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418.深化篇:勝手にライバル

 今回は「ライバル」についてです。

 執筆のモチベーションを自分の中から見つけ出そうとすると、ストイックになって陰に籠もってしまいます。

 そうではなく、適当な書き手に当たりをつけて「勝手にライバル」だと思うことを提唱しています。

 たとえば「いつも自分と同じ時間帯に投稿しているあの書き手」を「勝手にライバル」だと思えば、俄然やる気が出てきませんか。

勝手にライバル


 小説を書き続けていると、どうしてもモチベーションを保つのが難しくなります。

 書きあげて小説投稿サイトに上げて、閲覧数(PV)・ブックマーク・評価が高くなれば嬉しい。だから小説を書いている。

 実にストイックな執筆スタイルだと思います。

 ですがそれだと「総合評価ポイント」が低くなったときや伸びなくなったとき、ランキングから転落したときに、創作意欲が減衰してしまう原因にもなります。




目安を決めておく

 そこでまず書いた小説に対する評価の「目安」を決めることから始めましょう。

 たとえば「連載10回までにブックマークを10個集めよう」だとか「連載10回までに評価や感想やレビューを付けてもらおう」だとかです。

 今回は「連載10回」をひとつのめどにしました。

 小説というのはそこまで行かないと良し悪しを判断しづらいからです。

 読み手としても「これから追いかけたい小説をどれにしようかな」と吟味する際、まず現在までの連載回数に注目します。

 だいたい10回をめどにして「この小説なら追えるんじゃないかな」と判断し、とりあえず第1回の投稿を読んでくれるのです。

 ここで切られればそれまでですし、投稿ぶんすべてを読んで「これは追うに値するな」と思った人はブックマークに入れてくれます。

 つまりブックマークの数は、あなたの作品を継続して読みたい人の数なのです。

 評価はブックマークをしている人が「この作品なら文章は何pt、ストーリーは何ptが妥当かな」という判断が働きます。

 評価は最低の1ptを付けても「総合評価ポイント」に加算されるため、少しでも「良い」と判断されれば評価してくれるのです。

 上記の理由で、たとえ文章やストーリーがヒドくても、ポイントを与えたくない人に評価をすることはありえません。

 なので「総合評価ポイント」はあくまでも「肯定的に作品を読んでくれた人の熱意」の現れなのです。

「連載10回」をめどにして、ブックマークの数や総合評価ポイントで何pt獲れれば良しとするのか。

 あらかじめ決めておくべきでしょう。

 初めて小説を投稿する際は「目安」など設けずに、とりあえずそのまま連載を続けてください。

 「知名度(ネームバリュー)」の無いあなたが書いた作品だから、おそらくブックマークも少なく評価もされないはずです。

 そこがあなたのスタートラインになります。

 二作目は一作目のブックマークを超えられるように連載していけば、必然と意欲的に創作しようと思えるものです。

 こうやって作品を書くごとに「前回を超えよう」と思って執筆していきましょう。




勝手にライバル

 ある程度書けるようになってきたら、同じジャンルで同じくらいのレベルだと思われる書き手を「勝手にライバル」にしてしまいましょう。

 もちろん相手に宣言する必要はありません。

 あなたの努力目標として設定するだけです。

「文豪」で互いをライバル視していたことで有名なのが、芥川龍之介氏と谷崎潤一郎氏です。

 往復書簡や同人誌などで互いを厳しく批評して、犬猿の仲だったと言われています。

 そこまでこじらせてしまう小説の書き手は現在ではまずいません。

 それでも、自分にとって「ライバル」を設定しておくと創作意欲が弥増(いやま)します。

「この人に勝ちたいんだ」と思うことで、目標が明確になるからです。

『機動戦士ガンダム』で主人公アムロ・レイが「ランバ・ラルに勝ちたいんだ」と思ったことと同じです。

「ライバル」がブックマークを10個集めたからこちらは11個集めようだとか、「ライバル」が総合評価ポイントで50ptをとったから、こちらは51ptを目指そうだとか。

「ライバル」の小説を徹底的に読み込んで、「なぜ彼はそんなにポイントが稼げるんだ」と分析してみるのも、「ライバルを超えたい」という気持ちがあったればこそです。

「ライバルに負けてたまるか」という気概があれば、向上心に火がつきます。

 もし「ライバル」が遥か彼方まで先に行ってしまったとしたら。

 潔く負けを認めて、改めて「勝手にライバル」にする書き手を選びましょう。

 そうすれば、身の丈にあった努力が行なえます。

 仮にこちらがライバルを置き去りにして急伸したときは、より高いレベルの書き手を「勝手にライバル」に設定するのです。

 つねに「ライバル」が自分のレベルに釣り合っていることが、「良きライバル関係」となります。


「勝手にライバル」を選ぶ際は相手の「知名度(ネームバリュー)」を必ずチェックしてください。

 つまり「勝手にライバル」候補が過去に書いた作品の「総合評価ポイント」をチェックするのです。

 ひじょうに高い「総合評価ポイント」を得ている作品があれば、その書き手は相当「知名度(ネームバリュー)」が高いと見ていいでしょう。

 このような人を「勝手にライバル」に設定しても、すぐに引き離されるのは目に見えています。

 あくまでも自分と切磋琢磨できるレベルの書き手を「勝手にライバル」として選ぶことが重要なのです。




ライバルから学ぶべき点もある

「ライバル」は競い合う相手ですが、同時に学ぶべき相手でもあります。

 なにせ同じジャンルの書き手ですから、良い点があれば吸収し、悪い点があれば反面教師にできるからです。

 先の芥川龍之介氏と谷崎潤一郎氏のように「お前はここがなっていない」「お前こそこがまったく意味不明だ」のようなやりとりをする必要などありません。

 「勝手にライバル」にはこちらがライバル視していることを気づかれずに、こちらが「ライバル」をじゅうぶんに観察して分析するのです。

 良い点、悪い点は相手を「ライバル」だと思っているからこそ、目につきます。

「ライバル」が半歩先を歩いていて、こちらはそれを追いかけていく。

 これが理想的な「ライバル」関係なのです。


 だからといって「ライバル」の展開をパクれと言っているわけではありません。

 むしろ「ライバル」とは異なる展開を目指すべきです。

「ライバル」と共存共栄できることも、理想的な「勝手にライバル」の関係だと言えます。

「ライバル」を潰すために感想で罵詈雑言を浴びせかけるなんてことはけっしてあってはならないのです。

 「ライバル」にはどんどん良い点を指摘してあげてください。

 それが「勝手にライバル」をさらに強くします。

 「勝手にライバル」が強くなれば、あなたの目標も一段高くなるのです。

 切磋琢磨できることが「勝手にライバル」を設定する利点なのです。





最後に

 今回は「勝手にライバル」について述べてみました。

 まず目安を決めましょう。

 連載10回目までにブックマークを10個集めるような類いでかまいません。

 適切な目安があなたの向上心を高めます。

 そしてできることなら「勝手にライバル」を決めてみましょう。

 相手に知られることのない「勝手にライバル」との仮想戦を行なうのです。

 同じジャンルでいて少し方向の異なる、同じくらいの力量の書き手を「勝手にライバル」に設定します。

 そして相手に知られることなく切磋琢磨することであなたは鍛えられていくのです。




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