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349.不調篇:他人と比べない

 今回は「他人と比べない」ことです。

 自分はこれだけ頑張って書いているのに、あの人には及ばない。自分の能力が足りないからだ。

 そう思っていませんか。

 そもそも能力は他人と比べるものではないのです。

他人と比べない


 小説をある程度書いていると、つい他人の作品と比べてみたくなります。

 現在の自分の力量がどれほどの位置にあるのか確認したくなるのです。

 ですが今人気のある書き手の作品と、あなたの作品は単純に比べられません。

 そもそも才能は他人と比べるものではなく、過去の自分と比べるべきものなのです。

 だから他人と比べてもなんら意味を持ちません。

 あなたにはあなたの「書きやすいスタイル」があるはずです。




あなたのスタイルで書くべき

「小説を書く」行為には誘惑が付きものです。

 真面目な人は真面目な文章を書けばいい。

 それなのに、今の流行りはユーモラスな小説だからと、無理をしてでもユーモアを取り入れた作品を作ろうとしてしまうのです。

 根が真面目ですから、そうすればウケるとわかればやらずにいられないのですね。

 すると途端に書けなくなります。

 あなたの性格と流行りの小説のスタイルは異なっていて当然です。

 たとえ流行りがユーモラスな小説であっても、真面目なあなたは真面目な小説を書きましょう。

 流行りは必ず流転します。

 いつ真面目な作品が流行りになるのか誰にもわからないのです。

 であれば、真面目な小説を書き続けていればいつかスポットライトを浴びることもできるでしょう。

 他人と比べるのではなく、あなたのスタイルを貫いてください。

 第一、自然体で書けてラクができますからね。

 無理な書き方や苦手な書き方で「小説を執筆する」必要なんてどこにもありません。

 自然体で自分の思いどおりに執筆していく。

 文字で書くことそれ自体は簡単なのですが、どうしても他人と比べてしまうものなのです。


 極端な話、あなたが小説を書いている間は他人の書いた小説を読まないようにしましょう。

 他人の小説を読むから比べてしまうのです。

 あなたの執筆に影響が出ないのであれば、他人の小説を読むのも「あり」。

 ですがたいていの書き手は、他人の小説に触れると「あ、こんな書き方もあるんだ」と判断して、自分の小説にもそういう書き方を持ち込みたくなります。

「どんな小説を読もうと、自分の執筆には影響が出ない」ほど確固たる意志がないのであれば、やはり連載中は他人の小説を読まないほうがよいでしょう。




書く楽しさを知ろう

 小説を書く楽しさを知ってから、小説の書き方を指導されたほうがいいのです。

 楽しさを覚えるから小説を書きます。

 至極当然のことです。

 ですが学校の国語では、文章を書く楽しさを教えられずに作文を書かされますよね。

 これで文章を書くことが楽しいと思える人がどれだけいるのでしょうか。

 ほとんどの方は「作文なんて書くのがたいへんだ」という認識を持ったはずです。

 その認識を持ったまま小説を書こうとするのは拷問に近い。

 小説を書いて「小説家になろう」という意気込みも、「書くのがたいへんだ」との認識には敵いません。

 ではどうすれば書けるようになると思いますか。


 どんな文章でもいいので書いてください。書いたら誰かに見せてください。小説投稿サイトのアカウントがあればそこに投稿してください。

 それでひとりでも読んでくれたりブックマークしてくれたり評価してくれたりするだけで、「文章を書く」ことが楽しくなってきます。

 楽しくなるには「誰かに褒められる」経験を重ねることです。

 今日はこんな文章を書いた。投稿してみた。反応があった。嬉しい。

 たったそれだけのことですが、「文章を書く」楽しさはじゅうぶんに味わえます。

 でも同じような作品を書いている方と自分を比べないでください。

 「フォロワーさんの数が違う」からです。

 こちらは投稿を始めたばかり。

 差がついて当たり前なのです。

 だから他人と比べて卑下する必要も勝ち誇る必要もありません。

 他人と比べるのではなく、自分の書いた文章が他人からどのくらい評価されたのか。それを楽しみにしましょう。

 場合によっては誰からも評価されないかもしれません。

 かなり意気消沈しますよね。

 でも最初から完璧な文章を書ける人なんていないのです。

 反応があるまで、挫けずに投稿を続けましょう。

「文章を書く」楽しさを味わうために。ひいては「小説を書く」楽しさを味わうために挫けてはなりません。

 反応が出てくるようになれば、今までの苦労なんて一瞬で吹っ飛んでしまいますよ。




小説を書く楽しさ

「小説を書く」楽しさは、読み手からの反応の多さと大きさにあります。

「書いたから満足」してはいけません。

 読み手は貴重な時間を使ってあなたの小説を読んだのです。

 その小説は貴重な時間を費やしたことと天秤にかけられ、「この小説を読んでよかった」と思えたらブックマークや評価が増えていきます。

 読んでくれた人は多いけど反応が薄かった。

 それは天秤にかけられて「こんな小説読まなければよかった」と思われたということです。

 長編小説や短編小説であれば、その一回こっきりの評価で済みます。

 連載小説の場合は、いくらスタートで多くの人が読んでくれても、評価されなければ次回以降の閲覧数(PV)が大きく減るのです。

 一度こうなってしまうと、それ以上連載を続けても閲覧数を元の人数まで回復させ上積みを狙うのが難しくなります。

 そういうときはすぐに連載を畳んでしまいましょう。

「せっかくここまで楽しく書いてきたのに」とお思いでしょうが、小説は書き手だけが楽しんでも意味がないのです。

 読んで楽しんでもらうことが第一でなければなりません。

 楽しさを味わってもらえることに「小説を書く」楽しさがあります。

「書き手が書いていて楽しい」けど読み手がついてこないというのでは、書き手のエゴを押しつけているようなものです。

 本当の「小説を書く」楽しさは、「読み手が楽しんで読んでくれる」作品を書くことに尽きます。





最後に

 今回は「他人と比べない」ことについて述べました。

 小説投稿サイトのランキングは「相対的」な順位なので、どうしても他人の小説が気になって仕方なくなります

 ですが他人の小説を読んで連載小説のスタイルを変えてはなりません。

 もし比べたいのなら「過去の自分」と比べましょう。

「ここはこう書くべきだった」「もしこう書いていたらどうだったかな」というように、反省点がたくさん見つかるはずです。

 反省点を改善していくほうが、よほど「これからの小説執筆」のためになります。




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