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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
構成篇〜執筆のロジックを知ろう
820/1500

820.構成篇:ハリウッド「三幕法」(セクション13)

 今回もブレイク・スナイダー氏『SAVE THE CAT!』についてまとめました。

 第三幕に入ったセクション13は「起承転結」の「転」のラストを飾ります。

 セクション11で失敗した主人公は、ここであることを「悟る」のです。

ハリウッド「三幕法」(セクション13)


 いよいよ「三幕法」の最後に位置する「第三幕」についてです。

 セクション13までが「起承転結」の「転」に当たります。

 第二幕セクション10からとセットで憶えましょう。




第三幕


「三幕法」ではここが最後の幕となります。またの名は「統合命題」です。

 第一幕は命題の世界(または現実の世界「日常」)、第二幕は反対命題の世界(またはひっくり返した世界「非日常」)。だから第三幕は統合命題の世界(命題と反対命題を融合させた世界「変化した日常」)なのです。

 第一幕「日常」の元々の主人公が、第二幕「非日常」でさまざまなことを学んで、第三幕で変化するのです。

 人間関係は修復され、壊れた友情は復活し、恋人たちも復縁します。「表の物語」と「裏の物語」が再び交差しますが、今度は絡み合って一本のストーリーになります。最高の組み合わせです。見せ場たっぷりの「表の物語」と、「裏の物語」が獲得した知恵と知識が融合し、力強く心をつかむ第三幕の物語となって読み手の心に響きます。




13.変わるべきことを悟る(80%)

「13.変わるべきことを悟る」は「突破」のセクションです。ついにこの瞬間が来ました。ひっくり返った「非日常」世界で散々苦闘した甲斐あって、テーマの象徴として「7.メッセンジャー」の「お助けキャラ(助っ人)」たちに教えてもらったたいせつな「本当に必要なもの」「伝えたいこと(メッセージ)」が手に届くところまで来ました。

 あなたが仕組んだ感情の激動に耐えた甲斐もあって、主人公は第二幕「非日常」において身から出た錆で発生した膨大な諸問題を修復するためにすべきこと、そしてなにより「自分自身」を変えるためにすべきことを理解するのです。

「6.新しいことを試みる」のセクションでは直すつもりで壊していた主人公ですが、「13.変わるべきことを悟る」でついに「正しい方法で修復する」やり方を考えつきます。

 すべてを失い、どん底に落ち、改めて向き直った主人公ですから、今こそなにをすべきかわかっているのです。

「13.変わるべきことを悟る」では、ほぼ間違いなく主人公が悟る瞬間が訪れます。

「変わらなければならないのは他のみんなではなく、私だったのだ」と。

 ここに至るまでの主人公は、持てる力のすべてを費やして、自分の人生に影を落としている本当の問題を避けてきました。語られた「テーマ」は無視したのです。「本当に必要なもの」は追わず、「求めるもの」だけを集めていました。直すつもりで壊していたのです。それを全部他人のせいにしていた。そろそろ悪あがきはやめて、厳然たる真実を見つけるときです。

「最初から自分の問題だったということが、今わかったから直せる」

 ここは一場面(ワン・シーン)または一(エピソード)のセクションです。

 主人公の「悟り」とその帰結である「決断」を見せます(実際、一ページどころか一行で見事に主人公の「悟り」と「決断」を見せた例もあります)。

 このセクションを使って、素早く、そして確実に主人公(と読み手)を最後の幕へ引っ張り込んでください。





最後に

 今回は「起承転結」の「転」のラストピースを紹介しました。

 一セクションですから、あまり違和感はないと思います。

「悟り」を得ても、それを読み手に開示する必要はありません。

 最後に「彼は悟った。」と書いたら、それは「結」への強力な「惹き」になります。




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