表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
実践篇〜さぁ筆を執って書き始めよう
75/1500

75.実践篇:相関図を作る

 履歴書(キャラシート)ができたらすぐに「相関図」を作りましょう。

 それで物語に必要なキャラ、不要なキャラがわかります。

相関図を作る


 登場人物の履歴書(キャラシート)を作ったら「相関図」を作りましょう。

「相関図」を作るとは「このキャラとこのキャラはこういう関係です」というものを一覧図にして表すことです。




まとめられるかまとめられないか

「相関図」という一覧図でうまくまとめられる範囲内のキャラは小説内に登場させても違和感がありません。人間関係がとても簡潔だからです。

 とくにこれから小説を書こうという人は、この「うまくまとめられる範囲内のキャラ」に限ってその人たちに活躍してもらいましょう。

 そんなとき、どうしてもうまくまとめられないキャラが出てきます。小説内世界での「異端児」とでもいうべきでしょうか。

 まとめられないキャラはそれだけで描写が大変になります。「誰にとってどんな存在なのか」という線の結べない相手同士を絡ませるのにはかなりの無理があるからです。

 率直に言えば「キャラが場から浮きます」。「なんでこんなところにいるんだよ。お前」というキャラは存在感がありすぎて目立ちまくりです。ある意味「主人公より目立ってしまう」ことになります。

 いっそその関係がまとめられないキャラを主人公にしたほうが手っ取り早いくらいです。




あくまで小説開始時点のもの

 相関図はあくまで「小説開始時点」のものです。それ以降はさまざまな「エピソード」を通じて人間関係が変化していきます。

 話を進めていくうちに人間関係がわかりにくくなったら都度相関図を書きましょう。その時点での人間関係を再認識することで、読み手に違和感を抱かせない描写が可能になります。

 それまで仲が良かったのに、ある出来事(イベント)をきっかけに不仲になった、というのはよくあることです。

 逆にそれまで親しくなかったけど出来事(イベント)がきっかけとなって無二の親友になった、ということもよくあります。縁のない間柄だったのに何かがきっかけで結婚までしてしまう男女だって現実にいるのです。




人間関係が変わることでキャラは成長する

出来事(イベント)」が起きる、「出来事(イベント)」を起こす。

 書き手はそうやってきっかけを作り、人間関係を変化させていきます。これがキャラの成長を描くことにつながるのです。

 これは「離れていた者同士がくっつく」「くっついていた者同士が離れる」という相反性だけを言っているのではありません。

「元から親しかったけどさらに絆が深まった」「元から疎遠だったけどさらに遠のいた」という方向性の強化としても描かれます。もちろん出来事(イベント)が起こったのに人間関係はまったく変わらなかった、という場合もあるのです。

 こういった人間関係の変化によって、人はあらゆることを学んでいきます。だからこそ人間関係の変化は、キャラの成長を描く重要なポイントになるのです。




誰をどう呼ぶのか

 書くべきことは「誰と誰がどういう関係なのか」なのは当然です。それに追加して「誰が誰をどう呼ぶか」ということも重要になります。

 相関図ができたら、その線に「互いに相手をどう呼んでいるのか」を書いておくと実際に小説の文章を書くときに迷わなくてよいです。

「相手をどう呼ぶか」ということは、小説を書く際とくに疎かになりがちな部分ですが、ここがブレてしまうと現実味(リアリティー)がなくなります。

 普段「姓に『さん』を付けて」呼んでいるのに、ある部分で「名前に『さん』を付けて」呼んでしまった。これは原則アウトです。

 ただ状況(シチュエーション)が変わると呼び方も変わる場合があります。

 たとえば自分の姉を家族内ではいつも「姉貴」と呼んでいるけど、学校の先生の前では「お姉さん」と呼ぶ場合です。

 母親についても家族内だけなら「ママ」と呼んでいたとしても、家庭外の、たとえば市役所の役人の前では「母」と呼ぶことは常識になっていますよね。

 このように状況(シチュエーション)次第で呼び方も変わることはありえます。

 もちろん家庭外の人に対しても「うちのママはこんな弁当を作ってくれたんだ」と『ドラえもん』の骨川スネ夫のように言うキャラも「あり」です。

 家庭内ではこう呼んで、仲間内ではこう呼び、それ以外の人の前ではこう呼ぶ。この三種類の呼び方を相関図に書いておきましょう。

 ただ日本人の場合それ以外の人の前では基本的に知り合いであっても敬語を使うものなので、敬語のルールに従う場合はとくに書かなくてもよいです。敬語のルールから逸脱するのであればとくに書き込んでおく必要があります。ここは要注意です。





最後に

 今回は「相関図を作る」ことについて述べました。

 小説には大量の人物が登場します。その人物が他の人物とどういう関係にあるのかをつねに把握しておかなければ、よい小説は書けません。

「親しくないはずの人と話が弾む」というのは、たとえばアイドルのような共通の人物のファン同士でないと成立しないでしょう。

「親しいはずなのによそよそしい話し方をしている」場合、人間関係に微妙な変化があったのか読み手に「なぜ」が投げかけられます。読み手は「なぜ」が気になって続きが読みたくなります。そこで「答え」を必ず示してやることも書き手の責任です。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ