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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
執筆篇〜わかりやすく書くための心得
330/1500

330.執筆篇:なりたい人と書きたい人

 今回は「なりたい人と書きたい人」と題して「小説家を目指す人」と「たくさん書きたい人」の違いについてです。

「小説家を目指す」ことを否定はしません。

 ただそれだけだと「小説家になった」時点でゴールを迎えてしまいます。

 その後継続して小説を書き続けられる人は「たくさん書きたい人」なのです。

なりたい人と書きたい人


 あなたと小説の関係を一度整理してみましょう。

 あなたは「小説家になりたい」ですか、「アマでもいいのでたくさん小説を書きたい」ですか。

 いずれかによって、あなたが小説にどれだけ情熱を注いでいるのかがわかります。




小説家になりたい人

 小説を書く理由が「小説家になりたい」からだという方。

 素直でたいへんいいことだと思います。

 ぜひ「小説家」を目指してください。

「小説家」になるための努力を惜しまなければ、いつか日の目を見ることもできるはずです。

 小説投稿サイト『小説家になろう』『エブリスタ』『アルファポリス』『カクヨム』などに投稿している方は「小説家になりたい」から利用しているのではないでしょうか。

 そのためには実際に長編小説や連載小説を書き、その中から毎回必ず反省点を見つけてはひとつずつ改善していきましょう。

 自力で改善できない人はなかなか「小説家」にはなれません。

 ですが「たまたま書けた完璧な小説」が賞を獲って「小説家」デビューされる方が実際にいるのです。

 そういう方にも等しく出版社から担当の「編集さん」がつくことになります。

 編集さんに企画書や梗概を提出すれば、話の良し悪しを判断してくれますし、執筆するときは悪い点を指摘してくれるのです。

 だから「たまたま書けた完璧な小説」があれば、自力で改善できない人でも「小説家」になれます。

 たとえば芥川龍之介賞(芥川賞)を最年少の十九歳で受賞した綿矢りさ氏は、次作の発刊までに六年かかっています。

 これは編集さんが相当手助けをして次作が「たまたま書けた完璧な小説」に近づけるように頑張っていたからではないでしょうか。


 対して「自力で改善できる能力」があってひとりで質を高められる人は、安定して上質の作品を定期的に出版しています。

 2017年に『蜜蜂と遠雷』で直木三十五賞(直木賞)を受賞した恩田陸氏が例として挙げられます。

 彼女は2013年に『夜の底は柔らかな幻』で直木賞にノミネートされており、『蜜蜂と遠雷』が「たまたま書けた完璧な小説」でなかったことを物語っているのです。

 また出版作品数が多いのも彼女の特徴だと言えます。

 出版社が売れない小説を数多く出版するわけがありません。

 彼女の小説が実際に売れているから、出版社は恩田陸氏に新作を求めて続けているのです。


 お笑い芸人ピースの又吉直樹氏は中編小説『火花』で芥川賞を受賞していますが、二年後に『劇場』を出版しています。

 彼の場合、お笑い芸人の次に作家業が位置しているので、どうしても執筆速度は遅くなってしまうのです。

 それを考慮に入れれば又吉直樹氏の『火花』も「たまたま書けた完璧な小説」ではなかったことを意味しています。まぁ発行部数を比較すれば『火花』は「たまたま書けた完璧な小説」に入りますけどね。


「小説家」になってから安定して継続的に小説を出版し続けられる人こそが、真の「小説家」なのです。

「小説家になる」ことがゴールではありません。

「小説家になって新刊を出版し続けられる」ことが目標なのです。

 そのためには「自力で改善できる能力」を身につけましょう。

 本コラムは皆様に「自力で改善できる能力」を身につけてもらいたいがために存在しています。

 基本的なことからニッチなところまで書いてありますので、読んでいるだけでも「自力で改善できる能力」を体得できるはずです。




たくさん小説を書きたい人

 小説を書く理由が「たくさん小説を書きたい」からだという方。

 もう書かずにはいられないほど、書きたい物語が山のようにある。

 ぜひたくさん書いて小説投稿サイトに掲載したり「小説賞・新人賞」に応募したりしましょう。

 一作書いては投稿して反響を確認し、どこが悪かったのか反省して「自力で改善できる能力」を磨くのです。

「好きこそ物の上手なれ」と言います。

「小説を書くのが楽しくて仕方がない」のなら、何作でも書けるのです。

 ただ漫然と「好きなように書いて投稿する」だけでは上達もしませんし、評価やブックマークも少なくなります。

 せっかく書いた小説が評価されずに埋もれていくのを見るのは悲しいものです。

 どうせ投稿するならランキングに載りたいと思いますよね。

 私も載りたいと思っていますが、万人ウケはしない小説なので半ばあきらめています。

 どうすればランキングに載ることができるのでしょうか。


 小説投稿サイトの良いところは、誰でも気軽に感想をコメントできるところです。

「ここが悪かった」「ここはこうしたほうが良かったのでは」「ここの表現がいいですね」など良きにつけ悪しきにつけコメントとして感想がもらえます。

 それをひとつの目安として次投稿ぶんから改善していけば、読み手が増えて評価も高まりますしブックマークもつくのです。

 もちろんコメントの内容がすべて真実であるとは限りません。

 しょせん素人の抱いている感想にすぎないからです。

 もし出版社の編集さんからのコメントなら、信憑性はかなり高くなります。

 でも多くが素人判断ですから、そこを直せば本当に良くなるのかは書き手には判断がつきにくいのです。

 だからこそ「自力で改善できる能力」を磨けば、寄せられたコメントの中でどれが真実なのかを見抜く眼力を養うこともできます。


 そしてできれば、小説投稿サイトで企画されている「小説賞・新人賞」に応募してみましょう。

 うまくすれば賞金が手に入りますし、「紙の書籍」化されるかもしれません。

 最低でも応募作は多くのユーザーが読みますから、あなたの名前を世に知らしめることができます。

 名前が知られるようになれば、あなたの作品はさらに多くの人に読んでもらえるようになるのです。




小説を書く時間を作る

「小説を書きたい」と思っていても今まで一度も小説を書いたことがない方は多いと思います。

 それは「小説を書く時間」を作れないからです。

 ゲームもしたいしマンガも読みたいしアニメも観たい。連載を追っている小説も読みたい。勉強や仕事や家事などしなければならないことも山積み。

 これでは到底「小説を書く時間」など生み出せはしないのです。

「小説家になりたい」人も「たくさん小説を書きたい」人も、執筆に費やす時間がなければなにも始まりません。

 願望があるだけで実行力に乏しいのです。


 だから小説投稿サイトに投稿したいのなら、まずは毎日二時間ほどコンピュータの前に座ってください。

 Microsoft『Word』でもJUST SYSTEM『一太郎』でもApple『Pages』でもフリーやシェアなどの「テキストエディタ」でもいいので、毎日とにかく文章を書きましょう。

 最初は日記でもいいですし、私のようにコラムを書いてもいい。

 とにかく毎日文章を書く努力をするのです。

 そして「文章を書くのって楽しいな」と感じられるまで、ただひたすら書きまくりましょう。

 そうすれば肝心の「小説を書く」ための土台が出来あがります。

 毎日短編小説やショートショートを一本書いて、推敲して、投稿する。

 これができるようになれば、あなたはいつでも連載を始めることができるのです。

 そのためにも、まずはコンピュータに向かってください。

 書くことがなくても、とにかくムダ文でも雑感でもいいので、毎日文章を書くのです。

 あなたにとって「小説を書く」ことが趣味の一番手ではなかったり、「小説家になりたい」も一番の願いではなかったりするようなら、いっそ「小説を書こう」などと思わないことです。

 なにをおいても「小説を書きたい」んだという方だけが、将来に大成します。





最後に

 今回は「なりたい人と書きたい人」について述べました。

「小説家になりたい」人は、小説家になれた時点で意欲を失ってしまうことが多いのです。

 だから「たまたま書けた完璧な小説」でデビューできても後が続きません。

 それよりも「たくさん小説を書きたい」人はたとえアマでも物語を量産できます。

 上質な小説を量産していれば、ランキングに載ることもできますし、うまくすれば「小説賞・新人賞」を得れるはずです。

 だから「小説家になりたい」を目標にするのではなく、「たくさん小説を書きたい」を目標にしましょう。




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