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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
活動篇〜小説投稿サイトの世界へようこそ
633/1500

633.活動篇:有料でも読まれるには

 今回は「有料でも読まれるには」ということについてです。

 同人誌にするか電子書籍にするか。

 あなたの小説を有料で頒布する術はあります。

有料でも読まれるには


 小説を有料で買ってもらう方法は、なにも出版社の「紙の書籍」だけではありません。

 それを知ることで、より自由度の高い創作活動ができるようになります。




同人誌として頒布する

「同人誌」といえば、二次創作のマンガ誌を思い浮かべる方が多いでしょう。

 しかし「同人誌」とは本来小説執筆を趣味とする人たちが集まり、自費出版して販売していたものです。

 尾崎紅葉氏、山田美妙氏などによる『我楽多文庫』がその始まりとされています。

『白樺』という同人誌では志賀直哉氏、有島武郎氏、柳宗悦氏などが活躍していたのです。彼らの思想を総じて「白樺派」と称します。

「同人誌」の良い点は、基本的に締め切りがないことです。

 悪い点はその裏返しで、締め切りを守らないために人間関係がぎくしゃくしてくることにあります。

 であれば「個人誌」を作るほうが安牌のようですよね。

 ですがあなたの「個人誌」にはどれほどの需要があるのでしょうか。

 世界最大の同人誌即売会といわれる「コミックマーケット」においても、小説の「個人誌」はほとんど売れません。二次創作ならまだ売れますが、オリジナル(一次創作)の「個人誌」は、よほど書き手の名が売れていなければ売れるはずがないのです。

 ですので小説「同人誌」を出したければ、名の売れている書き手との合作本にしましょう。そうすれば「ついでに」あなたの作品も読まれて、ファンが増えていくことも考えられます。

 そのためには日頃から名の売れている書き手と交流していることが重要です。付き合いもない人のために小説「同人誌」に参加してくれる奇特な書き手はまずいません。

 小説界というのは机仕事だと思われがちです。でも担当編集さんとの交流がスムーズに行くくらいには社交的であるほうが望ましい。担当編集さんと意思疎通がとれなければ、プロとして「企画書」を練ることも「あらすじ」を組み立てることもできません。このように将来プロになりたければ、社交性は不可欠です。

 そのくらいの社交性を身につけるために、「コミックマーケット」で小説「同人誌」を頒布するサークルを訪ねて自分の小説「個人誌」を渡して営業してみましょう。そのくらい心がたくましくなれば、配った「個人誌」の出来次第ではサークルに入れてもらえるかもしれません。むしろこちらから「参加させてください」と飛び込んでいってもいい。

「プロデビュー」と同様、「同人誌」を頒布して名を知らしめたいと思ったのなら、とにかく待っているだけではダメなのです。

 こちらから積極的に動いて人間関係を広めていかなくてはなりません。

 あなたがどんなにすぐれた小説を書いて「個人誌」を出版しても、知名度がなければ売れるはずもないのです。結果、すぐれた小説であっても歴史に埋もれてしまいます。

「同人誌」で頒布したければ、現在数多く頒布しているサークルに所属するのが一番です。

 臆することなく、営業活動をしてサークルに参加させてもらえるよう歩きまわってください。




ダウンロードサイトで販売する

 小説はなにも「紙の書籍」だけで売る必要などないのです。

 今はスマートフォンやタブレットPCによる「電子書籍」の時代。「同人誌」もダウンロードサイトを利用すれば「有料」でデータを販売できます。

「No.107:小説同人誌を電子書籍にして販売するには」でも触れていますが、基本的に「PDF」か「ePUB」形式の「電子書籍」を作成するのです。

 そしてそれらの形式の「同人誌」を販売するための商業サイトを利用します。

 これで在庫のリスクなしに「電子書籍」を売ることができるのです。

 Google検索で探せば見つかりますので、皆様も興味がありましたら一度検索してみてください。(「小説同人誌 販売サイト」でGoogle検索をすると、『小説家になろう』上の本コラムNo.107がトップでヒットしますので、それ以外を調べてください。当コラムはもうお読みの方もいらっしゃるでしょうから)。


『ピクシブ文芸』をご利用の方はpixivサイトの『BOOTH』で販売できるので、まずは『BOOTH』の仕様を確認しましょう。


 amazon社の電子書籍端末『Kindle』へ作品を投稿する『Kindle Direct Publishing』というサービスもあります。素人の個人であっても「電子書籍」を『Kindle』向けに販売することが可能な仕組みです。『Kindle』はiOSアプリとしても提供されていますので、iPhoneやiPadユーザーにも読まれる可能性があります。

 新しいところでは、Macの標準ワープロソフト『Pages』から『Apple Books』(旧『iBooks Store』)へ直接投稿して販売する機能が加わりました。こちらも有料・無料を選べるので、『Pages』に慣れている方は一度「販売」を検討してみてはいかがでしょうか。『Pages』の「ファイル>Apple Booksに公開…」から行なえますので、一度流れを確認することをオススメします。


 今後十年は「紙の書籍」の優位は続くと思います。それ以降は端末とOSと電子書籍アプリの進化と「紙の書籍よりも売価が安くなる」こと次第です。

 ですがそれほど遠くない時期に必ず「電子書籍」が主流に取って代わります。この流れは変えがたいというのが私の見立てです。

 今はまだ「小説賞・新人賞」は「紙の書籍」化されますが、十年も経てば「電子書籍」化がトレンドになるでしょう。




一度販売すると出版社からは売れなくなる

 ただし気をつけたいのは、一度「同人誌」や「ダウンロードサイト」で頒布・販売・無料提供した作品は、出版社レーベルから販売できなくなることです。

「この作品、同人誌として1000部売れたから『紙の書籍』化してもかなり売れると思います」は通用しません。

 ごく稀に「紙の書籍」化されることもあります。これは本当にごく稀です。作品を読んだ担当編集さんが仰天するような小説であれば、先に「同人誌」「電子書籍」にしていたとしても、加筆修正・構成変更をすることで「紙の書籍」化できます。

 出版社レーベルがそういうリスクを背負ってもなお「紙の書籍」化したくなるような作品が書けるほどのレベルにあれば、「小説賞・新人賞」で受賞することも難しくはないはずです。

 当座の資金が欲しくて「同人誌」「電子書籍」で頒布・販売するのか、出版社レーベルから「紙の書籍」で販売したいのか。未来を見越して書き手であるあなた自身がご判断くださいませ。





最後に

 今回は「有料でも読まれるには」ということについて述べました。

 アマチュアのうちは「同人誌を頒布」するか「電子書籍をダウンロード販売」するかの大きく二つの収入源があります。

 ただ上記したように、一度「同人誌」「電子書籍」で売ってしまうと、出版社レーベルから「紙の書籍」となるのはひじょうに難しいのです。

 将来プロデビューを見越している方は、当座のお金か将来のタネかをよく考えてください。

 一度販売したものを「紙の書籍」として出版するのはか、なりハードルが高いのです。

 それはたとえば小説投稿サイトで連載していた作品を「紙の書籍」化するのと同じくらい難度が高くなります。




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