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242.意欲篇:得意なこと苦手なこと

 今回は「得意なこと苦手なこと」について述べてみました。

 前も似たようなことを書いたと思いますが、私の体験を踏まえて具体的に書いてみました。

得意なこと苦手なこと


 あなたの得意なこと、苦手なことはそれぞれなんですか。五点挙げてください。

 そう問われたとしたら、あなたはなんと答えるでしょうか。



 

簡単に思いつく得意なことは重要

 最初に思いつくことはあなたにとって最重要なことになります。

 たとえば私は兵法とくに『孫子』に詳しいので戦争小説が得意です。これは即答できます。


 すらすらと思いつくことはあなたにとって重要です。

 私が次に思いつくのは「異世界ファンタジー」になります。「異世界転生ファンタジー」でも「異世界転移ファンタジー」でもなく、純粋に「異世界ファンタジー」です。最初に触れたライトノベルが水野良氏『ロードス島戦記』だったので「ライトノベル」イコール「異世界ファンタジー」という意識があります。


 三番目は「異能力」ですね。魔法とか超能力とか手品といった、常人では身につけられないことを小説に書くことが得意です。私はユリ・ゲラーがテレビで全盛期になったあたりでテレビを観ていましたし、マンガのまつもと泉氏『きまぐれオレンジ☆ロード』も好きでした。またマンガの桂正和氏『ウイングマン』のように「変身できる」というのも「異能力」の一種だと思います。


 次に得意だと思うのは「体操(器械体操)」です。

 私は幼少期を雪国の養護施設で過ごしており、とんぼ返りやバク転などを自力で練習していました。

 自力で練習しましたから失敗ばかり繰り返しましたが、そのために得られた知識も多々あります。この失敗した知識を活かした小説を書けば、凡百の小説にはならないでしょう。私の独自性を出すには「よい選択」ではないでしょうか。


 残りひとつですが、すぐに思い浮かびません。

 今まで書いた小説を読み返せば、その傾向からある程度わかると思います。しかしパッと思い浮かばないようなものは「得意」とは思わないものなのです。


 とりあえず得意なこと四つをくっつけると私の得意な小説がどんなものなのか見えてきます。

 「戦争小説」で「異世界ファンタジー」で「異能力」があり「体を自在に操る」ことが見られる世界観。

 詰まるところ「剣と魔法のファンタジー」で国家間戦争を題材にしたものということになります。

 過去作では拙著『暁の神話』が魔法を用いていない「剣の異世界ファンタジー」でしたが国家間戦争を題材としていました。

 私が書きたいのは結局「剣と魔法のファンタジー」で国家間戦争を題材にしたものなのです。

 それがわかれば努力の方向が定まります。

 早急に『暁の神話』を連載化したいところですね。

 本コラムのストックが溜まり次第、「箱書き」から考えていきたいと思います。

 十何年練ってきた「企画書」と「あらすじ」を大きく変えるつもりはありません。変えてしまうことでかえって矛盾を生じさせるおそれがあるからです。




簡単に思いつく苦手なことは重要

 得意なことと同様、最初に思いつくことはあなたにとって最大の欠点となります。

 たとえば私は恋愛感情がないかかぎりなく希薄なので、恋愛を盛り込んだ小説が苦手です。

 ショートショートや短編くらいならそれほど矛盾のない物語を作れますが、長編以上になるとボロが出やすくなります。

 これは私の生い立ちと関係があるので、今さら変えることはできません。

 せいぜい恋愛小説を読んで恋愛ドラマ・映画を観て知識を入れるくらいでしょうか。でも「恋愛小説」はまず読みません。戦争小説や戦記小説などで「恋愛要素」が含まれるときに「恋愛」を意識する程度です。ドラマも映画も同様で「恋愛もの」を観ようと思わず、結果として「恋愛要素」が含まれるときに「恋愛」について考えるだけ。

 やはり人生の中で「恋愛」に対して実体験がないから、興味が湧かないんですよね。

 だから私が書いた「恋愛小説」はどこかうわべをなぞっただけの描写になってしまいます。

 これほど大きな欠点を持っていると、純粋な「恋愛小説を書く」ことができません。

 もし私の最大の得意なことである「国家間戦争」に「恋愛要素」を掛け合わせれば、もっと面白い小説が書けるはずなのです。


「戦争で引き裂かれた男女の恋愛物語」というものは実は中学生のときに「あらすじ」まで考えたことがあります。

 まぁ恋愛というか純愛ものなんですけどね。第二次性徴期で恋愛に少しは関心があった頃なのでしょうか。でもやはり恋愛に関しての意識は希薄でした。

 これなら記憶から思い起こすだけで「あらすじ」まではすぐできるので、キャラ名や地名などを考えて「箱書き」にしていけばそれなりの小説になるとは思います。


 また得意なことと同様、すらすらと思いつくものは苦手意識のあるものです。

 私が次に苦手なものは「推理」ものです。

 私は推理小説をほとんど読みません。推理ものだとマンガの青山剛昌氏『名探偵コナン』、テレビドラマのサー・アーサー・コナン・ドイル氏(ジェレミー・ブレット氏主演)『シャーロック・ホームズの冒険』、テレビドラマのピーター・フォーク氏主演『刑事コロンボ』、テレビドラマのデヴィッド・スーシェ氏主演『名探偵ポワロ』は好きでよく観ていました。

 こういった推理ドラマを観ていながら、なぜか推理小説は読まないのです。これは自分でも不思議でしょうがありません。

 もしこちらも克服して「剣と魔法のファンタジー」に「推理もの」を掛け合わせれば面白い作品になる可能性があります。しかし、ファンタジーと推理ものは相容れないところがあるのです。推理ものは物理法則がきちんと成立していてスキのない推理をしなければなりません。しかしファンタジーは物理法則が現実世界とは異なるためまともな推理が成立しないのです。推理に必要な部分をリアルにするならできるだけ「フィクション」を排さなければなりません。そうなれば「ファンタジー」である必然性はないですよね。


 三番目に苦手だと思うのが「文学小説(純文学)」です。

 実は私はこれまで「文学小説」を読んだことがほとんどありません。

 中学生のときに芥川龍之介氏の作品を完読したくらいで、他は冒頭部分だけしか読まなかったり、学校の国語の授業で掲載された部分だけを読んだだけだったりします。

 なぜ読まないのかなと今考えると「面白くない」からでしょう。

 「文学小説」はワクワク・ハラハラ・ドキドキといったエンターテインメント要素がまず見られません。つまり面白くないのです。

 私は貧しい家庭に生まれましたから、わざわざ面白くもない小説に貴重なお金を払う意義を見出だせませんでした。

 芥川龍之介氏の小説も図書館で借りて読んだだけです。


 残り二つはパッと思い浮かびません。ということはそれほど苦手意識がないとも言えます。

 苦手意識のある「恋愛」「推理」「文学小説」を克服することができれば、私が書けるジャンルは一気に広がるのです。





最後に

 今回は「得意なこと苦手なこと」について述べてみました。

 私を例にとって「得意なことは武器になる」「苦手なことを克服すれば幅が広がる」ことを見ていきました。

 あなたにとって「得意なこと」「苦手なこと」を改めて挙げてみてください。

 きっと最も強みを活かせるジャンルや作風が見えてくるはずです。

 しかし実際に書いてみると意外としっくりくるジャンルが判明することがあります。

 そのため一度でもいいのであらゆるジャンルの小説を書いてみましょう。

 それが読み手にウケるのかウケないのか。それを注視します。

 苦手なジャンルで読み手ウケが少ない「不得手」なところにわざわざ勝負をかける必要はありません。




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