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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
孫子篇〜孫武の知恵をお借りして
361/1500

361.孫子篇:五.勢篇

 今回は「長い文章を短い文章のように操る」「ランキング争いとテンプレート」についてです。

「テンプレート」に否定的な書き手は多いと思いますが、小説投稿サイトに求められている小説は往々にして「テンプレート」に沿った作品なのです。

孫子篇:五.勢篇


 連載小説を長編小説のように書くには、なにが必要なのでしょうか。

「ランキング」争いのために「テンプレート」をどう活かせばいいのでしょうか。

 今回はそこを見ていきます。




長い文章を短い文章のように操る

 長い文章を綴る際、短い文章のように書けるのは、小説の書き方がすぐれているからです。

 短い文章にタグをつけて、いつでも取り出せる状態を作っておきます。

(まず短い文章を箇条書きでいいので用意します。

 そして順序が正しくなるように並べ替えて短い文章を目次とするのです。

 つまり「企画書」から「あらすじ」を作る段階を指します。

 この目次となった短い文章を膨らませて長い文章(箱書き)に仕立て上げるのです。

 このようにすれば短い文章が長い文章になり、長い文章のうちの短い文章をさらに膨らませていきます。

 この手順を踏めば、連載小説さえも短い箇条書きの文章のように書けます)。




ランキング争いとテンプレート

 相手からどのような小説が来ようとも決して「ランキング」で負けないのは、その小説投稿サイトで人気のある「テンプレート」と、臨機応変に対応する柔軟な文章力をうまく使い分けることができるからです。

 こちらの小説が相手より上を行くのは、こちらの「テンプレート」が充実していて強いところで、相手の「テンプレート」活用に柔軟性がなく弱いところを突くからです。


「ランキング」争いというものは最初は「テンプレート」を用いた正攻法で入り、状況の変化に応じて他者の思いもよらない臨機応変な奇法で差をつけます。

「テンプレート」から臨機応変な奇法を繰り出すパターンは、(きわ)まることも尽きることもないのです。


 文章には基本的に正攻法の「テンプレート」と臨機応変な奇法の二つしかありませんが、この二つの変化は窮め尽くすことができません。

 正攻法の「テンプレート」と臨機応変な奇法の二つが思いもよらない手段で次々と生まれてくることは、誰に窮め尽くすことができましょうか。


 堰き止められたのち放たれた水が、激しく流れて石を漂わすのが「勢い」です。

 猛禽が急降下して獲物の骨を打ち砕くのが力の込められた「速さ」になります。

「文豪」の作品はここぞというときに「勢い」を激しくし、一瞬の「速さ」で決めるのです。


「ランキング」に載るような作品は、たとえ混戦になっても自らの小説が乱れることなく、「テンプレート」を臨機応変に柔軟性を持たせてあるので統制がとれています。

 混乱は治まったままからでも生じるが、混乱するかは文章の構成つまり「テンプレート」の問題です。

 臆病は勇気のある心理状態からも生じるが、臆病になるかは文章の「勢い」の問題です。

 弱さは強い状況からも生じるが、弱くなるかは小説を書くときの迷いなど精神的な態勢の問題です。


 相手を巧みに誘導する書き手は、相手へわざとこちらにスキのあるよう見せつけることで相手が必ず引っかかるように仕向けます。

 相手になにか利益を与えれば相手は必ずこれを取りに来ます。

 利益を持って相手を誘導し、こちらはあらかじめ仕込んであった小説を投入するだけです。


 このように「ランキング」に載る書き手は、その勝因を文章全体の「勢い」に求めて個々の一文の働きにこだわりません。

 安定しているところに置けば静止するが傾斜しているところに置けば動き出します。

 角ばっていれば止まるが、丸ければ転がります。

 だから「ランキング」に載る書き手が用いる「勢い」というのは、丸い石を高い山から転がすようなものです。




―――――――――――――




 ちょっとわかりにくいかもしれませんので、補足していきます。

 まず「長い文章を短い文章のように書く」は、一見すると「長編小説」を「短編小説」のようにと解釈してしまいがちです。

 そうではなくここは「連載小説」を「長編小説」のようにと解釈してください。

「結末」がわからない「連載小説」は、「長編小説」のように「結末(エンディング)」を決めて書けばいいということです。

 そうすれば多少脱線しても本来想定していた「プロット」を経て「結末(エンディング)」へ物語を導くことができます。


 次に「ランキング争いとテンプレート」についてですが、「ランキング」争いをするにはまず「テンプレート」に沿うことを目指すべきです。

「テンプレート」の利用は「逃げ」ではありません。

 読み手に「安心感」を持って読んでもらうためのツールです。

 どんな物語なのかわからないまま小説を読みたい方なんて、実はそれほどいません。

 ほとんどの読み手は「こういう話が読みたい」と「読みたい小説像」が明確です。

 つまり目的を持って小説を選んでいます。

 その読み手の「読みたい小説像」を端的に表すのが、なにを隠そう「テンプレート」なのです。

 需要があるから「テンプレート」に沿った作品は求められます。

「テンプレート」のゴリ押しのようです。しかし現実として「ランキング」に載るのは「テンプレート」に沿った作品であることは、「ランキング」を見ても判りますが動かしがたい事実です。

 それでも「テンプレート」が嫌だという方へ、無理に強制するつもりはありません。





最後に

 今回は「長い文章を短い文章のように」「ランキング争いとテンプレート」の二点について述べられていました。

 何度も繰り返しますが、『孫子』は古代中国・春秋時代という激動の世において、いかに「負けない戦いをして国を保全し、拡大していくか」について述べられた書物です。

 小説投稿サイトで「ランキング」争いに加わりたければ、「負けない戦い」をする必要があります。

 そのために必要なのは、これまでの篇でも述べられていますが「テンプレート」なのです。




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