ねで概算できます。

 一投稿で千字を書ける人もいれば、七千字を超える方もいるのです。

 こればかりは書き手の体内リズム次第なので、あなたの書きやすい長さを見つけ出してください。




エピソードは章立てで決める

 一章を何十枚・何万字で書けるのかを知ったら、「小説賞・新人賞」が規定する原稿用紙の枚数や文字数を目安として章立てしてください。

 たとえば十万字が応募規定だとして、一章を二万字で書けるのなら「五章立て」で書けるということです。

 そのうち第一章は「主人公」に関することを説明し「主人公がどうなりたい」かを示すエピソード、第五章は「主人公がどうなった」かを示すエピソードにします。

 すると残りは三章です。つまり三つの大きな出来事を経てから最終章で最大の出来事と対峙し、主人公は「なりたかった」ものに変化します。

「主人公は勇者になりたい」から始まって「低レベルの魔物にさえ手こずる」「旅の仲間が続々と加わる」「ライバルが立ちはだかる」「魔王を倒して勇者になった」の「五章立て」で書けるのです。

「何万字で書けるのか」は知っているとかなり便利ですよね。

 もし知らなければ、規定枚数よりも少なくなって、どこかを水増ししようとしてしまいます。

 しかしそういう箇所は特段物語と関係しないことが多いので、選考さんにはすぐに「あ、ここは水増しだな」と見破られるのです。逆に規定枚数を大幅に超えてしまってシーンを割愛すると、話の展開が強引になってくるので、やはり選考さんに見破られます。

 自分の書ける分量を知り、それをいくつ積み重ねたら規定枚数・文字数に到達するのかを知ることは、その点でも有利なのです。




あらすじは構成力次第

 章立てが決まり、算出されるエピソード数に照らし合わせて、エピソードを構築します。構成力が問われるのです。

「あらすじ」創りに必要なのは、章立てをしていくつのエピソードを経て主人公が変わるのかを示す「構成力」なのです。

 短編小説をいくら書いても「構成力」は身につきません。ひとつふたつのエピソードで物語が終わってしまうからです。

 短編小説でも複数のエピソードで構成することもできますが、ひとつのエピソードに費やせる文字数が減ってしまいます。そうすると薄っぺらい物語にしかならないのです。

 分厚い物語を作りたいなら、十万字の長編小説を三章立てにすることも考えられます。もちろん第一章と第三章は短くしないと締まりません。そうなると大半を第二章のひとつのエピソードに注ぎ込めます。たとえば第一章と第三章にそれぞれ二万字を用いて、残る六万字を第二章に使うという贅沢ができるのです。

 ただし、エピソードが少ないとどうしても「単純な物語」に見えやすくなります。最低でも四章立てにしましょう。

 章が少ないと「単純な物語」に見えます。逆に章が多すぎると「先を急ぎすぎる物語」に見えてしまうのです。ですので、長編小説の場合は多くても十章立てまでに抑えましょう。

「小説賞・新人賞」の規定に「十万字以上・未完も含む」のように、十万字を大きく超えても受け付けてくれるものがあります。連載小説で勝負したい方は、そういった「小説賞・新人賞」に応募しましょう。

 ただし連載小説はたった一作の構成力だけしか見られません。選考さんもできることなら他の作品でも構成力を見てみたいものです。

 ですので、長編小説を何本か書いてから連載小説に手を出しましょう。

 そうすれば連載小説でも受賞の確率を高められます。




佳境(クライマックス)から結末(エンディング)へ、そこから遡って

 あらすじを考えるとき、まず佳境(クライマックス)を決めてしまいましょう。主人公がどんなカッコいい立ち回りをするのか。小説で最も印象に残るエピソードですから、まずここを確定させておけば、しっかりとした土台が築けます。

 そこから続く結末(エンディング)を決めるのです。佳境(クライマックス)が終わったら、主人公や人々はどのような生活に戻るのか。それを示します。これは佳境(クライマックス)のエピソードの中に含めることがありますので、結末(エンディング)で丸々一章使い切るような場合でないかぎりは、佳境(クライマックス)のエピソードに含めて小説を終えたほうが切りがよくなるのです。

 佳境(クライマックス)結末(エンディング)が決まったら、そこから遡ってエピソードを加えていきます。こうすると不自然なつながりがなくなって、スムーズに流れるのです。

 この手法なら「伏線」を張りやすいのも有利なポイントとなります。

 とくに「構成力」が身につかないうちは、この手法であらすじを創ってください。





最後に

 今回は「あらすじを創る」ことについて述べました。

「あらすじ作り」とは、人が変わるような大きな出来事を、章立てで設定することです。

「こんな出来事があったから、主人公はこう変わったのです」ということを連鎖させて、第一章の主人公が、出来事によって変えられて、最終章でどうなったかを導き出します。

 この変化が自然に見えるよう配慮するのです。それが「あらすじ」を創る「構成力」になります。

 不自然なつながりになってしまうのは、「構成力」が足りないからです。

 もっとたくさんの長編小説を書いて、「構成力」を磨きましょう。




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