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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
発想篇〜アイデアが思いつかなかったら
456/1500

456.発想篇:テンプレートを壊せないか

 今回は「テンプレート」破りについてです。

 小説賞・新人賞に応募するなら「テンプレート」を用いないこと。

 応募せずに小説投稿サイトへ投稿するなら「テンプレート」な設定を積極的に用いること。ただし「転結」はテンプレートを壊すべきです。

 この二つを理解して執筆投稿してください。

テンプレートを壊せないか


 小説投稿サイトへ投稿されている作品は「テンプレート」に則っているものが多いと思いませんか。

「パーティーから追放されたけど、実は最強だった」なんて今の「ハイファンタジー」ジャンルで上位を独占しすぎです。

 だからどの作品を読んでも金太郎飴状態で、同じ印象しか覚えません。

 人気を得るためには「テンプレート」から外れてはいけないのでしょうか。




小説賞・新人賞に応募しない作品の場合

 小説投稿サイトに作品を投稿するのは、そのとき企画・開催されている「小説賞・新人賞」に応募することが第一となります。

 ですがあいにく狙いたい「小説賞・新人賞」が企画・開催されていないときもあるのです。

 そこで「小説賞・新人賞」には応募せず、フリーで作品を投稿しようとします。

 そのとき「テンプレート」は欠くことのできない存在です。

 ただし投稿する時点で流行っている「テンプレート」をしっかりと把握していなければ、人気を博すことはできません。

 ひと昔前の「テンプレート」は読み手がすでに飽きているのです。

 今だと「チート」「俺TUEEE」あたりが飽きられていますね。

「テンプレート」は読み手に作品の質を保証するために存在します。

 それなのに「現在(いま)」流行っている「テンプレート」からズレているようでは、読み手の支持が得られないのです。

「この書き手の作品は古い」と読み手から見切られたら、二度目はないと思ってください。

 そのくらい「現在(いま)」流行っている「テンプレート」に則ることは重要なのです。

「元勇者」「パーティー追放」「実は最強だった」が流行っているのなら、「パーティーを追放された元勇者が実は最強だった」を描く「テンプレート」に則るのが必須と思いましょう。


 では「現在(いま)」流行っている「テンプレート」を見極めるにはどうすればよいのでしょうか。

 あなたが書きたいジャンルの、できれば日間ランキングを見てください。

 その中で上位にいる作品の「あらすじ」「キャプション」と「キーワード」「タグ」を調べます。

 すると頻出している単語に気づくはずです。

 頻出単語がわかれば、検索ワードにそれを入れて日間ランキング順で検索しましょう。

 そして上位作品を時間の許すかぎり読み込んでください。

 そうすれば「テンプレート」な展開が見えてきます。

「テンプレート」は物語の基本構造ですから、それさえ決まってしまえば後はキャラクターを充てがって「テンプレート」なお話を築きあげればいいのです。

 つまり需要の多い「テンプレート」に従った作品を書けば、読み手は必ず食いついてきます。


 もし「小説賞・新人賞」へ応募しない作品で「テンプレート」に従わなかったとしたら、閲覧数(PV)・ブックマーク数・文章評価とストーリー評価はいっこうに伸びません。

 つまり「総合評価ポイント」が低くなり、結果としてランキングに載れなくなります。

「小説賞・新人賞」が開催されていないのに、ランキングに載れないのは「テンプレート」に従っていないからです。

 だからといって作品の最後まで「テンプレート」に従う必要はありません。

 どちらかといえば「テンプレート」から逸れるような「転結」にしたほうが、書き手のスキルを読み手へ知らしめられるためには有効です。

「テンプレート」に従いつつ、それを「佳境(クライマックス)」で壊してオリジナルな終わり方をする作品が、多くの読み手に支持されます。




小説賞・新人賞に応募する作品の場合

「小説賞・新人賞」に応募する作品の場合、なるべく「テンプレート」のままは避けてください。

「テンプレート」を用いるときでも、それは「あらすじ」「キャプション」でそう暗示するだけにして、本編は「現在(いま)」流行っている「テンプレート」とは一味違う作品を目指しましょう。

「小説賞・新人賞」の下読みさんは、これまで何千、何万という作品を読み込んでいます。

 その下読みさんが「またこのテンプレートを用いた作品か」と悪印象を抱くような作品では一次選考を突破することが難しくなるでしょう。

 下読みさんに「おっ、この作品は他とは一味も二味も違うな」と好印象を抱くような作品を書くことを目指してください。

「おっさん」「元勇者」「スローライフ」「ハーレム」「俺TUEEE」な「異世界転生」「異世界転移」ものは、もう通用しないのです。

 もちろん筆力があって「テンプレート」に則っても、面白く魅力的な作品が書ける書き手は存在します。

 ですがそれほどの人物なら二次選考すら突破して最終選考まで残るはずです。

 だから筆力もない時期にそういう人のマネをしないほうがよいでしょう。

「小説賞・新人賞」を狙うなら「テンプレート」は避けて、オリジナルの展開を読ませることに注力すべきです。

「小説賞・新人賞」の企画であれば、エントリーしただけで多くの人に読んでもらえます。

 もちろん「テンプレート」に従った作品のほうが「総合評価ポイント」は高くなるでしょう。

 しかし「総合評価ポイント」が高いから賞が獲れるというわけでもないのです。

「総合評価ポイント」の高い凡百な作品よりも、独特で唯一の魅力がある作品のほうが、賞を獲る確率は高くなります。

 それは小説のアイデアが奇抜で卓越しているかどうかが問題だからです。


 正直に言って、文章の構成力(スキル)に関しては、あとからいくらでも伸ばせます。

 しかし、作品の構想力(マインド)に関しては、あとから伸ばすのは難しいのです。

 下読みさんや選考委員の方々はそれを見切るために、「テンプレート」とは異なる作品を高く評価します。

「小説賞・新人賞」へ「テンプレート」に則った作品を投稿した人は、「テンプレート」以外の小説が書けないのかもしれない。そう思われるのです。

 その点「テンプレート」に従わない卓抜したストーリーで作品を投稿した人は、皆とは一味も二味も異なる作品を書き続ける可能性が高くなります。

 同じ「テンプレート」で執筆スキルの高さを競っているだけでは賞など望めません。

「テンプレート」なんて度外視して、自分の書きたい構想力(マインド)の高い作品を書き続けていれば、そのうち執筆スキルが追いついてきます。

「テンプレート」に則った作品を書く人と、オリジナルな作品を書く人。

 どちらに将来性があるかは言わずもがなでしょう。





最後に

 今回は「テンプレートを壊せないか」について述べてみました。

「小説賞・新人賞」を狙いたいなら「テンプレート」はどんどん壊していきましょう。

「テンプレート」な要素を集めてきても、展開までは「テンプレート」を用いないことです。

「常道」ではなく「意外性」を目指して構成してください。

「小説賞・新人賞」を狙わない作品なら「テンプレート」をふんだんに取り入れて書きましょう。

 ランキングに載るのは「小説賞・新人賞」応募作に次いで多いのが「テンプレート」に則った作品だからです。

 けっして「小説賞・新人賞」に「テンプレート」作品を応募したり、「小説賞・新人賞」に応募しないのに「オリジナル」作品を投稿したりしないよう、注意してください。

 いずれも労力のムダにしかなりません。

 それぞれにふさわしい小説のスタイルがあります。

 そこをわきまえて発想を広げていくほうが、読み手の反応がよい作品に仕上がるのです。




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