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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
短編篇〜たまには短編も書きましょう
295/1500

295.短編篇:短編小説の概要

 短編篇なのに長編小説を書くことをオススメしています。

 先に長編小説を一本書きあげることで、小説に必要な着想力・構想力・描写力(表現力)が鍛えられます。

 小説投稿サイトを攻略するために最初のうち短編小説を書くしかないのです。

 いきなり長編小説を掲載しても誰も読んでくれません。

短編小説の概要


 本コラムは基本的に原稿用紙三百枚つまり「長編小説」とそれを連載化した「連載小説」をターゲットにしています。

 ですが、意外と「短編小説はどう書けばいいのですか」というコメントが『小説家になろう』と『ピクシブ文芸』の双方に付いているのが現状です。

 都度コメントで手短にお答えしてきたのですが、やはり特集を組んで「これさえ読めば短編小説が書ける」という篇を作ろうと思いました。




短編小説の定義

 前回のコラムNo.294「短編篇:長さによる小説の区分」で述べましたが、短編小説の定義は「原稿用紙二十枚から六十枚程度・文字数一万五千字から二万字程度」です。

 小説を語るうえでとても短い。長編小説ならこの六倍は使えます。

 短い分量の中で登場人物の紹介、舞台・世界観の説明、出来事の発生と終結、「伏線」の活用に加えて「オチ」をつける必要があるのです。

 ムダな文章を書いているスキマなどいっさいありません。




先に長編小説を書いておこう

 だから「短編小説は長編小説が書けるようになってから挑戦したほうがいいですよ」と皆様にお教えしたいのです。

 長編小説に盛り込む一章つまり一エピソードを切り出して加工するほうが、破綻の少ない短編小説に仕立てられます。

 でもコラムNo.289「表現篇:将来のためになにを書くべきか」では小説投稿サイトは「短編小説」でフォロワーさんを増やすことを私自身が提唱していますよね。

 矛盾しているようですが、段階が違うと思ってください。


 まず「長編小説を書く」のですが、これを小説投稿サイトには投稿しないのです。

 投稿しても反応はまず得られないでしょう。

 投稿するだけムダです。

 でも長編小説を一本書きあげられれば、ある程度「小説の書き方」のコツが掴めてきます。

 不安なようならもう一本長編小説を書きましょう。

 小説を書くことに慣れてきたら、いよいよ短編小説を書いて小説投稿サイトへ投稿を始めるのです。

 それも地味に続け、地道にフォロワーさんを増やしていきます。

 小説投稿サイトでいきなり超長編の連載小説を書いても、誰も読んでくれません。

 あなたにフォロワーさんがついていないかぎり、どんなに良作であっても誰も読まないのです。




短編小説で書くべきジャンル

 ではどのジャンルの短編小説を書くべきでしょうか。

 まず「ファンタジー」「SF」はオススメしません。

 この二つは舞台・世界観の説明に相当の分量を費やさなければならないからです。

 先に書きましたが、短編小説は一万五千字から二万字前後しか書けません。

 それなのに舞台・世界観の説明に五千字以上も費やしてしまうと、それだけで物語が薄っぺらくなりますよね。

 それでも『小説家になろう』は「ファンタジー」の反響が高い小説投稿サイトです。

 最初のうちから「私はファンタジー小説の書き手です」と明確にしたほうが、本命の超長編の連載小説を「ファンタジー」で書いたときにフォロワーさんがきちんとついてこれます。

 であればかなり困難ですが「ファンタジー」の短編小説を書くべきでしょう。

 そのためには裏技である「キーワード」を使いこなすことが求められます。

「私は幅広いジャンルの小説が書けますよ」とアピールしたければ、たとえ本命が「ファンタジー」であっても「恋愛」「文芸」などのジャンルから始めたほうがよい。

 競合する相手が少ないほうが読まれる可能性が高まるからです。




本命以外のジャンルも書けるようにする

 私は「恋愛」「文芸」などのジャンルから短編小説を投稿したほうがいいと思っています。

 競合する相手が少ないですからね。

 そして「恋愛」「文芸」などは、「ファンタジー」「SF」を書くときに要素を取り込みやすいジャンルでもあります。

「ハイファンタジー」に「恋愛要素」を持たせた小説なんて山のようにあります。

 そのため『小説家になろう』の「恋愛」ジャンルは「異世界」「現実世界」と分けられているくらいです。

 逆に恋愛要素のない「ハイファンタジー」というのはまず見かけないと思います。


 主人公に感情移入して小説世界を楽しむ娯楽が「小説」です。

 主人公が成長していけば読み手も成長していきます。

 成長していけば人間関係も変わってきますから、主人公にラブ・ロマンスが起こるのは自然な流れです。

 ラブ・ロマンスのない小説というのは本当に数少ない。

『小説家になろう』の中でも私くらいではないでしょうか。(さすがに言いすぎです)。

 あなたが初恋を経験しているのであれば、「初恋」をテーマにした恋愛小説が書けるはずです。

 異性とお付き合いをしたことがあれば、「交際」をテーマにした恋愛小説が書けます。

 一度も恋愛をしたことがない人もいるでしょう。

 その場合は「妄想」をテーマにした恋愛小説が書けます。

 こんなことをしたらあの人はどう返してくるのだろう、というものを「妄想」するくらいなら誰にだってできるはずです。


 言文一致体を模索していた頃の日本文学に田山花袋氏『蒲団』という私小説の作品があります。

 これはもう「妄想」の塊です。

 今の人が読むと相当気持ち悪い。

 恋愛感情のない私が読んでも気持ち悪くなったくらいなので、まっとうな恋愛をされてきた方が読めば間違いなく「気持ち悪い」と感じるはずです。

 でも「妄想」だけでじゅうぶんに「恋愛」(『蒲団』の区分はおそらく「文学」ですが)を書けることがわかります。




どうしてもファンタジーの短編小説が書きたいなら

 ここまで注意してきましたが、それでも「ファンタジー」の短編小説を書きたい方もいらっしゃるでしょう。

 その場合は短編小説の上限に達するのを覚悟して執筆してみましょう。

 つまり目安よりも多くの分量を確保してあれば、その多く見積もった分量を舞台・世界観の説明に回せるわけです。

 短編小説は一万五千字から二万字を目安としています。

 他のジャンルなら一万五千字で書くような物語を、「ファンタジー」で書くときは目標を二万字にすることができる。

 増えた五千字を舞台・世界観の描写に回せるわけです。

 冒頭で述べましたが、短編小説と言い切れるのは原稿用紙六十枚までですから、二万四千字までなら問題ありません。

 一万五千字にプラスして九千字が舞台・世界観の説明に回せます。

 まぁさすがに短編小説で九千字も舞台・世界線の説明に使う書き手はまずいませんけどね。

 長めに書けば「ファンタジー」の短編小説が書けるとわかっただけでもよいのではないでしょうか。





最後に

 今回は「短編小説の概要」について述べてみました。

 短編小説を書いて小説投稿サイトを攻略する方法がありますから、皆様も短編小説に挑戦したいですよね。

 でも「ファンタジー」「SF」は舞台・世界観の説明にかなりの分量を用いなければなりません。

 とくに「ハイファンタジー」「遠未来SF」は相当な分量で説明しないとどこが舞台なのか、どんな世界観なのか読み手にほとんど伝わらないのです。

 だからオススメは「恋愛」ジャンル「現実世界」の短編小説になります。

 でも舞台・世界観の説明をしっかり書くつもりだから「ファンタジー」「SF」の短編小説を書かせてほしい。

 そう思う書き手の方もいるでしょう。

 その場合は短編小説の上限である原稿用紙六十枚を目指して書きましょう。

 舞台・世界観をじゅうぶんに説明することができますよ。




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